満足度★★★★
(原作未読です)初舞台の柳楽優弥主演。終始、静かに穏やかにすすむ芝居と音楽が心地良い。
(原作未読です)
さすが蜷川さん、始まる前から面白い。
客入れの時間、舞台上には、大きなアクリルの壁に囲まれた「箱」に入った車やバスやベンチや木々が、幾つもならんでいる。
それらが開演と同時に生き物のように動き出す。
後ろで押している黒子さん達の手によって。
その中の一つの箱に、主演の柳楽くんが丸くなって寝ているところから始まる。
起き上った少年(15歳という設定の20歳になった柳楽くん)は、カラスを供に旅に出る。
ネコと話ができる老人は、ネコを袋に入れて集める男を追う。
別々に静かに進む物語は、いつしかシンクロしていき、意外な到達をみる。
終始、静かに穏やかにすすむ芝居と音楽。
シリアスでありながらも、着ぐるみの猫がしゃべったり、と思えば少しグロテスクになったり、と様々な表現がとられているのに、なぜか違和感を感じませんでした。
映画で大ブレイク、初舞台で主演の、あの柳楽優弥くん、中性的な長谷川博己さん、田中裕子さん、佐藤江梨子さん、そして木場勝己さんさえも静かで穏やか。
水の底に漂っているような感じがよかったです。