満足度★★★★
懐かしい演劇の香りがしました
とても気の利いた演出でした。
サイスタジオコモネの、稽古場のような舞台空間を、最大限に生かした、演出の工夫に舌を巻くと同時に、こういう劇構成、あまり観た記憶はないのに、何故か、懐かしさを覚えました。
高校演劇部が舞台だからなのか、自分の演劇部時代や、部室の香りを思い出し、胸がキュンとなる瞬間が幾度もありました。
ただ、この作品の舞台となるのが、1960年。私でさえ、まだ小学校に入学したばかりの頃、60年安保が題材になっているので、若い観客は、モデルになった事件や人物を、きっとあまりイメージできないでしょうから、そういう観客に、この作品がどう感じられるのかは、私には想像できないように思いました。
主役の亀田さんは、久しぶりに拝見しましたが、やはりとても役者力のある方だなと、再認識。上田桃子さんも、魅力的でした。
青年座の大家さんが、またいい所で、咬んじゃって、惜しいの何のって。咬まないと、すごく巧い役者さんなのに…。