こうもり 公演情報 新国立劇場「こうもり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    愉快、呑気で楽しいバレエ『こうもり』
    夜な夜なコウモリになって妻の元から飛び立つ夫が……。
    と言ってホラーではない。

    ネタバレBOX

    夜な夜なコウモリになって妻の元から飛び立つのは、浮気性の夫のことであった、ということ。
    その夫をなんとか自分のところにつなぎ留めようとして、あれこれ策を弄する妻、という、呑気で楽しい、ヨハン・シュトラウスⅡ世作のバレエ『こうもり』。

    夫は、実際にコウモリの羽を付け、舞台の上から飛び去るというシーンもある。

    ローラン・プティの振り付けは、ユーモアたっぷり。
    特に食事のシーンの、もりもり食べる様には大笑いしてしまう。

    妻・ベラ役のベゴーニャ・カオさんは、優雅な身のこなしで美しい。
    夫・ヨハン役のロバート・テューズリーさんは、もてっぷりが様になる、口ひげダンディ。左足を痛めていたのか、少々上がりづらかったようだが。
    妻の相談に乗るウルリック役の八幡顕光さんは、ユーモアたっぷりで身体全体の表情も豊かで、とても印象に残った。

    バレエの人たちの、洗練されて研ぎ澄まされた身体は、とても美しい。
    隅々まで神経が行きわたり、見事なハーモニーを舞台の上で奏でている。

    妻の友人ウルリックっていう人は、彼女たちの友人でもあるのだが、他人の妻・ベラに気持ちがあるのではないかと思わせる。だけどベラはまったくその気はない。ウルリックは道化的なポジション。

    ストーリーとしては、妻は別人になりすまし、夫の気を引く、夫は妻であることを知らないままその女に惹かれていく。で、いろいろあって(笑)、夫は懲りてしまう。
    妻は帰宅した夫の、コウモリの羽をハサミで切り落とす。
    そして、夫は家庭の象徴であるスリッパ(第1幕では受け取らなかった)を妻から受け取り大団円。
    ラストは、みんなでワルツを踊るという愉快だけど呑気な感じ。

    こういう華やかで楽しい舞台もいいなぁ。

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    2012/02/17 07:21

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