背馳【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】 公演情報 背馳【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    楽しかった
    ルデコはとってもおしゃれ。
    音がとっても響くのですが、それがエコーみたくなってセリフが重なりあった箇所はきれいだった。
    ただ、もっと混乱したかった。迷い込みたかった。
    神様の説明は親切すぎた。

  • 満足度★★★★★

    予期せぬ涙
    舞台は、ルデコの一室。

    何も描かれていない、生成のキャンバスを思わせる。

    そこに現れる、6人の役者達。
    開幕と同時に、脳裏に現れる、鮮やかな、色。
    それは、原色に染まった筆を、役者達がキャンバスにたたき付けるからだ。

    無色の空間に描かれていく、原色の強烈なる競演。

    二次元を飛び出し、多次元の世界へと観客を連れて旅立つ。

    役者達は、(驚いたことに)観客の一人ひとりの目を見て、訴えかけてくる。
    「これが、人間だ」 「これが、私たちだ」 「これが、あなたなのだ」と。

    私たちは、観客ではなかった。
    気づいたら、観客も、舞台の中に取り込まれていたのだ。

    つまり、そこに展開する、様々な人生を、共に生きることになる。
    さらに、そこに生じる、輝きも苦痛も寂寥も、共に味わうことになる。

    青春の頃、自分の将来に抱く、漠然とした不安。
    人生輝く時、見失ってしまった、本当の自分への焦燥。
    黄昏の頃、再び抱く、過ごした人生への寂寥。

    それらが、(過去から未来へ、の一方向ではなく)多方向に同時に流れる
    時間の中で展開されていく。

    作者の意図通り、これが、「混乱」なのか。

    けれども、不思議なことに、本当に、予期しなかったことに、
    この「混乱」のまっただ中で、涙が溢れた。

    まるで、探し続けていた、ずっと探し続けていた、大切な、何かを
    見出せたような。
    「これだったのか・・・」 或いは、「ここだったのか・・・」
    そんな、心から安堵できる瞬間が、
    その「混乱」の中にあったのです。

    もしかしたら、
    人間は、 
    人間の思考や、意識とは、
    こんなにも、途方もないくらい、大いなるものに抱かれているのでしょうか?

    まるで、宇宙のような・・・大いなる存在に抱かれて、
    人間は、命をまっとうする生き物なのでしょうか?

    感動しました。

    ヲカシマシン、そして、今回のカンパニーの皆様、
    皆さんが描こうとしていた世界は、すごい。途方もない。果てしない。

    20代前半と思われる皆様の、限りない可能性に、
    鳥肌を立てて、期待しています。

    ありがとうございました。





  • 満足度★★★★

    見応えありました
    展開のスピード感を楽しめました。ある種ノイジーなさまざまな台詞を
    自分が処理していく過程が実感できて面白かったです。
    この「挑戦」をどのように活かすのか、次回作の期待大です。

  • 満足度★★

    やってることは結構おもしろい。
    だけどパワーとして足りない。ストーリーや構成を見せることに重きが置かれていて、俳優が台詞を言うことで手一杯になっているような。時間軸のズレとか、当日パンフでも芝居中にも一所懸命説明しますが、それは作品から十分受け取れるので必要ないかも。

    ネタバレBOX

    そういう時間的な行ったり来たりとか、人物のかぶせ方とか、工夫してるし最大限わかりやすくしているのはいい。ただ、その描き方は単調で、1時間と言う短い中でも飽きは来ました。

    坦々と生き様を見せていき、さらに別のパターンでの生き様まで味わわせてもらえるのはおもしろい。だからドラマチックな事件がないなりの抑揚があればもっとおもしろくなりそう。
  • 満足度★★★★★

    実験的人生走馬灯
     世界はこの世に存在している(してきた、これから存在する)人数分の「産まれて生きて死ぬ」で成り立ってるんだなあと、しみじみ感じました。今回はまだ全然死にそうにない若い人達による上演でしたが、同じメンバーで20年後、40年後に再びこの作品をやったらどうなるんだろう?????

    ネタバレBOX

    台本には句読点が殆どなさそう...。
  • 満足度★★★★★

    フラクタルスピード狂
    三次元の布切れを、「かもしれなかった」四次元の糸でパッチワークした、100年弱の時間と神の視点。
    言葉の濃度と、演出や構成や場所との関わり合い、それがどう舞台として立ち上がっているのか説明しようとしてもできない、挑戦を見届けたい人必見な舞台。
    わざわざパンフの表紙にまで載せている「混乱しよう」の言葉の通りに、観客は言葉と時間空間の混乱に興じるのが吉。しかしそこで付いていくことと考えることをやめてしまってもおもしろくない。おもしろい舞台。

    残念だったのは空間環境。ルデコの壁は音を反響させるので、せっかくのスピード(主に言葉)が四方八方に拡散してしまって、展開とは関係ない所に集中力を割かざるをえなかったのは観客としては大変だった。
    「舞台上」の概念に挑む演出は全くルデコ向きだったので一概に会場設定を否定はできないのだが。

    演技で特に眼に付いたのは作・演の橋口周公。「舞台」への入退場を含めた奇妙な佇まいが興味深かった。

  • 満足度★★★★★

    人間の一生をハイライトで。
    時々すれ違う複数人の一生を、リアルな事象と仮想現実のハイライトによって時空間移動を繰り返しながらレイヤー状に描くこの作品は、重なり合ったすれ違いを時々共鳴しているように思わせてくれる、嘘のつき方がとにかく秀逸。そして時空を超えても尚、デス(コミュニケート)っている人間の普遍的なオカシさを根底に踊らせながらも、しかしまずはどうしたって観客たちを混乱させてやるのだぞ、という特殊な意気込みで攻めてくるため、開演直後から超難解ウルトラC級の時系列シャッフルの嵐がアナタの脳天を直撃します。
    頭のねじは、何本か吹っ飛ぶかもしれません。それにエンゲキの概念だって180度変わってしまうかも。
    きっと、観るひとがこれまでどういう気持ちで生きてきたか。人生において何を重きとしているか。あるいは平凡と退屈と、不滅についてどう考えているか。によって極端に評価の分かれる作品になるかもしれない。
    ちなみに私は、まんまと混乱に陥って頭のねじがぜんぶ吹っ飛んじゃった側。
    時々、どばどばと垂れ流されるどうしようもない時間の帯にむせ返るような沈黙を密かに感じ。その緩急が何ともドラマティックで感動すらしたのだけれど。

    ネタバレBOX

    楕円形状に配置された観客席の後方にはイントレ(鉄パイプ)がぐるりと組まれており、客入れ時からイントレの一部に黒い服を着た男が抽象的なポーズをとってひっそりと誰かの影の存在のように静かに佇んでいる。

    どうやらこの黒い服を着た男が、物語の鍵をにぎっているらしい。
    彼は神だとおもえば神にもなれる存在らしい。
    そんな風に浮世離れした男から物語の登場人物の紹介と、
    この物語の時間や混乱することに関するルール説明を受け、スタートする。
    なんだか一度間違えたら死んじゃいそうなゲームみたいだ。

    物語は非常に多岐に及ぶ。乱雑であるといっても過言ではない。
    時空間を自由に行き来する物語の点、モノローグする演者の言葉をなぞり
    観客がそれぞれ想像上で造形し補完していくスタイル。

    登場人物は、作品タイトルにもなっている、どちらかといえば背徳的な二股男・ハイチと、ハイチが二股をかけている末期ガン患者・ハイジ、視覚障害者・アイリの3人に、
    ハイジの担当医・タミチ&タミチの奥さん。
    この5人の視点が混ざり合い、循環しながら描かれる。
    途中で話しが変化してくることも多々あるが、
    それは嘘をついているのではなく、伝言ゲームの過程において
    今言ったことが”たまたま”伝わらなかった偶然、という感覚に近い。

    それでも彼、彼女らの言うことをすべて信じていると時々、
    わからなくなることがある。
    それは、例えば誰かに「ずっと好きだよ。」と言われたとして、
    それを信じていいのかどうかわからない気持ちに似ている。

    人と人とが完全に”すれ違う”時。
    時折軋むような音が聞こえてくる瞬間があった。
    その音を聞くためにすれ違うのかな、と思うと無性にオモシロオカシくなるのでした。

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