背馳【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】 公演情報 ヲカシマシン「背馳【公演終了しました!ご来場誠にありがとうございました!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    予期せぬ涙
    舞台は、ルデコの一室。

    何も描かれていない、生成のキャンバスを思わせる。

    そこに現れる、6人の役者達。
    開幕と同時に、脳裏に現れる、鮮やかな、色。
    それは、原色に染まった筆を、役者達がキャンバスにたたき付けるからだ。

    無色の空間に描かれていく、原色の強烈なる競演。

    二次元を飛び出し、多次元の世界へと観客を連れて旅立つ。

    役者達は、(驚いたことに)観客の一人ひとりの目を見て、訴えかけてくる。
    「これが、人間だ」 「これが、私たちだ」 「これが、あなたなのだ」と。

    私たちは、観客ではなかった。
    気づいたら、観客も、舞台の中に取り込まれていたのだ。

    つまり、そこに展開する、様々な人生を、共に生きることになる。
    さらに、そこに生じる、輝きも苦痛も寂寥も、共に味わうことになる。

    青春の頃、自分の将来に抱く、漠然とした不安。
    人生輝く時、見失ってしまった、本当の自分への焦燥。
    黄昏の頃、再び抱く、過ごした人生への寂寥。

    それらが、(過去から未来へ、の一方向ではなく)多方向に同時に流れる
    時間の中で展開されていく。

    作者の意図通り、これが、「混乱」なのか。

    けれども、不思議なことに、本当に、予期しなかったことに、
    この「混乱」のまっただ中で、涙が溢れた。

    まるで、探し続けていた、ずっと探し続けていた、大切な、何かを
    見出せたような。
    「これだったのか・・・」 或いは、「ここだったのか・・・」
    そんな、心から安堵できる瞬間が、
    その「混乱」の中にあったのです。

    もしかしたら、
    人間は、 
    人間の思考や、意識とは、
    こんなにも、途方もないくらい、大いなるものに抱かれているのでしょうか?

    まるで、宇宙のような・・・大いなる存在に抱かれて、
    人間は、命をまっとうする生き物なのでしょうか?

    感動しました。

    ヲカシマシン、そして、今回のカンパニーの皆様、
    皆さんが描こうとしていた世界は、すごい。途方もない。果てしない。

    20代前半と思われる皆様の、限りない可能性に、
    鳥肌を立てて、期待しています。

    ありがとうございました。





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    2010/05/27 18:24

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  • カモメさま、この度はご観劇頂き誠にありがとうございました。
    詳細で温かな劇評を頂き、出演者・スタッフ・関係者一同、とても励みになります。
    皆様のご期待に添えるよう、またご期待以上のものを提供できるよう、
    よりいっそう気を引き締めて、邁進してまいります。
    今後ともヲカシマシンをよろしく申し上げます。

    2010/05/29 09:48

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