平田オリザ・演劇展vol.1 公演情報 平田オリザ・演劇展vol.1」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
41-50件 / 50件中
  • 満足度★★

    「さようなら」と「ヤルタ会談」
    「さようなら」は、アンドロイドと人間の融合した会話劇で、とってもさみしい内容でしたし、「ヤルタ会談」は、正反対に、30分笑える演劇で、とても面白さが見えました。

  • 満足度★★★

    「ヤルタ会談」を観た。
    日本語バージョンのほうが良かったかも。日程の都合で英語版を観たけれど、ルーズベルト、チャーチルのキャストはどうも貫禄がなくて滑稽さがいま一つだった。台本は同じはずなのに・・。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    三カ国間の会談なのだが、まるで井戸端会議のようなさま。どいつもこいつも自国を優位にごり押しするさまや体面はにこやかでも腹の中は黒いさまを冗談めかして会談しながら、うちはインドを貰うとか、既に植民地の派閥商談のよう。おおいにブラックな内容で新聞の風刺アニメのようでもある。笑
  • 満足度★★★★★

    「さようなら」を観た
    「海よりももっと・・」

    あまりにも美しいアンドロイドだった。上演時間約20分だが、その中には意味深なセリフが詰められており観終わった後は感慨深い。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    最近、アンドロイド演劇はよく観ているが人間とアンドロイドの境がないロボットが多い。人間がアンドロイドになって発するセリフはあまりにも巧妙すぎて、アンドロイドだと思えないのが実情なのだが、今回のアンドロイドは実際に声を出していない。録音とぎこちない動きは精巧なマネキンを観てるようだった。

    一人の女・ドイツ人と彼女のパパが残してくれたアンドロイドとの会話劇だったが、日本人は寂しさのない国を求め、ドイツ人は幸せのある国を求めるという精神の違いや、またドイツ人の女が余命いくばくもない儚さを知って語られる救いのセリフの数々が絶妙だった。

    「死ぬときには好きな人がいるといいなぁ。その人は死んでいてもいいから、どうしても忘れられない思い出があるといいなぁ。」とアンドロイドは言う。そして海よりももっと遠いところに行けるのだとも。

    心に響く素晴らしい舞台だった。
  • 満足度★★★★

    『ヤルタ会談』と『走りながら眠れ』鑑賞
    実在した人物を扱った2つの短編を鑑賞しました。
    どちらも少人数の対話劇でユーモアがありながらも、その後の歴史がどうなったかを知っている観客の立場からすると、ただ笑ってもいられない作品でした。

    『ヤルタ会談』
    スターリン、ルーズベルト、チャーチルの3国間の会談をまるで日常会話のように下世話に描き、ブラックなジョークが満載で、青年団の作品には珍しく客席から起こる笑い声が絶えない作品でした。
    役者3人とも太めな体型で、戯画化したような格好が滑稽でした。会話も風刺的な内容を絶妙な間で進められ、楽しめました。

    『走りながら眠れ』
    パリで監獄に入れられた後に釈放され帰国した大杉栄と、その妻の伊藤野枝の日常を描いていて、政治思想的には急進的な人でも普通の生活を送っている様子が朗らかに描かれていました。
    政治的な話題はほとんど出ず、妻が進めているファーブルの昆虫記の翻訳の話や、大杉栄が海外で見聞きしたことの話など、他愛の無い話が続き、幸せな夫婦の雰囲気が良く出ていました。
    妻を演じた能島瑞穂さんの表情の変化が多彩でチャーミングでした。

    2作とも歌を歌いながらお茶を入れるシーンから始まり、元からそういうト書きのある脚本なのか、今回の特集のために統一感を持たせたのか気になりました。

  • 満足度★★★★

    走りながら眠れ
    二人の間が、面白かったです。 仲の良さがすごく伝わってきて、幸せな気持ちになりました。そして、二人の末路を思うと胸がつまります。

  • 満足度★★★★

    アナキストの日常
    『走りながら眠れ』
    貧しくても、茶でも飲みつつ、生きていくんだなぁ。

  • 満足度★★★★★

    走りながら眠れ
    出演者二人が味のある好演。会話にゆったりと浸るだけで心地よい。

  • 満足度★★

    さようなら
    上演時間20分。アンドロイド公演初見。外観がかなり精巧でそばにいても違和感を感じないだろう。座ったままであまり動作がないのでSF的なものではない。この上演時間で現時点のロボットときたらあくまで実験作としとらえたほうがよい。どの程度自動だったのか、興味がある。

  • 満足度★★★★

    先日の『マッチ売りの少女』に比べて
    構成・演出の違いがあってか、こちらの方が客の年齢層が低いこともあってか、笑いの多い客席でした。

    ネタバレBOX

    下手には大きなマッチ棒のモニュメント、細長い大きなテーブルが天井から吊り下げられていました。物が落ちるくらい揺れるのかと心配しましたが意外と安定していました。

    別役さんの初期作品をいくつかコラージュしたもので、「たち」には、三人の『マッチ売りの少女』の意味の他に、『象』と『AとBと一人の女』などが入っているという意味があったのですね。

    原爆のケロイドなどという戦後の話題の他に、戸籍がコンピュータウイルスに冒されて娘の真贋が分からないという今日的設定もなされていました。

    主婦が回覧板で少女たちの頭を思いっきり叩いたり、戸籍係の言動が面白かったりして、客席には笑いが絶えませんでした。

    ただ、『マッチ売りの少女』の由来を考えると、あまり笑えませんでした。

    この家の娘になったらなったで、近所付き合いの煩わしさがあると諭すところにはくすぐられました。押し掛けてきた少女たちを拒否する一方、テーブルには子供のおもちゃみたいなものが飾られていて、夫婦は子供のことを決して忘れていないのが印象的でした。
  • 満足度★★★★

    『マッチ売りの少女たち』
    相当にスラップスティックでドタバタと落ち着かない、笑いの多い演出。
    登場人物達の、意味のあるのかないのか分からない、かみ合わない
    台詞の応酬をぼんやりと見つめていると。

    終盤、一気にダークで緊迫した雰囲気に舞台は包まれる。
    そのギャップに、ぞっとしました。 全部がこの時の為に
    用意されてたんじゃないか、と思えるほど。

    ネタバレBOX

    恥ずかしながら、別役実の原作は未見なので適当な事はいえないですが
    登場人物の立ち位置や人数、台詞は大きく変えられているような感じ。
    特に登場人物の役柄配置に、すごくオリザ色を感じました。

    『砂と兵隊』でもみられた、とぼけた感じの台詞の応酬が、
    特に闖入者である娘たちと家の主との間で繰り広げられる。
    これが凄く面白い。 娘たちの絶妙な合いの手の入れ方や
    台詞の軽妙さ、あと思わず微笑がこぼれるような表情の作り方に
    思わず声を出して笑ってしまう。 笑ってしまうけど。

    時々ものすごく緊迫して恐ろしいシーンが、笑いを切り裂いて
    飛び出してくる瞬間がある。 

    娘の一人が家の主人に向かって過去の「記憶」を告白しながら
    スカートをゆっくりまくっていく場面、

    「マッチを擦らないで下さい…」と娘たちが家の主の前で
    必死に哀願する場面、

    目が離せない程の緊張感と不気味な沈黙がアゴラの
    空間を支配してました。 普段はすっとぼけた、つかみどころのない
    娘たちがいきなり豹変するからなのかな。 

    すごく怖い、なんかの『闇の部分』、どろどろしたモノに触れた感じ。

    最後が、イカれた、脱力した感じの笑いで終わるのも、このバランスを
    なんとか保つ為だったのかな? 色々と深読みが出来る。

    後書きによると、別役『マッチ売りの少女』を中心に、『象』『AとBと
    一人の女』等をコラージュして作った作品であるとの事ですが、
    それを感じさせない、自然な作品と思いました。

    ブラックコメディ、不条理演劇が好きな人、『砂と兵隊』が
    気に入った人にはたまらない作品ではないかと。

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