実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/03/05 (水) 14:00
女歌舞伎と銘打っているし主人公が歌舞伎役者だし、と軸足はそちらに置きつつ BUCK-TICK の楽曲を10曲も使うわレヴューあるいはジュリアナ風のダンスシーンはあるわと和洋新旧折衷で、それがまた巧く融合して面白い。
それは内容、演出だけにとどまらず、基本は和装だが中にはブーツやハイヒールを履いている人物がいるという衣装での表現もあって感心。
更に終盤にはギリシア悲劇や沙翁の要素まで取り込んで「そう来るか!」とニヤニヤ。
加えて降雨・海などの映像投影や終盤で漂うスモーク(?)、最後の「舟」の演出など舞台表現アラカルトのようでステキ♪
実演鑑賞
満足度★★★
2回目。
水嶋カンナさんの貫禄、観客を手のひらで自在に転がす。
BUCK-TICKのアルバム「RAZZLE DAZZLE」のジャケットをイラストレーターの宇野亜喜良氏が手掛けた縁で数々のコラボが実現。今作も氏の発案らしい。(角川文庫の「ドグラ・マグラ」の表紙をずっと氏の作品だと思っていたら、米倉斎加年〈まさかね〉氏で驚いた。)
踊り子達が被る上半分の狐面がベルク・カッツェみたいでカッコイイ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/03/05 (水) 14:00
座席1階
前回はコロナ禍であったか、その時よりも着実にグレードアップしている。扇子を落としたり、せりふをかんだりする人もいたが、折に触れて挟み込まれるダンスは妖艶かつ激しく、スズナリの狭い舞台に目いっぱいの俳優を縦横無尽に動かした演出は感動モノだ。
雪之丞は中村屋の名優で、江戸での舞台は大盛況。しかし、彼には胸に秘めた「やるべきこと」があった。それは理不尽な経緯で命を絶たれた両親の仇討ち。芝居を見に訪れほれ込んでしまった姫との恋物語をもう一つの軸に、物語は進んでいく。
プロジェクト・ニクスは、1月に米ニューヨークの演劇祭に招聘されて寺山修司の「青ひげ公の城」を演じて大喝采を浴びた。その時のあいさつで、主宰の水嶋カンナが「次は女歌舞伎をNYでやりたい」と公言、ニクスにとって次の大きな目標となるのが今作のNY公演だ。
演出の金守珍は亡き唐十郎とNYのハドソン川で「ここでテント演劇をやりたい」と語り合ったという。もし、新雪之丞変化がテント演劇で行われるなら、摩天楼を借景としたラストシーンはどうなるのだろうか。実現すれば絶対に見たいポイントである。いや、花園神社でもいいから見たい!
雪之丞を演じた寺田結美は長身で見応えがある。桟敷童子の主要メンバーであるもりちえは新宿梁山泊出身。外に出ても堂々としていて安定感があり、何度も笑いと取っていたのはさすが。今回は雪之丞のそばに仕えた雨太郎を演じた紅日毬子がすばらしかった。ニクスのアングラ劇は、この「雪之丞」で一つの方向性が明確になったような気がする。
実演鑑賞
満足度★★★
主演の雪之丞に寺田結美さん。170cmの長身で元宝塚のOGを思わせる華麗さ。
雪之丞役が兼役することが多い義賊・怪盗闇太郎は本間美彩さん。
乳母の浜田えり子さんはオペラの発声練習、ベルカント唱法で盛り上げる。
手塚日菜子さんとRIAさんのダンスは強烈。
軽業のお初に主宰の水嶋カンナさん。
劇団☆新感線っぽい舞台美術。
愛猫家の櫻井敦司氏がヒグチユウコさんの絵本、『ギュスターヴくん』をモデルに作った曲「GUSTAVE」で皆が踊るシーンが良い。
サビの歌詞はズバリ、
「Cat Cat CatCat Cat Cat CatCat Cat
Cat Cat CatCat Cat's」
「ゲルニカの夜」と「胎内回帰」が重要なキーになる。
是非観に行って頂きたい。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/03/04 (火) 19:00
有名な「新雪之丞変化」を再演だが、グレードアップしてる感じもあって見応えアリ。118分。
2020年に「女歌舞伎」を謳って初演した作品の再演で、初演も観ている。物語はある意味で古典的なものだが、初演と同じくBUCK-TICKの音楽を使って現代的な感触も持たせる。アングラテイストもあるし、歌舞伎っぽいケレンもあるが、何と言っても舞台美術の見事さに驚く。初演でも思ったが寺田結美がカッコいい。そして、こういった舞台を作る努力を20年近くやっている水嶋カンナがスゴイと思う。