わが町 公演情報 わが町」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-16件 / 16件中
  • 満足度★★★★

    やっぱりワイルダーのわが町は最高です
    とてもすてきな芝居でした。でも私は、ジャムセッションの西沢演出の方が、よりすてきだと思います。

  • 観てきた
    1/27

  • 満足度★★★★★

    傑作
    やはり、事前予想通り、超傑作です。
    世間の評価が低いのが理解出来ません。

    再演希望!

  • 満足度★★★★★

    何でもない日常の素晴らしさ。なぜこんなに素晴らしい芝居なのに皆声高に言わないんだろうか!
    最近も何度も上演されている有名な作品で、
    遅ればせながらこのたび初めて観劇しましたが…
    素晴らしかった!
    なぜこんなに素晴らしい作品なのに皆声高に
    勧めてくれなかったんだろうか!

    一幕目は、1900年アメリカの田舎町、
    二組の家族の平凡な一日。
    休憩を入れずに二幕目は、若い二人の結婚式、
    そしてその馴れ初め、デートのシーン。
    幸せな結婚式で幕を閉じて休憩。
    そして第三幕は死、葬式と埋葬。
    墓地の死人は生前を振り返り、死んで初めて
    本当に大切なことが何だったのかを知る。

    一幕目はとにかくラストのレベッカのセリフが輝いてる!
    小さな町の一日が、一気に地球規模で俯瞰になる
    スケールが凄い。
    二幕目は何気ない幸せなシーンに泣ける。
    三幕目、これまでのそれぞれの場面を含んだ
    すべてのことの素晴らしさ。
    と、同時にそれに気づかない人々の無頓着さ。

    私たちは何と小さな箱の中で細かいことに
    わずらわされながら、大切なことに気づかずに
    生きているのだろうか。

    小堺さんはいつものキャラを出さない抑えたところが良く、
    セリフ量の凄さにも感心。
    相島さん斉藤由貴さんの夫婦の空気感が優しい。
    (けれど結局パリに行けなかったんだろう、ということが切ない)
    何よりも佃井皆美さん中村倫也さんのカップルの演技がみずみずしい。
    特に佃井さん(カテコで涙)の三幕は良かった…。
    そうそう妹のレベッカを演じた大村沙亜子さんも良かった。

    そしてピアノソロのメロディも心に残り、作品に大きく影響しています。
    シンプルな舞台装置と小道具、アンサンブルによる効果音もいい。

    実にキュートであったり、優しかったり、
    それでいて冷酷であったり、
    繊細だったり、スケールが壮大であったりと
    多彩な面を持った作品でした。

  • 満足度★★★★★

    色々振り返り、考えさせられた
    70年前の劇とは思えないほど、台詞や心情が現代的だと思った。
    ものの考え方とか、結婚観とか現代とは大きく違っている部分も
    多く見受けられたけど、「変化」に対する考え方には共感する事が多かった。

    というか、これからの人生真面目に生きなきゃな、と痛感してしまった(苦笑

    優れた演出が、舞台を、たちまち緑なす庭や、冬の大通り、冷たい
    墓地へと姿を変えさせ、出演者も皆それぞれの「人生」を演じていたと感じる。

    原作読んだ時には、よく意味が分からなくてふーんと思ったラストに
    危うく涙腺をもっていかれそうになり、耐えるのにかなり必死だった。
    最前列で観てたら危なかったな。

    全年代、あらゆる境遇・環境の人が何かしら「自分」に近い部分を
    感じられる内容だし、作者もそれを意図しているでしょう。
    また、それを表現出来る深度を持っている舞台だと思います。

    「演劇」を観た、と思いました。

    ネタバレBOX

    この物語、「わが町」は舞台監督が、登場人物達がいうように
    「平凡な町」の、「平凡な人達」の、「平凡な一生」を描いたものです。

    でも、本当にそうか?

    1913年(第三幕) : 翌年(1914年)6月に「サラエボ事件」勃発、第一次
               世界大戦の開始。

    1938年(『わが町』初演) : 3月、ナチス・ドイツによるアンシュルス
                    (オーストリア併合)実施、9~10月、
                    ナチス・ドイツによるチェコスロバキア占領、
                    12月、日本軍の重慶爆撃開始…

    上記のように、ワイルダー自身が舞台として1913年を選んでいるのは
    実に象徴的です。

    何故なら、後世「未曾有の総動員戦争」とまでいわれた、この
    第一次世界大戦によって、時代は「それ以前・以後」に分かたれ、

    舞台の中でもいわれていた「多少の変化」は決定的に「急激な変化」となり、

    「その後の世界」を襲ったからです。そして「それ以前」の世界は
    戻ってこなかった。

    もう永久に。

    つまり、第三幕は「平凡(とされていた)時代の終りの兆し」を、迫りくる
    「変化」を人々が感じる時期であり、決定的な「一時代の終わり」を、
    平凡な一人の一生と重ね合わせているとも読めるのです。

    なお、第二次世界大戦は初演時の1938年にはまだ勃発しておりませんが、
    翌年1939年9月にはナチス・ドイツのポーランド侵攻が起こり、世界は
    再びの世界大戦に巻き込まれていきます。

    作者ワイルダーがそこまで予期していたかは分からないけど、
    洞察力の高い作者は現状が「あの頃」-「第一次世界大戦」と
    酷似した雰囲気に包まれている事を敏感に感じ取っていたの
    かもしれません。

    本作品では「戦争」の匂いは巧妙に抑えられております。
    主題は「生」と「死」、そして「変化」であると。

    人間に限らない、万物の生は全てが変化にさらされています。
    生まれ、成長し、死して、土に帰り、その一部として今度は永遠となる。
    それは全てにいえることですが、それを知覚しているのは人間のみでしょう。

    人は上記の一連の流れを何とか万人に伝えんと記録を残し、
    墓を建立します。

    しかし、百年、一千年のスパンで見たとき、我々は歴史に埋もれ、
    その砂の山から頭をのぞかせる事が出来るのは、それこそ「古記録」や
    遺跡の類の、ほんの一部であり、確実に私達は忘れ去られる運命にある。

    そして、生者と死者とは、いうまでもないですが全く別個の存在です。
    死者は死して、その生豊かなることに初めて気がつくのですが、
    逆もまたしかり。

    古くは中世の「死の舞踏」「メメント・モリ」にみられるよう、またフロイトの
    「タナトス」の概念(人間が自己破壊や死に惹かれる根本衝動)に
    現れるように、生者も生の中で死を常に意識しているのです。

    それは、同時に両者が決して一緒になることも示しています。
    残酷なようですが、冷厳たる事実です。

    「わが町」でワイルダー作品に初めて触れましたが、氏の視点には
    醒めた、というより「冷静な観察者」と、人を完全には突き放せない
    「寄り添う友人」としての二つがあり、それが本作を大人のものにしています。

    決して触れ合えない生者と死者がそれを知りつつも一瞬だけ交わった
    ラストシーンは奇跡的な美しさとワイルダー自身のそっけなく、でも深い
    優しさに満ちていてまさに必見です。 


    今、これを書く為に「生きるって辛いことね…」の台詞を想い出してたら、
    少し泣けてしまった。 持続性がある作品だなぁ…。
  • 満足度★★★

    裏切られた展開
    新国立劇場の中劇場を存分に使った、3時間10分の長編作。
    1,2幕はどうってことない様に進んでいくのだが、3幕が美しかった。
    むしろ、3幕のために1・2幕があるといってもいい。
    新国立劇場芸術監督宮田慶子さんの意図が明確な作品だった。
    バックで歌われる賛美歌とピアノの演奏がとても繊細で綺麗だった。
    全体的に言うと、とても洗練されて都会的で、田舎町という風情は微塵も無い舞台だった。

    ネタバレBOX

    オープンステージとして中劇場を使い舞台を迫り出して使用しているので、1・2幕は俳優の出ハケが舞台奥の下手上手から前に出て演技をするというのがとても窮屈そうで、ぶっきらぼうな印象を受けた。
     また、衣裳もモノトーン、照明も青・緑・暖炉の赤と冷たい白、どちらかというと無彩色。舞台監督役の小堺一機さんのモノローグもいつもTVで見るところの軽快さはなく、どことなく抑制の効いた感じだった。
    その印象は1・2幕を通して変わらない印象で、どんなにか華やかだろう結婚式でさえモノクロームなイメージで進んでいった。
    これは、3幕冒頭の墓地・そしてエミリーの12歳の誕生日の回想シーンを際立たせるための1時間55分に渡る長い助走だったのである。
    3幕の冒頭はとてつもなく美しく哀しい。生と死と人生を見つめる時、舞台上の役全員が、もうこの世にいない死者であり、過去の光景を映し出したに過ぎないという光景を、さいたまゴールドシアターの存在感ある俳優たちが墓地の穴に埋まることによって、暗示し作品の中心テーマへの傾斜させる。
  • 満足度★★★★

    これは素敵な「わが町」でした
    私の「わが町」初見は、某老舗新劇の舞台でした。

    それは、最初から最後まで、まるで、面白くなくて、評判の「わが町」って、こんなつまらない作品なの?とビックリしたのですが、こちらの「わが町」は、とても、素敵な町でした。

    何より、若い主役二人の演技が、実に瑞々しく、観ていて、心が清らかになって行きます。特に、ジョージ役の中村さんの演技が最高でした。
    エミリーの佃井さんは、常盤隆子さんを若くしたような、美少女で、この二人の心の通い合いを観ていると、自分までが、この町の住人の一人になったような気持ちになるから、不思議。

    小堺さんが、たとえつっかえても、誠心誠意、この町を観客にわかりやすく紹介しようと努める姿に、自然と、涙が頬を伝う瞬間が幾度もありました。

    稲本さんの生演奏のピアノの音色が、まるで、この町に、毎日照らす陽の光のように、円やかで、まるで、照明まで兼ねているような視覚効果すら感じました。

    普通のよくある演劇には不可欠の葛藤場面なんて、全然皆無の、言わば夢物語のようなお話ですが、こういう芝居をこそ、珠玉の佳品と呼んでいいのでしょうね。

    ネタバレBOX

    エミリーとジョージの近所の幼馴染が、だんだん成長し、異性として意識し始める心の内の描写が、とにかく心憎い演出でした。
    「赤毛のアン」のアンとギルバードの恋愛に憧れた少女時代を思い出し、もう還暦間もないおばさんが、顔を赤らめてしまいそうになりました。

    二人の両親の配役も素敵!特に、鷲尾さん、何度も、心でブラボー叫んでしまいました。

    結婚式大好きあばさんの増子さんも、相変わらず、いい女優さん!

    3幕の墓場のシーンの会話が、少し聞き取りにくいのを別にすれば、これは、私の理想に近い「わが町」の上演形態だったと思います。
  • 星のように
    星の光が届くのに時間がかかるように生きている時には見えないものがあるのでしょうか。3場の照明もきれいで見終わって人も宇宙の一部なのだと思いました。
    何が自分の見たいものなのだろうと考えたりしたり、やけに人恋しくなったり見終わってなにか余韻も楽しめる感じでした!

  • 満足度★★★★

    演劇を観た
    11列なのでオペラグラスを持っていったが、最前列であった。

    静かに芝居が始まり静かに終った。

    休憩を挟んで3時間弱であるが、ずっとひきつけられ、芝居に取り込まれていったという感じであった。小堺さんがなんともいえない存在感で、芝居をより高めていた。

    なんとも心地よい時間をすごさせてもらった。
    色調もモノトーンを基調としていて、ピアノの伴奏も照明も、何もない舞台も一体となって調和の取れたすばらしい作品であった。

  • 満足度★★★★★

    シンプルだけど、質が高い舞台。
    セット、衣装などとてもシンプルなつくりでしたが、出演者、脚本、音楽すべてにおいて質が高い作品だなぁと、観劇後とても心が満たされました。

    ドクターギブスを演じる相島さん、素敵でした。また何かほかの作品で拝見してみたいです。

  • 満足度★★★★

    人生を愛する
    天気のいい午後のまどろみのような舞台。
    シンプルな舞台装置。
    ミクロからマクロへのつながりを自然に感じる。

    ネタバレBOX

    架空の町を描いた3幕構成の舞台。
    1幕は「日常」だが、残りの2幕(「恋愛・結婚」「死」)もすべて「日常」である。
    「人の営み」のすべては日常であり、自然の中にある。
    そして、第3幕がすべてを物語る。

    「生」と「死」は地続きで、と言うよりも、境がないようにも思える。
    その根底には、輪廻転生の思想のようなアジア的なものがある印象さえ受ける。
    繰り返し行われる日常と、「生」と「死」の繰り返し。

    日常が演じられて、しんしんと雪が降り積もるように観客の心の中に物語を作り出す。
    あくまでも「演じている」ということが、キーである。舞台監督が、架空の町の物語を舞台上の役者たちに演じさせているからだ。
    この、舞台監督が全編顔を出し、ストーリーを語るという構造は、いわば、「役者=人間」「舞台監督=神」のようであり、宗教的な色合いを感じる。
    「人の日常」の視点も神の視点だし。
    「運命には逆らえないのが人間だ」という見方は皮肉すぎるか。

    とてもシンプルな舞台装置で、効果音も若い役者さんたちが、自らの口で行う。
    肉体が鍵盤を叩くことで音がするピアノの調べも、シンプルなのだが、深い味わいをもたらす。
    つまり、「人」がそこにいることがすべてである。そこにあるのは、「人」の物語だ。

    舞台監督役の小堺一機さんは、とても流暢。もちろんそれは悪くないのだが、なんとなく手際のいい司会者にしか見えなくなってきてしまった。何というか、舞台の上の人間たちへの「思い入れ」のようものが、今ひとつ感じられなかったような気がしてしまうのだ。

    先日観た葛河思潮の『浮標(ブイ)』とほぼ同じ時期に書かれた戯曲であり、「生」「死」がキーワードになっているところに共通点があるのだが、こちらのほうにアジア的な印象を受けたのは不思議だ。
    とは言え、観る順番が逆だったら(こちらが先だったら)、こちらはもっと楽しめたのかもしれない。
  • 満足度★★★★

    良かった
     これといって事件も起こらず淡々と進んでいく戯曲に、これ程まで生き生きとした作品が出来るものかと、ただただ感心して観ていました。

     星が4つで、5つでないのは、決して(星一つ分)満足できなかったという訳ではありません。観劇直後では、まだ評価をすることが出来ないからです。
     すなわち、この作品の登場人物のように、これから生き続けることで、この作品の意義が分かって来るのであると思います。

     小堺一機、格好良い!!

  • 満足度★★★★

    みえないものがそこにある
    何もない舞台の上、人、声、照明、ピアノ。案内人(舞台監督役)のさりげない説明。これだけ想像力をためされて泣ける舞台ははじめてかもしれない。永遠輪廻。人が生きること、その意味は生きているときには…。とても余韻のおいしい舞台でした。

  • 満足度★★★★

    中劇場の舞台を更に大きく使った街で
    全体的に静かなトーンの芝居だが、
    人生に含蓄のある台詞がちりばめられていて
    即興演奏(だそう…)のピアノもいい味。
    ベテラン勢(斉藤由紀など)の若手の支え方も良かった。
    1幕2時間、2幕1時間の切り方は工夫の余地があったかも。

  • はむさんと、同感
    2階客席の最後列のど真ん中という席でしたが、秀逸な舞台照明の効果がはっきり分かり、かえってよかったかもと思ってます。さてお芝居ははむさんと同感。とてもすばらしいものでした。

    また蜷川幸雄さんが創設した高齢者劇団、さいたまゴールド・シアターの人々の熱演、この芝居の死生観が空想ではなく、リアルなものとして心に響いてきます。

    二食抜いても是非、ぐらいのおすすめです。

  • 満足度★★★★

    初日はカーテンコールでブラボーの声
    ひとつひとつ丁寧に、大切に、時間をかけていく演出で、あの大きな中劇場がピッタリの大きさだと感じられた。
    稲本響さんのピアノは絶品だし、賛美歌の合唱も素晴らしい。キャスト大勢で贅沢。中村倫也さんが特に良かったです。
    中劇場への階段や劇場入り口も装飾してくれてます。

    ネタバレBOX

    小堺一機さんの幕明けの最初のセリフから泣いてしまったよ。最初から拍手も起こってました。1500人から選ばれたエミリーがんばれ!

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