満足度★★★★★
フラクタルスピード狂
三次元の布切れを、「かもしれなかった」四次元の糸でパッチワークした、100年弱の時間と神の視点。
言葉の濃度と、演出や構成や場所との関わり合い、それがどう舞台として立ち上がっているのか説明しようとしてもできない、挑戦を見届けたい人必見な舞台。
わざわざパンフの表紙にまで載せている「混乱しよう」の言葉の通りに、観客は言葉と時間空間の混乱に興じるのが吉。しかしそこで付いていくことと考えることをやめてしまってもおもしろくない。おもしろい舞台。
残念だったのは空間環境。ルデコの壁は音を反響させるので、せっかくのスピード(主に言葉)が四方八方に拡散してしまって、展開とは関係ない所に集中力を割かざるをえなかったのは観客としては大変だった。
「舞台上」の概念に挑む演出は全くルデコ向きだったので一概に会場設定を否定はできないのだが。
演技で特に眼に付いたのは作・演の橋口周公。「舞台」への入退場を含めた奇妙な佇まいが興味深かった。
2010/05/21 23:09
詳細で温かな劇評を頂き、出演者・スタッフ・関係者一同、とても励みになります。
皆様のご期待に添えるよう、またご期待以上のものを提供できるよう、
よりいっそう気を引き締めて、邁進してまいります。
今後ともヲカシマシンをよろしく申し上げます。