満足度★★★★
あっという間に、そこは万年町
蜷川作品、初めて観た。
蜷川さんは難しい、と聞いていたけれど、確かに、難しかった。
一回観ただけですべてを理解することは、無理だと思いました。
なので、流れに身を任せて観ることに。
私は昭和の世界をあまり知らないので、
言葉も意味もわからない単語もたくさん出てきたけれど、
耳馴染みのよい抑揚に身を任せれば、あっという間にそこは万年町。
舞台の上には、とても「猥雑」な世界が広がっていました。
愛と哀にまみれている今はもうない町で、
生きている人は皆とてもエネルギッシュ。
だけれど、それはとても異形で、艶やかなのに美しいとは言えない。
不思議な世界でした。
その中で、育っていく少年文ちゃんを演じている、西島隆弘さん。
すごくよかったです。
まだ大人にならない、現実を見ない、
あの「猥雑さ」の中で、ひとり無垢なままの、文ちゃんがそこにいました。
なんて言ったらいいんだろう。
あまりにも自然で。
西島さんではなく、文ちゃんでした。
そして、宮沢りえさんは、本当に美しかった。
台風のように万年町に現れ、かき回し、
儚く揺れては、輝きを増していった。
できることなら、もう一度行ってみたい万年町。
そんな風に思いました。
2幕から観ました
飛行機が飛ぶ飛ばないやら、飛んでも待たされに待たされ、1幕に間に合わず。2幕から観ました。
そんなこんなで、話の内容が分からずじまいでした。
でも、観た目にわっと華やかで、すごいなぁって思いました。
満足度★★★
宗教画を見た感じ
30年前の初演の時は、確かに伝説になったのだと思う。
今見ると古いというか・・・・・・少なくとも、新鮮味はなかったです。
本水、あれだけバシャバシャとやる意味があるのだろうか。まん中より後ろで見ると、なんだかヤケクソのように見えました。
それでも、ところどころ息を飲むほど美しい場面があり、ありがたい宗教画を見たような気持ちになりました。
宮沢りえさん、かわいかったけれど、できたらもっと宝塚トップスターのような華とキレが欲しかったです。歌もダンスもいま一つ。残念でした。
まあ、あれ毎日やってたら、体力もたせるだけでも大変ですよね。
観る方も、座ってるだけなのに疲れたもの(笑)
満足度★★★
3時間半、根気が要りました。
綺麗な劇場内に小汚い戦後の下町の一角で繰り広げる舞台だったが、途中から時間軸を行ったり来たりして、詩的な作品に起承転結を求めてはいけないと思いつつ、頭の中がこんがらがり。
役者も前方席の観客も水攻め、蜷川さんの舞台は全体のセットが見られる方が良いと再認識。
ただ、2階から見たらメイン役者の三人、華はあるが卑猥と猥雑さの熱はあまり感じなかった。
満足度★★★
唐さんの作品で蜷川演出
演出は多々面白いと思いながら観たのですが、中々物語を追えず、途中途中置いていかれ、全部を肌で感じるのは難しかったです。
ただ、メインの役者さん達はどの方も華があるので観ていて楽しめます。
宮沢さんはあちこちの舞台で観られますが、毎回何かしらの良さを発揮されていて、素敵な舞台女優だと思いました。
休憩を含めて3時間半。
この時間の長さはもう少しなんとかなると良いのですが。
様々な意味でとても体力を消耗しました。
満足度★★★
戦後の風景
戦後間もない頃の、上野の近くにあって今では地名として残っていない下谷万年町にあるオカマのレビュー小屋を舞台にして、歴史の表舞台には出てこないようなマイノリティーの物語を猥雑的かつ幻想的に描いた作品でした。
下谷でに住む男2人と、かって男装の女優として舞台に出ていた女を中心に話が進み、「六本指」、「空気」、「水」、「ヒロポン」といったキーワードの関連が次第に明らかになっていく詩的な物語で、一度観ただけでは少々把握し難い内容でした。
第1幕は賑やかな場面が多く笑える所も多く、話が進むに従ってシリアスな雰囲気になって行き、第2幕後半はかなり重い雰囲気でした。ハッピーエンドでもアンハッピーエンドでもないような不思議なラストシーンが印象的でした。
水や鏡を用いたり、客席の通路を役者が通ったり、猥雑なお祭り騒ぎのシーン、音楽の使い方等、いかにも蜷川さんらしい演出でした。演出として悪くはないのですが、既視感を覚えることが多かったです。
大規模な長屋のセットや大きな池は迫力があって良かったです。
唯一の本物の女性の出演者である宮沢りえさんは最初に出てくるまでが結構長かったのですが、その後はほとんど出ずっぱりで華がありました。男装の女優という役でしたが、ダンディーな感じではなく少年の様な快活さが強い演技で、もう少し渋い感じも観せて欲しかったです。
満足度★★★★
水しぶき
水しぶきが飛んで来る(少しだけど)席で見ました。
原作を2回読んでからの観劇なのに、オカマとヒロポンとヤクザと警察が入り乱れることと、ちょっとノスタルジアもあるかなということくらいしか理解出来ませんでしたが、有名俳優がいっぱい出てきてお下劣なことやってるのが楽しかったです。
満足度★★★
シアターコクーン再オープンを飾る舞台
2012年 観劇初め。
言葉が奔放にポンポン飛んできて、そして予期せぬところに飛んで行きました。文ちゃんの夢、記憶の物語だと思って観ていても難解でした。言葉を整頓出来なかったです。
まだ始まったばかりなので、もっとこなれていけば、変わっていくと思います。