1960年のメロス 公演情報 1960年のメロス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    骨太な芝居に満足
    久しぶりに、骨太な芝居を観たように感じました。
    脚本は難解で、パッと観ただけではよくわからない所も多いのですが、
    日数が経つにつれ、じわじわと味が出てくるように思えます。

    1960年当時の時代の空気感、というのか、
    そういう物が、
    私はまだ生まれてないのであくまで想像の範疇ですが、
    良く出ていたかと。

    そして、難解なストーリーを、視覚的に楽しませてくれるのが、
    舞台空間の巧みな作り方。

    装置を作りこむのではなく、最低限の物のみ用意して、
    空間をブラックライトの配置の仕方によって様々に変えていく。
    うまい。シビレますね。

    演劇観たぜ、って感じがとてもして、
    芝居らしい芝居を観た満足感を味わえました。

  • 満足度★★★★

    懐かしい演劇の香りがしました
    とても気の利いた演出でした。
    サイスタジオコモネの、稽古場のような舞台空間を、最大限に生かした、演出の工夫に舌を巻くと同時に、こういう劇構成、あまり観た記憶はないのに、何故か、懐かしさを覚えました。
    高校演劇部が舞台だからなのか、自分の演劇部時代や、部室の香りを思い出し、胸がキュンとなる瞬間が幾度もありました。

    ただ、この作品の舞台となるのが、1960年。私でさえ、まだ小学校に入学したばかりの頃、60年安保が題材になっているので、若い観客は、モデルになった事件や人物を、きっとあまりイメージできないでしょうから、そういう観客に、この作品がどう感じられるのかは、私には想像できないように思いました。

    主役の亀田さんは、久しぶりに拝見しましたが、やはりとても役者力のある方だなと、再認識。上田桃子さんも、魅力的でした。
    青年座の大家さんが、またいい所で、咬んじゃって、惜しいの何のって。咬まないと、すごく巧い役者さんなのに…。

    ネタバレBOX

    金内喜久夫さん演じる赤木俊は、私の幼少時の不思議なおじさん、赤尾敏さんがモデルでしょうが、とても、お上手なので、一気に当時のニュースや選挙演説で観た、光景が、まざまざと蘇りました。
    浅沼委員長を刺した少年のことは、不勉強ですが、この芝居、かなり、史実に近いのか、興味を感じたので、調べてみようと思いました。

    「走れメロス」の芝居と、川瀬達の現実の体験が、微妙に交錯してストーリーが進むので、描かれている世界が、現実なのか、妄想なのか、イマイチ理解できないものの、わからない芝居を観たという感覚はなくて、肌で楽しめた気がする類の劇後感でした。
    最後の場面で、亀田さんが、介護施設のヘルパーさんとして登場するのですが、今までの右翼青年とは全く趣の違う雰囲気で、見事、ヘルパーさんらしい風情なのに、甚く感心しました。それだけに、受ける細貝さんの演技に不足が見え、二人の役者さんの力量の違いが目立ってしまったのが、惜しいなと感じました。

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