満足度★★★★
予想外に笑いどころの多かった
フリージャズのインプロビゼーションのように、「リズム的に合ってるのかはずれてるのかよくわからないけれど、エモーショナルな部分ではピタリとシンクロしている」ように感じました。音と言葉と身体の動きによるフリージャズですね。
第1部「ホットペッパー」での派遣社員達の送別会企画の会話、第2部「クーラー」の会話、第3部「お別れの挨拶」の長い挨拶、どれも、ただしゃべりたいことを話しているだけで相手がちゃんと聞いているのかは微妙。JAZZのインタープレイって、"音による会話"って言われることがありますが、実際にはかみ合わない会話だったり、あるときは喧嘩だったり、自分勝手な自己主張だったり、でも予定調和な会話にならないが故にスリリング。今回の舞台は、そんなおもしろさにあふれていたと思います。
音楽があることで、無音になる瞬間が極端に少ない。音楽のない前作では、無音になった瞬間の場内の緊張感は半端なかったのですが、今回は音楽のおかげでとてもリラックスして拝見することができました。
予想外に笑いどころの多い舞台でもありました。
当日パンフに"何としても自分の置かれている状況を肯定したいという思いはある。(岡田氏談)"とありました。そのような描き方だから笑えるのだと思います。
満足度★★★★
手法のキレはやはり圧巻
2度目のチェルフィッチュ。前回観た『フリータイム』よりはるかに分かりやすく、ちょっと「面白い」と思ってしまった。
独特の手法から紡ぎだされる徹底的に空虚なリアル。
無自覚に「普遍」を描こうとする演劇人が多い中、正面を切って表層を描くチェルフィッチュは、やっぱり強いしカッコいい。
意図した感想か分からないけど、僕は、チェルフィッチュを見るたび表層こそがリアルなんだと確信します。
満足度★★★
空虚な言葉がコミカルに浮き彫りに
まず、あの繰り返されつつも、微妙に細部が異なっている厄介な台詞を
語りつつ、切れの良い動きを見せ、もとい魅せてくれた俳優達にエール。
何度も何度も執拗に繰り返される、一見意味の無い言葉の数々、
「ホットペッパーって役に立つんですよねー」「クーラーが寒くて地獄
みたいなー」「女性ってそうですよねー」…
何回も繰り返される動きと共に、見ているうちに俳優達がまるで
「演技している人間」というよりも「律動するゼンマイ人形」か何かのように
見えて仕方がありませんでした。
満足度★★★★★
普通の人が共感できる演劇の最前線!
素直に笑わせてもらいました!
前回横浜で観た作品は面白かったけど、正直いって演劇ファンでもない友人を誘って観に行ける内容ではなかったのですが、今回は違います。
逆に、芸術家くずれの演劇ファンなんかじゃなくて、ごく普通の会社勤めの、ごく普通のビジネスパーソンこそが、より共感できるような内容だったのではないでしょうか。
で、それがいまの演劇の最前線・・・となると、ま、これ「演劇ファンが、隣の課の○○さんを誘ってみるのに好適な作品」とさえいえるかもしれません。
満足度★★★★
不思議な魅力にとりつかれる。
若者の日常会話をデフォルメしたような台詞が音楽に乗って繰り返される。そして、えも言われぬダンス(と言っていいのか?)風の体の動き。全てが斬新で刺激的。また観たいと思わせる魅力あり。
満足度★★★★
歌と踊りとチェルフィッチュ
「ホットペッパー」「クーラー」「お別れの挨拶」の順で上演。会社のオフィスらしい場所設定が共通で、それによって三作が一つのお話になっている。が、ストーリー自体はそんなに複雑なものではない。上演時間はトータルで70分ほど。
私が見た回は場内の冷房がかなり効いていて寒かった。まさか「クーラー」という作品の内容に合わせて意図的にやったとは思わないが、これから見る予定の人はクーラー対策をしておいたほうがいいかも。
「ホットペッパー」と「クーラー」はそれぞれ単独で見たことがあり、そのときはそれほど面白いと感じなかったが、今回は以前とどういう違いがあるのかはわからないけれど、最後まで、3作とも、面白く見た。