下谷万年町物語 公演情報 Bunkamura「下谷万年町物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    戦後の風景
    戦後間もない頃の、上野の近くにあって今では地名として残っていない下谷万年町にあるオカマのレビュー小屋を舞台にして、歴史の表舞台には出てこないようなマイノリティーの物語を猥雑的かつ幻想的に描いた作品でした。

    下谷でに住む男2人と、かって男装の女優として舞台に出ていた女を中心に話が進み、「六本指」、「空気」、「水」、「ヒロポン」といったキーワードの関連が次第に明らかになっていく詩的な物語で、一度観ただけでは少々把握し難い内容でした。
    第1幕は賑やかな場面が多く笑える所も多く、話が進むに従ってシリアスな雰囲気になって行き、第2幕後半はかなり重い雰囲気でした。ハッピーエンドでもアンハッピーエンドでもないような不思議なラストシーンが印象的でした。

    水や鏡を用いたり、客席の通路を役者が通ったり、猥雑なお祭り騒ぎのシーン、音楽の使い方等、いかにも蜷川さんらしい演出でした。演出として悪くはないのですが、既視感を覚えることが多かったです。
    大規模な長屋のセットや大きな池は迫力があって良かったです。

    唯一の本物の女性の出演者である宮沢りえさんは最初に出てくるまでが結構長かったのですが、その後はほとんど出ずっぱりで華がありました。男装の女優という役でしたが、ダンディーな感じではなく少年の様な快活さが強い演技で、もう少し渋い感じも観せて欲しかったです。

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    2012/01/15 19:55

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