満足度★★★★
何度も再演されるコト納得
初 加藤健一事務所。
「木の皿」完成度高く素晴らしい舞台だった。
何度も再演されるコト納得。
全員なにしろうまい。
加藤さん、西山さんはもちろんだが、
モダンスイマーズ小椋さんのエドもかなり良かった。
老後、介護、まだ実はピンと来ない。
両親がもっと歳を取ったら…。
遠い将来ではない、近い将来だ。
ゆっくり考えたい。
満足度★★★★
50年たっても状況は悪くなっている。 話がうまくおさまってほしいような、そうでないような心情。
老人介護問題の話。
`50年代の話であって、現代とは微妙にニュアンスが違う点もあったかもしれないが、基本的には何も変わっていない。
当時でも、手紙を出しても十数年間返事もくれない兄弟の関係とは、驚かされる。
また、施設も当時は本当にひどい扱いだったらしい。
しかし、現代では、核家族・少子化によって、より深刻になってきている。
今では、家族がいるだけ幸せかもしれないと。
うがった考えでは、子供たちが自分の面倒で争うくらいなら、いないほうが幸せか?
登場人物たちの深刻さに比べると、カトケンさんの老人はユーモラスで人懐こくいい人に見えてしまうのが少し疑問。
(話が重過ぎないように、故意にそうしたのだろうが)
作り方によっては、アラモ砦という名の養護施設との戦いに挑む老人の話として、こっけいにも作れるかなとも思った。
何より、最後のせりふが重い。
満足度★★★
みた
親子、友人、兄弟、夫婦、恋人、、、と様々な人間関係が出てくる、関係性の見本市みたいな物語。
そのバランス感覚はすごいかもと思ったけれど、地味な物語であるから、それで2時間超もかかってしまうのではどうなのだろうとも思った。
また、中盤を越すまでずっと一速だったのが、終盤に近づくにつれ、二速を飛ばして三速に入ったような唐突さが何度かあった。
2時間走れない構造の車だったのか、運転手が飽きたのかは分からなかった。
物語を牽引しているのは西山水木。この人の芝居を初めて見たけれど、主宰劇団の公演も見に行ってみようと思った。
中盤、父と長男が庭で語り合う場面で、それはたぶん重要な場面の一つなのだけど、特にスポットをあてるわけでもなく音楽を流すわけでもないのが良かった。役者の力と科白の力にゆだねている。
ホームドラマというのは、ひとつの分類と思っていたけれど、分類と言うよりはもっと大きな容器で、そのなかにラブストーリーからサスペンスからハードボイルドからを容れることができるのだなあという感想。
最後の科白は素晴らしかった。
満足度★★★★
初演とは違う感慨あり
初演を観たのは何年前だったでしょう?
亡くなった湯浅さんが、老父役でした。
今回は、初演では息子役だった加藤さんが、老父役で、息子は、新井さんが演じられました。
この息子役の新井さんがとても良かった!!
加藤さんの老父は、茶目っ気がありすぎて、そのため、彼の世話に人生を翻弄され、疲れ果てる嫁の苦悩が、あまり客席に伝播しないところがありました。
でも、やはり、この作品自体の投げかける問題提起は、痛切に胸を打ちます。
観ていて、とても辛くなります。
初演では、確か嫁に感情移入して観た記憶がありますが、今回は、木の皿で食事をしなければならない、老父の方に、多大に感情移入して観ている自分に気付きました。
それだけ、加齢を身にしみて感じるこの頃だからでしょうね。