リチャード三世 公演情報 リチャード三世」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★★

    私でも観れた!!
    シェイクスピアの「詩的」というか何というか・・・あの回りくどい科白が大嫌いで、いつも途中挫折。
    そんなトラウマ持ちの私でも、途中挫折することなく観れた!!
    一応、人物相関は予習して行ったからか、スルスルと状況が飲み込めたし。
    長いドラマだが、それも感じなかった。

    リッチモンド卿のイケメンに脱帽!!
    「なーんだイケメン俳優かよ」とナメてたら、やってくれるじゃねぇーかよ!
    「うらい けんじ」覚えましたっ!

    演出は、感嘆ですな・・・
    砂漠くらいなら、並の演出家でも思いつきそうですが、鵜山仁は違います。
    舞台は、廻すわ、開けるわ、映写はするわ、ビニールで幕を張るわと使えるツールを駆使して、観客を寝かしません。
    これからの演出家は、場面演出だけじゃダメなんだ、ここまでやれなきゃトップ走れないんだな・・・とこの世界の厳しさを痛感した次第です。

    がんばれ、スーパー仁くんっ!!

  • 満足度★★★★

    好評だった新国立劇場新シーズンオープニング
    Twitter 上ではたくさんのツイートが流れ、日本ではマイナージャンルである演劇の公演とは思えない賑わいぶりでした。席は概ね埋まったのでしょうか? 3年前の話題作「ヘンリー6世」の続編を、同じキャストを投入して上演するという趣向が当たったのかと思います。新国立劇場にはこういう斬新な企画を今後とも期待したいです。

  • 満足度★★★★★

    真っ当なシェークスピア劇
    「ヘンリー六世」から観ているので、いつもは、同じ名前の人物がたくさんいて混同したりする部分がわかりやすくて、すぐに、物語の世界に入り込めて、その分、じっくり堪能することのできた「リチャード三世」でした。

    やはり鵜山さんの演出は傑出している。今まで、たくさんの「リチャード3世」を観て来たのですが、今回程、シェークスピアの書いた台詞が時を越えて、胸に沁みた経験はなかったように思います。

    それは、個々の役者さんが、台詞を自分の身に落として、きちんと消化した上で発しているからだと思うのですが、そういう演出をできる鵜山さんの才能には感嘆するばかりです。

    落魄れたマーガレットが、恨みを込めて、この舞台の登場人物の悲劇を俯瞰して眺めている様を、中嶋さんが壮絶に凄みを込めて演じていて、迫力がありました。

    母の悲哀を全身で表現した倉野さん、那須さんと、少ない女優陣が、大健闘し、これまでになく、女性視点からも深みのある「リチャード三世」でした。

    今回もまた、城全さんの声に圧倒されました。

    リッチモンドの浦井さんは、品が良く神々しく、存在感が傑出しているのですが、たぶん、楽屋待機時間が長いのが影響されたのか、ややお顔がふっくらし過ぎていたのが、ちょっと惜しいなと思いました。

    ネタバレBOX

    服装や椅子など、当時とは逸脱した、現代風のものもたくさんあり、かと思えば、きちんと当時を再現する衣装もありで、きっとそのあたりにも、細かい演出意図が隠れていそうでした。

    現代にも通じる人間の性を描く部分には、普遍的な衣装や小道具を多様したのかもしれません。

    リチャード三世の描き方も、極悪非道な悪党という部分より、生まれながらに、不幸を背負って、母にも愛されなかった人間の哀しさを浮き立たせた演出だったように感じました。

    それにしても、中嶋さんのマーガレットが、呪いの言葉を口にする長台詞、たくさんのエドワードが登場するのですが、よどみなくおっしゃっていて、脱帽ものです。きちんと、自分の息子のエドワードと別のエドワードを意識の中で選別していらっしゃるから混同しないんでしょうね。

    中嶋さんに限らず、この舞台の役者さんは、皆さんが、役になりきって台詞をご自身の心の中で咀嚼して声に出してくださっているので、いつもの亜流シェークスピア劇で、耳にするような、単に長台詞を頭に叩き込んだだけといった感じの芝居とは、全く、観客としての体感が異なりました。

    リッチモンドが、戦争前夜、軍隊に向かって鼓舞する演説は、そのまま、客席の我々に向けて発せられているような高揚感があり、体が震えさえしました。

    リチャードに殺された人物達が、入れ替わり立ち代り、「絶望して死ね。」「生きて栄えよ。」と、眠るリチャードとリッチモンドに交互に浴びせる台詞には、私も、心の中で、「○○は絶望して死ね」と唱和してしまいそうになりました。
    実際、現実生活で、恨みのある人物を殺すわけにはいかないので、こういう演劇の世界で、仮想仇討ちできて、心が落ち着くのかもしれないと思ったりしました。

    殺されたリチャードの兄弟役のお二人が、幽閉された王子の役を人形を手に、演じられたのも一興でした。私は、子役を出さなかったのは成功していたと思います。
  • 満足度★★★

    砂上のリチャード
    長時間の作品ですが、充実した演出・演技に引き込まれ、集中力を途切れさせずに最後まで楽しめる作品でした。

    争いによって流された血を吸い込んだかのような赤い砂が一面に敷き詰められ、手前中央が丘のように少し盛り上がった舞台美術の中で、王の座を巡る殺し合いのドラマが展開し、多くの人々の思いが複雑に交錯する様子が印象的でした。
    下手には傾いた玉座があり、その周りに殺された人々の遺体が次第に積み重なり、リチャードの残虐性を継続的に感じさせる演出となっていました。
    リチャードとリッチモンドの軍の戦闘に至るシーンでは回り舞台を用いて緊張感を高めていて、様々な登場人物が「絶望して死ね!」と「生きて栄えよ!」という台詞を続ける場面の高揚感が素晴らしかったです。
    基本的にシリアスな雰囲気の中、所々にふざけたような演出があり、張り詰めた空気を和ませていました。

    多彩な照明が舞台美術を色々な表情に見せていて印象に残りました。舞台奥にはビニールの幕が二重に吊され、役者達の姿がぼんやりと映ったり、時折映像が投影されるのが幻想的で美しかったです。
    終盤に劇場備え付けの設備を意外な方法で見せる演出があって驚きはしましたが、意図が伝わらないままにすぐに引っ込んでしまい、もどかしさを感じました。
    衣装は当時の服装ではなくスーツ等のもっと近代に寄った格好をしていましたが、中途半端に感じました。時代が変わっても存在し続ける人間の愚かさを描くという意図なのであれば、もっと現代的な衣装の方が良いように思いました(1人だけTシャツとジーンズ姿の役がありましたが)。
    ロマン派のピアノ曲をメインとした穏やかな音楽と血なまぐさい物語とのコントラストが新鮮でした。

    岡本健一さんが背中を丸め脚を引きずりながら演じるリチャードの孤独でありがなら強がる姿が醜く滑稽で、とても魅力的でした。母親との対話のシーンでは一瞬だけお互いの心が通じ合うような時があって運命の非情さを感じさせて切なかったです。

  • 満足度★★★★★

    迫力あった
    小心でずる賢くて、そして疑り深いリチャード三世を岡本健一さんが見事に演じられていました。ヘンリー六世からずっと見てきましたが、最終章にふさわしい壮大な芝居でした。
    岡本さん以外も多彩な出演者の皆さんが、役柄を渾身の力をこめて演じられていました。
    座席も前から2列目だったので、息づかいがじかに肌で感じられ、圧倒されました。

  • 満足度★★★★

    「リチャード三世」
    大胆なエンタメ演出に色々驚かされつつ考えつつ、最後まですっかり楽しんじゃった。演技に迫力あり過ぎて笑いが込み上げてきたのは久しぶり。特にたった四人の女性キャストが凄かった。美術も衣装も解釈も思い切りがよくて好き。
    浮世を忘れてミーハー気分にさせる「リチャード三世」だったな~。「ヘンリー六世」三部作の続編としてもシリーズ完結編としても楽しめた。そこもまたミーハー気分なのかもしれないけど。平日は六時半開演で休憩込みで十時十分まで。

    ネタバレBOX

    馬と王冠、ステキだよ!

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