ハイ・ライフ 公演情報 ハイ・ライフ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    前作があまり私の好きなものではなかったので、この劇団2回目を見ても同じ感想ならばもう見ないかなとかなり失礼な気持ちで拝見しました。

    前作とはストーリーが全く違うので、単純に比較出来るものではありません。
    しかし今回の舞台は、大きな声で怒鳴るシーンも多々ありましたが全く気にならなかった。
    むしろ、とてもリアルな感じでした。
    上演時間1時間50分があっと言う間に感じられ、自分でも驚きました。

    そして見る前に大変失礼な気持ちで出向いてしまったこと
    心からお詫び申し上げたい素晴らしい作品だと思います。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    両バージョン鑑賞

    「余裕あり。ふらりとどうぞ」「余裕あり。今すぐ予約!」
    朝に夕に流れてくる流山児主宰の気迫のFacebookに、大楽の1本だけ観るつもりがどうしても両方観たくなって、無理矢理予定をこじ開けて両バージョンを拝見した。

    しかし、肉体的にも精神的にも、ここまで激しくぶつかり合う芝居ってまずお目にかかれない。
    「悪の美学」なんてかっこいいものではなく「どうしてそうなるんだよ」「何考えてるんだよ」とツッコミながら観ているのに、それでいて、このブザマな4人の男たちが幸せになってほしいと祈ってしまうのはなんだったんだろう。

    まず西沢バージョンを拝見して、塚原ディックの膨大な台詞からあふれる説得力にこちらまで納得させられそうになり、バグ、ドニー、ビリーそれぞれのジャンキーたちにあり得ない感情移入をしてしまい、やっぱりこちらも観てよかったと興奮気味に思ったのが先週のこと。

    その後に流山児バージョンの千穐楽。
    そこでもう一段、腰が抜けた。
    これだけの役者さんの、これだけの真剣勝負が観られるってどんだけ贅沢なんだ!
    ここまですごい芝居が観られるとは思わなかった。単純に、いや、もう、とにかく面白かった。理屈じゃない。
    ストーリーは先にわかっていながら、金縛りにあったような状態で口を開けっぱなして観ていたと思う。
    この日この時間に自分がこの場に居てこの作品が観られたことに、とてつもない幸せを感じた。
    これが区民割引で4000円!安すぎる!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    流山児版を観劇。
    役者さんたちが素晴らしかった。
    とりわけ塩野谷正幸が素晴らしかった。
    個人的にはもっと正面から老いと対峙した「Born to run」が聴きたかった。
    あるいはジョニーキャッシュ版の「Hurt」のようなものが見たかった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    流山児演出を鑑賞。ヤク中で愚かな、更正する気配のないワル達が犯罪計画を実行するストーリー。最高に手練れた俳優たちが役を手中に収めて活き活きと演じており、これ以上の舞台が望めるとは思えないが、もう一つの演出バージョンではどんな感じなのだろう。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/02/09 (日) 14:00

    このジャンキーたちの疾走感はどこから来るんだろう?
    ムショから出たり入ったりを繰り返す行き当たりばったり人生の、どこからこんな
    転がるようなスピード感がほとばしるんだろう?
    怒涛の台詞に見ている自分が前のめりなっていくのが心地よい1時間50分。
    終わり方がまた心憎い。

    ネタバレBOX

    対面式の客席を挟んで長方形の舞台。
    四隅には固いベッドが置かれ、ハケた役者はそのベッドへ倒れ込んでいく。

    ディック(千葉哲也)はジャンキー仲間でも策士で通っている。
    今も銀行のATM強盗計画を立てて、昨日7年ぶりにムショから出てきたばかりの
    バグ(塩野谷正幸)を仲間に引き入れようとモルヒネで誘っている。
    もうクスリは止めたんだ、と言いながらまた昔と同じ生活に戻って行くバグ。
    ドニー(若杉宏二)は人の好いコソ泥、薬のせいで内臓のほとんどは移植が必要な状態。
    短気で暴力的なバグを怖れているが、ドニーもまた、ディックの計画に無くてはならない
    メンバーだ。
    そして一人だけ、ムショ暮らしの経験が無い色男ビリー(小川輝晃)も今回初めて
    一緒に仕事をすることになる。

    みんな破たんしたような人生なのだが、一人ひとりを見ると誰もが持つ弱さを体現していて
    その個性は哀しいほど魅力的だ。
    銀行の前に止めた盗難車の中で、仲間割れしそうなメンバーを必死でなだめる
    ディックの呼吸につられて、観ている私の肩に力が入る。
    いつ爆発するかと息をのんでバグを見ているときも、どもりながら言い訳を重ねる
    ドニーを見ているときも、”殺られる前に殺る”気分でナイフを突きつけるビリーを
    見ているときも、、彼らに感情移入せずにいられない。
    一緒に切羽詰まって追いつめられて、私の気分もどん詰まりだ。
    そしてものの見事に、計画は失敗に終わる。

    ビリーの挑発を受けて、逆に彼の手からナイフを奪って刺し殺してしまうバグ。
    血にまみれたナイフを、気を失ったドニーの手に握らせて逃げるバグとディック・・・。

    なのにあの終わり方、爽やかな明るさは何だろう?
    ドニーは刑務所から病院へ送られ、必要な臓器移植手術を受けて元気になった。
    そしてバグの「なあ、ビリーは俺に殺されたかったんじゃないか?」という意味のひと言。
    救われないジャンキーが皆救われて、また笑って次の計画を考え始める。
    失うもの、守るべきものを持たない彼らジャンキーは、ある意味最強だ。

    この4人全員に感情移入させる役者陣が秀逸。
    台詞もキメッぷりも凄まじいほどのリアリティに首根っこを押さえつけられた感じ。
    すごいホンだなあ。
    モルヒネさえあればハイ・ライフ!
    次の銀行強盗に失敗しても、ハイ・ライフ!



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