肖像 オフィーリア 公演情報 シアターオルト Theatre Ort「肖像 オフィーリア」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ど真ん中の剛速球
    これはとにかく先ず場所ありきの作品でしたね。こういうモダンな建物で女学生ものって言うのは、似合いすぎるというかそのまんまだ。そして本当にやってしまう行動力がステキだ。
    各スタッフがいい仕事してた。特に音響は素晴らしかった。「音楽が良かった」ではなくて「音響が良かった」というのはこういうことだろう。
    内容は賛否両論だろうな。更に女性には圧倒的に理解され難いだろう。と言うか大人の女性には拒否られるだろう、これ。
    以下ネタバレに。

    ネタバレBOX

    所謂男性から見た「少女」、男性が思い描く(願望としての)「少女」を大直球に見せる。身体も、台詞も。なんせ女学生だからなあ。大変素直にキャーキャー言ってる。
    絵的にもそんな感じで作られてる。真っ白な娘さんたちが講堂中を奔放に動き回る。
    そして時にギュッと身を寄せ合う。少女合唱までやる。そして普通に上手い。
    これを「まあ可愛らしい」「うふふ、楽しそうね」と受け入れるか、「こんなのはアンタ、男のロリコン願望に過ぎないんでしょ?」「キャーキャーうるさい」と受け入れないかで先ず観方ががらりと変わるだろう。
    そんで、全体的にとにかく派手な身振りで演技してる。所謂オーバーアクション的な。これに不快感を覚える人もいるかもしれないが、でもこれはわざとやってて、んじゃ「何でそんなことやってんの?」っていうと、つまりはこれが「西洋主義にかぶれた日本人」ってことなのだろうなと。
    「男性の願望としての少女」と「奇矯な西洋主義」、今となっては偏った変体趣味みたいに思われてるけど、でもそれは確かに存在していて、(男性は)誰もがどこかに隠し持っている(と私は思う)、そういう直視しがたいものを「でもやっぱそういうのってあるじゃん?」と正直に、そして大仰に、衒いもなく観る者の眼前に晒して見せると。そういう意図の下に極めて自覚的に作られた芝居だろうと。
    その辺をどこまで読み込むかでまた観方が変わるだろうね。
    『新ハムレット』の冒頭、「こんなものができてしまった、と言うほかない」を地でいってるのだなと。
    私としては、俳優に自覚的な部分が足りないからなのか、男優の演技がそれでもちょっと鼻につく部分が多かったけれども、娘さんたちは正直観ていて楽しかったです。「雨に唄えば」とかもう思わず笑っちゃうくらい。もちろん良い意味で。
    なんか微笑ましさすらある。

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    2007/02/06 12:01

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