旧・女学校の講堂を借景に、
旧・女学校の講堂を借景に、ビジュアルにも耳心地も、とても美しいお芝居でしたよ。
こういうのも借景というのかな? でも旧・女学校の講堂を舞台に、というのとは違うのだよなあ・・・。
じっさいの芝居も、女学校を舞台に繰り広げるシーンが沢山あって、イメエジは折り重なってその場所に堆積していく。のだけれども、それは決して物理的な(「舞台装置」と言う意味での)場所ではなくて、もっと、イメエジとか、意味とか、歴史とかが堆積した場所<トポス>としての、女学校なんですよ。
それを実際にかつて女学校だった場所でやる、というのが、一見すると場所に喚起されて場所に当て書きされた構成台本のようなのだけれど、場所の本来持つ強い物語性と、抽象度の高い舞台の進行・物語構成とがあいまって、だんだんとズレていく。ズラされていく。
心地よい90分でした。
膨大な引用は、私の無教養をさらす。
わからないのです。だから、ちょっと辛い。
断片の会話は面白いのだけど、これは原作の力。構成し編むのが今作での作家の役割なのだけど、「作家には世界がこう見えている」ということをもっと感じたい、のだけれど。
場所の力は確かにあります。
満足度★★★★
ど真ん中の剛速球
これはとにかく先ず場所ありきの作品でしたね。こういうモダンな建物で女学生ものって言うのは、似合いすぎるというかそのまんまだ。そして本当にやってしまう行動力がステキだ。
各スタッフがいい仕事してた。特に音響は素晴らしかった。「音楽が良かった」ではなくて「音響が良かった」というのはこういうことだろう。
内容は賛否両論だろうな。更に女性には圧倒的に理解され難いだろう。と言うか大人の女性には拒否られるだろう、これ。
以下ネタバレに。
満足度★★★★★
「肖像」であり「影」であり
とにかく、
素敵な空間が、素敵な舞台セットが、
素敵な照明が、素敵な衣裳が、
素敵な俳優陣(これ、ほんとに!)が
素敵な演出家により素敵な芝居になっています。
満足度★★
重要文化財の中でお芝居
いつも面白い会場で公演をしてくれるOrt-d.dの新作。太宰治の『新ハムレット』は、シェイクスピアの『ハムレット』とは全然違うんですね。日本近代文学のテキストが多数使われていて、届いてくる言葉が心地良かったです。ここで描かれた少女たちの世界が、私には少々受け入れづらかったかな。