満足度★★★★
予想外に笑いどころの多かった
フリージャズのインプロビゼーションのように、「リズム的に合ってるのかはずれてるのかよくわからないけれど、エモーショナルな部分ではピタリとシンクロしている」ように感じました。音と言葉と身体の動きによるフリージャズですね。
第1部「ホットペッパー」での派遣社員達の送別会企画の会話、第2部「クーラー」の会話、第3部「お別れの挨拶」の長い挨拶、どれも、ただしゃべりたいことを話しているだけで相手がちゃんと聞いているのかは微妙。JAZZのインタープレイって、"音による会話"って言われることがありますが、実際にはかみ合わない会話だったり、あるときは喧嘩だったり、自分勝手な自己主張だったり、でも予定調和な会話にならないが故にスリリング。今回の舞台は、そんなおもしろさにあふれていたと思います。
音楽があることで、無音になる瞬間が極端に少ない。音楽のない前作では、無音になった瞬間の場内の緊張感は半端なかったのですが、今回は音楽のおかげでとてもリラックスして拝見することができました。
予想外に笑いどころの多い舞台でもありました。
当日パンフに"何としても自分の置かれている状況を肯定したいという思いはある。(岡田氏談)"とありました。そのような描き方だから笑えるのだと思います。