「ベルナルダ・アルバの家」 公演情報 「ベルナルダ・アルバの家」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
21-25件 / 25件中
  • 満足度★★★★★

    これぞ演劇!
    本格的でありながら古臭さを感じさせず、舞台を薄絹の大幕で区切った演出の妙の美(演出に関してはとても言いきれない)。一瞬たりとも飽きさせない台詞のやりとり。生演奏の音楽。すべてがこれぞ演劇の王道と感じさせるに十分でした。

  • 満足度★★★★

    正当派の芝居!
    王道をいく芝居という印象。
    奇をてらった演出等はなく、芝居のうまい役者陣が魅せてくれた!
    とにかく芝居を堪能できた。
    音響は生演奏であったが、これがとても良かった!
    役者陣では、とにかく母親役の役者さんが抜群であった。

    ネタバレBOX

    内容はあまり気分の良いものではない。
    舞台はスペイン。
    家柄を重んじる一家が結局不幸になる話。
    (色恋沙汰で最後には娘が自殺してしまう。)
  • 満足度★★★★★

    これは良かった!
    お見事です。これぞ演劇って感じです。因習,抑圧,鬱屈,いいなぁ。悲劇を生み出す要因のてんこ盛り。そして,当然のように起こる悲劇。古典ですね。そして,この悲劇を生み出す個性を全女優さんが見事に演じきっています。全3幕,休憩15分を入れて3時間弱の長い芝居ですが,全く退屈はしません。舞台装置,音楽,そして演技。すべて堪能できる舞台でした。

  • 満足度★★★★

    女優たちの競演
    ああ、見事でしたね。美術、衣装(フライヤーの白い衣装とはうって変わって黒い喪服で物語りがスタートするなど心憎いばかりです)音楽、照明、そhして演技、すべて一級品でした。不合理な因習と厳格な母親のもと、抑圧される娘達とその性を描いて、見応えありました。紗の布で三つに仕切られた舞台もよく考えられていた。女性しか出てこないこの舞台にさらに濃密度を加えていました。息詰まるばかりの女臭い舞台に花を添えるのは、生演奏のピアノとパーカッション。しかもほとんど効果音としてしか使わない、という贅沢さ。そして清涼剤として時折聞こえてくる小鳥の鳴き声。舞台全体が確固としたデザイン性を持っており、しかもそれが女優達のよく磨かれた演技を活かしていました。ただ、こうした因習のバックグラウンドと母親の強権の存在理由などがいまひとつ分り難く、何となくもやもやしたのも事実。翻訳物の難しいところだと思いますが、何か一つ理解のためのエピソードなど入れて欲しかったです。

  • 満足度★★★★★

    禁じられた反動
    お見事!の一言。キャストらの演技力といい、舞台装置といい、衣装、音楽、籠の中の文鳥、演出、どれもがまさに芸術の域。物語は名家、ベルナルダ・アルバ家を舞台に、そこに暮らす女たちの逃れられない悲劇を濃密なダイアローグ劇で成り立たせていた。人間が閉鎖的な土地に根ざして生きる矛盾や、それに立ち向かう力強さ、あるいは流されるさまを巧みに描写していた。物語は重い。しかし見事な演技力で観客を魅了した。お勧めの舞台だ。公演時間2時間30分。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    川のない、井戸水を頼りにする小さな集落というプライバシーもへったくれもない村社会で名家の誇りを捨てることが出来ない女主人・ベルナルダがいた。閉鎖的な社会の中で自分達の誇りや伝統を守る為にベルナルダは夫の死後、五人の娘に八年間の喪に服することを言い渡す。その間、外出やおしゃれは許されず、まるで監獄のような暮らしぶりだった。年頃の娘たちは抗えない抑圧にしぶしぶ従う。

    そんなおり、長女のアングスティアス(39歳)に縁談がもちあがる。姉妹の中で一番くすんだ、しかも父親にそっくりの女にだ。しかし長女だけには遺産が相続されるのだ。(今でもスペインの遺産相続順位は妻ではなく子供)
    夜ごと長女の部屋を訪れる若い男・ぺぺの存在に色めきだつ姉妹達。なかでも末娘アデーラ(20歳)はぺぺと逢瀬を繰り返し、陶酔と絶望を受け入れていくようになる。一方でそんな二人を羨望の眼差しで見つめる四女・マルティリオ(24歳)の執拗な嫉妬。

    母親に逆らうことを抑制され因習の中に生きる女たちが、にわかにどよめきだし、鬱屈した性が吹き出しはじめ、外の情景にも恋焦がれるようになり男に飢える。そして麦刈りの男たちにも色めきだってしまう。自由を奪われた女達の飢えた描写だ。その屈折さがぺぺに集中し姉妹達はぺぺを好きになってしまい、挙句、抱かれたいと思うのであった。

    これらを見て見ぬふりを決め込むベルナルダ。しかし、ここで逃れられない悲劇がベルナルダの家に訪れる。密通を交わしていたぺぺを銃で撃ったベルナルダを見て、ぺぺが死んだと勘違いをしたアデーラは絶望のあまり自害してしまうのであった。それでもベルナルダは「いいかい、アデーラ生娘のまま死んだんだ。決して外に漏らすんじゃないよ。」と口封じをする。荒れ狂う姉妹達の屈折した恋と体裁を重んじるアルバ家の物語。

    「極道の妻」顔負けのド迫力、新井純の演技が神がかりだ。そして家の女中頭を演じた坪井美香、アデーラ役の薬師寺尚子も素晴らしい。彼女は「サルとピストル」で観ていたが、あの時よりも今回の方が実力を発揮出来たといえる。勿論、どのキャストの演技力は秀逸だった。美しく鳴り響く生演奏が舞台を崇高にさせ、籠の中の文鳥はまさに彼女らの象徴だった。

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