わが町 公演情報 新国立劇場「わが町」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    これは素敵な「わが町」でした
    私の「わが町」初見は、某老舗新劇の舞台でした。

    それは、最初から最後まで、まるで、面白くなくて、評判の「わが町」って、こんなつまらない作品なの?とビックリしたのですが、こちらの「わが町」は、とても、素敵な町でした。

    何より、若い主役二人の演技が、実に瑞々しく、観ていて、心が清らかになって行きます。特に、ジョージ役の中村さんの演技が最高でした。
    エミリーの佃井さんは、常盤隆子さんを若くしたような、美少女で、この二人の心の通い合いを観ていると、自分までが、この町の住人の一人になったような気持ちになるから、不思議。

    小堺さんが、たとえつっかえても、誠心誠意、この町を観客にわかりやすく紹介しようと努める姿に、自然と、涙が頬を伝う瞬間が幾度もありました。

    稲本さんの生演奏のピアノの音色が、まるで、この町に、毎日照らす陽の光のように、円やかで、まるで、照明まで兼ねているような視覚効果すら感じました。

    普通のよくある演劇には不可欠の葛藤場面なんて、全然皆無の、言わば夢物語のようなお話ですが、こういう芝居をこそ、珠玉の佳品と呼んでいいのでしょうね。

    ネタバレBOX

    エミリーとジョージの近所の幼馴染が、だんだん成長し、異性として意識し始める心の内の描写が、とにかく心憎い演出でした。
    「赤毛のアン」のアンとギルバードの恋愛に憧れた少女時代を思い出し、もう還暦間もないおばさんが、顔を赤らめてしまいそうになりました。

    二人の両親の配役も素敵!特に、鷲尾さん、何度も、心でブラボー叫んでしまいました。

    結婚式大好きあばさんの増子さんも、相変わらず、いい女優さん!

    3幕の墓場のシーンの会話が、少し聞き取りにくいのを別にすれば、これは、私の理想に近い「わが町」の上演形態だったと思います。

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    2011/01/27 02:34

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