実演鑑賞
満足度★★★★
イヨネスコ「授業」は、楽園王を始め いくつかの劇団 公演で観ている。不条理をいかに不条理劇として観せるか、それをどう味わい深く伝えるかは、相当難しいのではないか。本公演も説明にあるように、構成を大きく分断し 戯曲の後半部分を先に、前半部分を後に上演して不条理劇の不条理を倍増させる工夫をしている。
自分では、難解?もしくは自由過ぎると敬遠しがちだった不条理劇の魅力を感じることが出来た。今作は、不突合・不調和といった状況下における可笑しみ、同時に恐怖を感じた。また後半部分を先に表現することによって、不条理の(本)質というよりは、ループすることで不条理の連鎖なり重層、その量を意識させられた。まさに この世は不条理で満ち満ちているといった印象である。
演出が好い。出演者の衣裳や行為(動き)、そして音楽の雰囲気が前半(最初の生徒)と後半(二番目の生徒)とでは違って、同じ不条理の光景(場景)でも その印象が異なる。この外観的な中に、不安・不穏もしくは苛立ち・怒り といった表現し難い感情が透けて見えてくる。勿論 生徒が鎖の付いた手錠をしていることは奇異であるが、教授と生徒という立場の違いを表しているのだろう。
(上演時間65分) 12.23追記
実演鑑賞
満足度★★★★
この不条理劇、それぞれ別の劇団で3回くらい観てますが、今まで観た中では一番洗練されていましたね。不条理劇に奇をてらっていないというのも変ですが、普通に楽しめました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
金曜日拝見しました。五年ほど前にこの場所で拝見していたのを思い出しました。不条理劇をきちんと見たのがその五年前でその後色々拝見しましたがまたその時と違って人間の狂喜とか感情の起伏とか表現されて迫力ありましたね。役者の皆さんの力量は申し分なく、今回も楽しめました。
実演鑑賞
満足度★★★★
「イヨネスコ『授業』」とは何なのか。奇怪そのものの戯曲は人の心の深層を叩いて来るものがあるが、正体は漠としており強度の高い解釈を作り手に求める。
結論的には、面白いパフォーマンスであった。教授役は前回のリーディング企画で「お国と五平」の男役をやった男優で、人間の「狂気」の背後に流れる何かを、想像させるに十分な奇怪さを体現した。
私はSPACで西悟志氏の非凡な演出による本作を目の当たりにしたので、「あれを超えるものはあり得ないし」と敬遠する向きがあったのだが、楽園王なら観る価値はあるかなと、(他の公演と散々迷った挙げ句)新たな「授業」を観る気になり足を運んだ。
面白かった。
醸されていたニュアンスを言葉化するのは難しいが、言葉が見つかったらまた書いてみる。