こうもり 公演情報 こうもり」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    愉快、呑気で楽しいバレエ『こうもり』
    夜な夜なコウモリになって妻の元から飛び立つ夫が……。
    と言ってホラーではない。

    ネタバレBOX

    夜な夜なコウモリになって妻の元から飛び立つのは、浮気性の夫のことであった、ということ。
    その夫をなんとか自分のところにつなぎ留めようとして、あれこれ策を弄する妻、という、呑気で楽しい、ヨハン・シュトラウスⅡ世作のバレエ『こうもり』。

    夫は、実際にコウモリの羽を付け、舞台の上から飛び去るというシーンもある。

    ローラン・プティの振り付けは、ユーモアたっぷり。
    特に食事のシーンの、もりもり食べる様には大笑いしてしまう。

    妻・ベラ役のベゴーニャ・カオさんは、優雅な身のこなしで美しい。
    夫・ヨハン役のロバート・テューズリーさんは、もてっぷりが様になる、口ひげダンディ。左足を痛めていたのか、少々上がりづらかったようだが。
    妻の相談に乗るウルリック役の八幡顕光さんは、ユーモアたっぷりで身体全体の表情も豊かで、とても印象に残った。

    バレエの人たちの、洗練されて研ぎ澄まされた身体は、とても美しい。
    隅々まで神経が行きわたり、見事なハーモニーを舞台の上で奏でている。

    妻の友人ウルリックっていう人は、彼女たちの友人でもあるのだが、他人の妻・ベラに気持ちがあるのではないかと思わせる。だけどベラはまったくその気はない。ウルリックは道化的なポジション。

    ストーリーとしては、妻は別人になりすまし、夫の気を引く、夫は妻であることを知らないままその女に惹かれていく。で、いろいろあって(笑)、夫は懲りてしまう。
    妻は帰宅した夫の、コウモリの羽をハサミで切り落とす。
    そして、夫は家庭の象徴であるスリッパ(第1幕では受け取らなかった)を妻から受け取り大団円。
    ラストは、みんなでワルツを踊るという愉快だけど呑気な感じ。

    こういう華やかで楽しい舞台もいいなぁ。
  • 満足度★★★★

    現代の大人のファンタジー
    ふうふうは倦怠期、夫は浮気性で毎晩こうもりに変身して飛んで息夜遊び。妻は男友達ウルリックの手助けで妖艶な美女に変身し、逆に夫を魅了を口説かせる・・・って、こういう幻想って女の人はみな持っているのではないかな。
    ウルリック役の八幡さんの跳躍が見事で、人間じゃないみたい・・・って、これがおとぎ話だったら、魔女や妖精なんじゃないかしら。普通の男だったらベラを口説いていいはずなのに。
    2/5の主役ベラを勤めた本島美和さんが素敵なことを書いていて「ベラの変身を助けるウルリックはプティさんの代弁者なのではないかと思えてきました。プティさんはウルリックを通じて「人生を嘆いてばかりいないで、笑顔で切りぬけなさい」とメッセージを送っているように感じるのです。
    本当にそうですね。
    昨年亡くなったローランプティさんの作品ははじめて観ましたが、コミカルかつ深さもある。踊りの種類の多種多様、フレンチカンカンチャルダッシュ、期待通り最後はウリンナワルツで終わる。バレエが始めての人にも安心して薦められる

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