満足度★
形ばかりの生ぬるさ
タイトルに偽りあり、羊頭狗肉とはこのことで、「奇形鍋」と言いつつ、本当の奇形は一人しか出てこない。
「人間はみな“奇形”だ」という主旨だろうかと初めは思ってみてものの、それならば“あのような落ち”を付けるはずもない。10分か20分ほどのコントならばあの落ちも生きたものを、物語を一時間以上も引き延ばし、すっかり散漫なものにしてしまった。
「奇形」が現代のタブーであり、彼らへの差別や偏見に抵抗しようとする意識が江本純子にあったことは見て取れるが、その手法が結果的には小手先で終わり、観客の心胆を寒からしむるまでには至っていない。「演劇」の表現力はこの程度のものではないし、あのラスト以降を描くことこそが「演劇の使命」なのではないのだろうか。
満足度★★
期待外れ
工場の一日を、社員・バイト・派遣と入り混じらせ眺めていく。
「奇形」は最後に出てくるが、それまでは「ちょっと変な人」が出る程度で、とても「奇形鍋」とは言えない。
劇中も特に展開があるわけでもなく、何か所かで話してるシーンもあまり演出が生きていない。
前説のダンスは個人的には好きだが、ダンサーの表情や入れ込み具合もバラバラで芝居と乖離している。
稽古時間が短かったのだろうが、これは演出の力が足りなかったのだと思う。
満足度★★
期待はずれ
脚本も演出も、いまいちノリが悪かった。
江本純子の脚本を九州の俳優中心で上演するのには、ケイコ期間が足りないように見えた。
感想の詳細は次に書いています。
http://f-e-now.ciao.jp/20110516.html