ジェローム・ベル『ザ・ショー・マスト・ゴー・オン』 公演情報 ジェローム・ベル『ザ・ショー・マスト・ゴー・オン』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    エスプリ
    非常に分かりやすかっただけに、考えれば考えるほど、
    つくづくこの作品は日本の観客向けに分かりやすく、親しみやすい形で
    咀嚼され尽くしたものなんだな・・と感じます。

    いくつかの手法は、日本の劇団でも似たことをやっているのを観たことがあります。

    例えば、役者が観客の顔を逆にじろじろ見る、というのは
    ごま氏が以前関西でやっているのを観ました。

    新鮮味、というよりかは、そうした普段はあまり見慣れない手法に
    フランス的なエスプリをまぶして、
    日本の観客に美味しくふるまってくれたのだな、
    という気がしました(そう感じた人は多いと思います・・

    逆にもしそうした手法に日本の観客が本当に大きな関心を持っていれば、
    今回の公演に似た手法を用いるいくつかの劇団は、
    とっくに連日満員となっていたことでしょう。

    単純に考えるなら、日本の観客はそうした手法に
    賛辞を送っているというよりかは、
    そうした手法にお洒落なフランス的風味をまぶした「芸術作品」を
    美味しく味わいたい、ということを、かのフランス人演出家には
    とっくに見透かされているのではないか・・などとも思えるのです・・。

    そうしたことを考えると・・
    公演に初演のように鍛えられたダンサーを用いなかったという理由も・・
    本当はどのような意図をもって考えられているのだろうという気もしてきてしまいます(それについてはほかの街も同じなんでしょうが・・

    もちろん、公演は文句なく楽しめました!
    ・・ただ、初演の挑戦的な雰囲気、鋭さに、
    今自分の観ているものがどれだけ及んでいるのだろうか、などと、
    ふと考えてしまうのです。
    そうするとあまり無邪気にも喜べないところもあるのです・・。

    「僕たちはあなたの今までの芸術の理解者ですよ・・」という温かい雰囲気よりかは、
    「もっと過激でハジけたもの、今まで観たことがないものを自分たちは渇望している!」
    といった渇きのほうが・・海外から来た芸術家を
    東京(さいたま)という街が受け入れた際に刺激になるのではないか・・
    などと、僕はつい思ってしまうのです・・(汗

  • 満足度★★★★★

    F/Tのトリを飾るのに相応しい作品
    計算された、作品の余白の大きさ。熱狂する大衆の輪に加わるのも、その輪から引いてあれこれ考えを巡らせるのも自由。エンターテイメントとアートを又にかける大作。

  • 満足度★★★★

    笑いの裏にある挑発
    世界各国で上演されている話題作の日本初演で、日本で30人弱の出演者を集めての上演でした。想像していたよりも分かり易い内容で(悪意が込められた皮肉的な「分かり易さ」でもありましたが)、普通に楽しめるものとなっていました。
    ベタなギャグで笑いながら観ることも、劇場という制度や、ポップカルチャーとハイカルチャーの関係、演者と観客の関係、作者とは、ダンスとは、等について考えながら観ることも出来る、懐の深い作品でした。

    舞台奥に曲名表示用のスクリーンが吊られ、客席最前列と舞台の間に音響の操作盤がセットされていて、「DJ」が1曲毎にCDを入れ替えて再生し、その曲の歌詞やタイトルに合わせた動きが演じられるという構成でした。
    冒頭の『Tonight』では、無人の舞台は真っ暗なままで、次の『Let The Sunshine In』で次第に明るくなり、3曲目の『Come Together』でやっとパフォーマーが現れるものの全く動かず、次の『Let's Dance』で急にノリノリに踊るという、あまりに曲のテキストに密着した展開が観客の笑いを呼び起こしていました。
    『Private Dancer』では無人となった舞台にDJが上がり一人で踊り、途中で一旦卓に戻って音量アップとスポットライトを作って更に踊ったり、映画『タイタニック』のテーマ曲で有名な『My Heart Will Go On』では映画の例のポーズをした状態のままセリを使って沈んで行き、次の曲が『Yellow Submarine』だったり(しかも奈落からの合唱付き)、『Sound of Silence』では音量を絞ってタイトル通りに無音になってしまったりと、まるでコントの様でした。

    ラストの『The Show Must Go On』までこの様な調子で計20曲近くが続くのですが、どの曲も最初から最後まで丸々1曲流し切ったり、1つの曲に対して1つのアイディアしか用いなかったり、全体の1/3程度の時間が無人で何も起こらない時間だったりと、禁欲的で意図的に退屈なシーンを作っていて、「何を期待して劇場に来ているのですか?」と問い掛けられているかの様でした。
    ほとんどダンス的な動きの無い作品の中で唯一『Macarena』だけは全員のユニゾンで踊るのですが、16カウントで1サイクルの単調な振りを延々続ける姿に得体の知れない怖さを感じました。

    終演後騒動になったという10年前のパリでの初演はプロのバレエ団によるパフォーマンスだったのことで、鍛えられたダンサー達が延々と馬鹿馬鹿しいことをするというギャップが鮮烈だったのだと思いますが、今回の日本バージョンではダンサーではない人が多く出演していたので、初演時に感じられたであろう程の衝撃は感じられませんでした。
    また、既に本やインターネット上で作品や作者についての情報が出回っている環境なので、挑発的な内容がすんなりと受け止められている様に感じました。今となっては無理な話ですが、ベルさんの作風を知らないまっさらな状態で体験してみたかったです。

  • 満足度★★★★★

    やられた!
    ジェローム・ベルにやられた!
    会場中がやられた!
    ダンスじゃないし(笑)。
    なんかタニノクロウに通ずるものを感じた。
    こんな舞台好きです。
    見逃さなくて良かった。

  • 満足度★★

    笑いもとったし拍手大
    だったけど、私には???
    舞台上に人が一人もいない時間が長すぎと私は思う。
    ---------
    イントロでタイタニックのテーマ曲わかる人たくさんいて驚いた。

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