満足度★
えっ、これが土田作品?
また、G2さんの脚本かしらと錯覚するぐらい、土田さん、どうなさったの?と思う作品でした。
土田さんは、説明台詞を廃す名手の筈なのに、この作品、とにかく説明台詞のオンパレードでした。
それに、袴田さんと安田さんの演じている役のキャラクターが、あまりに不誠実な人間描写で、実に不愉快に思いました。
役者さんは全員好演されているし、セットも照明もとても良かったのですが、どうも好感を持てない作品でした。
アイデアはいいけれど、何だか、命の吹き込まれていない脚本という印象で、大変残念でした。
西岡さん、今回の役には、哀愁があり、西岡さんの登場場面にはずいぶん気持ちが救われました。平岡祐太さん、初舞台でしょうか?だとしたら、素晴らしい!!平岡さんの舞台はまた拝見したくなりました。
満足度★★★★
切ない後味
あの世とこの世、相対する世界の人たち。「相対的浮世絵」。奇妙なタイトルで「浮世絵」が目をひいたが、作者の解説によれば、海外から帰国した直後だったので日本語にこだわりがあり、自分から見た世の中を活写する=浮世絵となったらしい。
出演者の一人である安田顕が公演プログラムの一文に、子供のころ、仲の良い友達にしてしまった心無い行為への悔いについて語り、人は誰でも心に蓋をして生きている部分がある、だからこそ、人の真摯な姿を見たとき、心が動くのだと書いている。これを読む直前に、新聞のエッセーで、ある作家が似たような子供のころの体験を書いていたのを読んだばかりなので、自分だけでなく、そういう思い出というのはあるものなんだなぁと共感した。決して悪気はないのに、なぜか親しい、しかも非のない人の心を傷つけるようなことをしてしまったら、いつまでも覚えているものなのだ。
まあ、この話は子供時代の小さな意地悪とは次元が違う話だが、「心に蓋」という共通点はある。
土田英生という作家の深さに心打たれた作品です。
満足度★★★
可もなくなく不可もなく
物語は淡々と展開していく、役者はそれぞれの持ち味を出している。脚本がどうも自分には合わないようです。あと音響が大きすぎました。コクーンはどうも好きになれない
満足度★★★
静かな佳作
ストーリーはしっかりしていたが、
もう少し小さな劇場の濃密な空気の中での上演が向いている作品かも。
平岡くんは初舞台との事でしたが、なかなか頑張っていたと思います。
しかし、どうしてこのタイトルが付けられたのでしょう。
浮世絵は何を象徴しているの?