満足度★★★★
これは素敵な「わが町」でした
私の「わが町」初見は、某老舗新劇の舞台でした。
それは、最初から最後まで、まるで、面白くなくて、評判の「わが町」って、こんなつまらない作品なの?とビックリしたのですが、こちらの「わが町」は、とても、素敵な町でした。
何より、若い主役二人の演技が、実に瑞々しく、観ていて、心が清らかになって行きます。特に、ジョージ役の中村さんの演技が最高でした。
エミリーの佃井さんは、常盤隆子さんを若くしたような、美少女で、この二人の心の通い合いを観ていると、自分までが、この町の住人の一人になったような気持ちになるから、不思議。
小堺さんが、たとえつっかえても、誠心誠意、この町を観客にわかりやすく紹介しようと努める姿に、自然と、涙が頬を伝う瞬間が幾度もありました。
稲本さんの生演奏のピアノの音色が、まるで、この町に、毎日照らす陽の光のように、円やかで、まるで、照明まで兼ねているような視覚効果すら感じました。
普通のよくある演劇には不可欠の葛藤場面なんて、全然皆無の、言わば夢物語のようなお話ですが、こういう芝居をこそ、珠玉の佳品と呼んでいいのでしょうね。