満足度★★★★★
圧巻
幕が開いた瞬間から圧倒されました。どこまでも奥行きがあるんじゃないかと思えるくらいの舞台。美術と照明の素晴らしさ。完全に別の世界に連れて行かれました。
満足度★★★★
(原作未読です)初舞台の柳楽優弥主演。終始、静かに穏やかにすすむ芝居と音楽が心地良い。
(原作未読です)
さすが蜷川さん、始まる前から面白い。
客入れの時間、舞台上には、大きなアクリルの壁に囲まれた「箱」に入った車やバスやベンチや木々が、幾つもならんでいる。
それらが開演と同時に生き物のように動き出す。
後ろで押している黒子さん達の手によって。
その中の一つの箱に、主演の柳楽くんが丸くなって寝ているところから始まる。
起き上った少年(15歳という設定の20歳になった柳楽くん)は、カラスを供に旅に出る。
ネコと話ができる老人は、ネコを袋に入れて集める男を追う。
別々に静かに進む物語は、いつしかシンクロしていき、意外な到達をみる。
終始、静かに穏やかにすすむ芝居と音楽。
シリアスでありながらも、着ぐるみの猫がしゃべったり、と思えば少しグロテスクになったり、と様々な表現がとられているのに、なぜか違和感を感じませんでした。
映画で大ブレイク、初舞台で主演の、あの柳楽優弥くん、中性的な長谷川博己さん、田中裕子さん、佐藤江梨子さん、そして木場勝己さんさえも静かで穏やか。
水の底に漂っているような感じがよかったです。
満足度★★★
意外とアングラ的
村上春樹さんの小説を海外の人が戯曲化したものを翻訳して上演するという少々変わった経緯による公演で、休憩込みで3時間40分程と長い作品でしたが退屈さを感じさせない魅力がありました。
15才の少年と老人がそれぞれの意図を持って高松へ行く物語にオイディプスの物語が重ね合わせられ、さらに哲学書からの引用が絡み、不思議な浮遊感と美しさがありました。原作の小説を読んでないので、元々なのか脚色によってなのかは分かりませんが、端折っているところと引き延ばしているところのバランスが悪く感じられました。
様々なシーンのセットがそれぞれ巨大なアクリルのボックスに納められていて、黒衣がそれらがの配置を変えて行き、次々に変わるシーンをスムーズに展開していたのが見事でした。作品のキーワードとなる「迷宮」がボックスの配置によって視覚化されていたのも良かったです。
美術はスタイリッシュでしたが、エログロ表現や猥雑さ、水の演出が盛り込まれていて、いかにも蜷川さん的な世界が立ち上がっていました。
言葉を話す猫や犬をリアルな着ぐるみを着て表現していたのが浮いて見えました。抽象化や見立て等、舞台ならではの手法を使って表現して欲しかったです。
満足度★★★
原作未読
脚本家が海外の方だが、どんな経歴かも認識不足。セコいと思われてもいい、キャスト表も配布か掲示してほしかった。
だからと言って不満ばかり、というわけでなく。原作の内容?少年カフカの成長物語と不思議な老人ナカタさんの物語から考えるとよくまとめあげてるなと感じたり。でも、あれ?あの箇所は結局なんだったんだろうと、思うところもあったり‥。
「ムサシ」「血の婚礼」とかの舞台セットや転換を思い出し、動物の造形が妙にリアルだった。
星野役の高橋努さんとナカタの木場さんがはまり役だった。
後方席から見ても、柳楽さんは眉と目元に印象が残る俳優さん。