満足度★★★★★
いい、千秋楽でした。
こんなにも、十人の役者がいれば十色の、思いを乗せて走った舞台は、なかったと思う。
カーテンコール。三浦涼介、顔を真っ赤にして、ボロ泣き。
三浦と宮の二人は、なんと演出家任せではなく、自分たちの動きを自分たちで考えて(!)、スタジオの隅で練習し続けていたのだそうだ。(ダンスは躍動感あふれて、とても素敵だった!)
二人とも、大泣き。
一見、今どきのクールなイケメンにしか見えない三浦が、こんなにも熱いハートの人だったことに驚かされる。もらい泣きする観客、多数。
初日、あんなに固かった観客が、要所要所できっちり拍手をする!
三浦と宮の鮮やかな一輪車にも、ベテランの場面にも、すぐさま大きな拍手が沸いた。
観客が舞台設定を飲み込み、緊張が解けたのだ。
13回の公演を経て、観る側も、変わったのだ。
鏡花さんに呼ばれて、渋々舞台に上がった演出の加藤直。(出たがりの劇作家が多い中で、なんという新鮮!)
「最初は〝絶句するような〟メンバーで、戦々恐々として稽古が始まった。自分が言ってはいけないけど、正直ここまでやれるとは思わなかった・・・」
少ない言葉に苦労が滲み、逃げるように舞台から下りていった(笑)
〝このキャストで、この世界観で〟鏡花をやりたい。とプロデューサーが語っていた意味が、やっと少しだけ判った気がする。贅沢を言えば、そのコンセプトをもっと説明していたら、観客に伝わるのも早かっただろうと思う。説明なんて野暮ったいのは判っているけど・・・
司会の鏡花さん、カップルごとや「卯酉」など、二人ずつのくくりで全員を紹介し、舞台上の全員が一人のもれもなく、マイクを持って自分の言葉を話す。
何人かが「あったかいカンパニー」という、同じ表現をしているとおり、初顔合わせばかりなのに、とても仲のよいのが伝わってくる。
ひたすら、〝きもちの良い〟カーテンコールだった。
この日のカーテンコールは、あまりに楽しすぎて、それを伝えきれない自分の筆力不足を申し訳なく思います。ゴメンナサイ。
満足度★★
酉と卯の掛け合いは絶妙
泉鏡花と彼が愛した芸者との恋、悲恋を語りつつ、
代表作「天守物語」「絵本の春」ほか幻想的で妖艶な5作を
つぎつぎと歌、芝居、踊りで綴るファンタジー音楽劇。
泉鏡花の幻想の世界への案内人 酉役 三浦涼介氏がすごく魅力的!
卯役 宮菜穂子さんとの掛け合いが絶妙。うまい!
この2人がおもしろかったので観続けられた。
主演のAKB48の中では、秋元才加さんが
歌、芝居、踊り、スッとした立ち姿…強い存在感あり。
満足度★★★★
自分の感受性には責任を持って・・・(茨木のり子風?に)
簡単に補足だけします。
※とある演劇口コミサイトで、(なんと、他人の書き散らかした感想を見ただけで、確認もせず)、初日の120分からどんどん時間が減っていった、アラ隠しのために場面を削っていってるのは容易に想像がつく、などと仰っておられる方がいました。かなり驚きました。
当方は全部、終了時間を確認してますが、初日は100分。そして5日も100分。そして、この日も100分。なんの違いもございません。
場面が無くなっているなどということも、ない。というか不可能。
元々が、たった5幕の芝居。膨大な長編をこの分数に、可能な限り、凝縮しているのです。
減らしたりしたら、直ちに判ってしまう。憶測だけで、よく書けるよなあ・・・
そのサイトは、こりっちよりも登録方法が安易で、全体的に書き散らかした投稿が目立つ。そんな投稿をチェックする機能がないのを、悲しく思う。
しかし驚くのは、演劇誌が主体のサイトなのだ。こんな調子では、その雑誌も信憑性が疑われると思うけど。いいのかな?
「批判する」ことが「評論」だと思い込んでいるのが、責任を持たずに書く人間の特徴。客を100人減らすのは子供でもできる。簡単です。けれど、1人の客を引っ張ってくることは、尋常じゃない才能を必要とするのです。
それが出来る人間だけが初めて、批判もする資格を与えられる。批判するには、資格が要るのです。当方としては、そう思っております。
終演後、声をかけた木の実ナナは、子供のように無垢な人だった。たった一言の感想に、嬉しさがあふれるようで、子供のように喜んでくれた。
芝居は、生きた人間が作っている。来てよかった。と思った。
満足度★★★★
グローブ座の『3B』に入りたい・・・(涎)
カーテンコール。ごきげんナナちゃん、手ヒラヒラ、腰くねくねダンス踊り出し。それを見た鏡花サン。仏頂面でヒラヒラ(笑)。
そしたら後ろの若手、即座にヒラヒラ、くねくね全員で!
ぬおおお・・・!なんなんだ、このノリの良さ!何でもみんなで一緒にやろうね♪的な連帯感!
お前ら3年B組かー!(嫉妬)きしょおおお。しかし若いってすごいなー。ためらいがないもんね。
帰途。2人のご婦人。「ほんとにイケメン揃いだったわね~♪」と大喜び。(苦笑)見てたのそこか。でも良いではないか。皆が幸せならば。
このキャストの広さは、いわば「文化」だと思う。いろんな価値観があって良く、それが「同居」しているのが、「世界」だということ。
こんな公演がなかったら、一生、隣席で芝居など見なかったかもしれない。
それぞれが見たい方法で、見たい人を追ってたらいい。他人の口コミを「先入観」にしないこと!
自分の「感受性」に、『責任を持つ』こと。それがコツ。
宮菜穂子。台詞が力強く、脇を締めていた。
追記 中盤・戦さの場面の近藤正臣の口上、掛け値なしに見事。
満足度★★★
バラバラ・・・
いったいどういう人に見てもらいたいのか焦点が定まっていない。客席を見ると明らかにStudio Lifeのファンらしい若い女性が多く、次は年配の男女。一目で分かるAKBファンは見かけなかったけど。出演者の演技力、歌唱力にプロから学芸会程度までこれだけ差がある芝居も珍しい。それにしてもAKBの甲高い声は癇に障る。黒板を引っかいているような声である。泉鏡花の代表作のダイジェスト版のような内容はおもしろかったし、なにより楽曲がよかったので惜しい。木の実ナナの歌はもっと聴きたかったし、踊りも見たかった。衣装も個性的できれい。
満足度★★★★★
A・合わないと K・食わず嫌いは B・バツ!
※恐らくためらってる貴方へ。鑑賞のポイント!
第1幕、いきなりコンサートが始まっても、年寄りよ、面食らってはイケナイ。
身を任せていれば、次の幕、ベテランが登場して、一気に場が締まる!
演者より、客のほうが圧倒的に硬かった!若手ファンVSベテラン俳優、そしてその逆・・・いわば「お見合い」をしてるわけで、お互い遠慮しすぎ!
「拍手していいのか・・・」「笑っていいのか・・・」 声を出したいのにモジモジしまくり!
ところが、満月をバックにした近藤・木の実の美しいシーンで、後方からジワジワと、この日最初の拍手が起こるやいなや・・・!
それをきっかけに、あとはまさに、「演者の力」で、客をリラックスさせた・・・役者ってすごい!次第に客も声を出して笑い始め、何より、ラストの惜しみない拍手がそれを物語り。(ナナちゃん嬉しそう!)
リラックスまで時間がかかったのは、構成の責任。役者は本当によくやってた。グループに属さない若手俳優に、男女とも、台詞がとても聞き取りやすい、実力者がいた。新しい発見が必ずある。
老若双方に伝えたい。食わず嫌いしてるだけ!と。
(肌に)A・合わぬと K・食わず嫌いは B・バツ!
願わくば、芝居の部分をもう少したくさん見たかった・・・鏡花が傍らで、物語の世界(若手が演じている)を見守っている。それだけで繋いでも、良いと思ったなあ・・・。照明が暗くて俳優の顔が見えにくい部分あり(当方乱視なので・・)検討を宜しく!