満足度★★★★
Aプログラム
台詞はすべて心の声で、相手には聞こえないどころか表情や動作がまったく違う受け取られ方になって笑わせる「タッチ」はともかく、2編目以降は「優位性の逆転」が隠しテーマ?などと思ったのは深読みか?
「重き荷を負いて」は終盤で思わぬ展開が2段構えで待っており、「天体観測」では結局兄の方が上手…と言うか妹が釈迦の掌の上の悟空のようにも思えてくる。
「桜坂」は隠しテーマ(なのか?)もさることながら、当日パンフの「言い訳」(笑)に大いに納得。あのザラつきはそういうことからなのか…みたいな?
満足度★★★★
Bプログラム
クライマックスでドサクサ紛れに判明する “相談したいこと” の内容でドッと笑わせる「待つわ」、出オチ的なものも含み全編笑いの「TAIN-TRAIN」に続く「大阪で生まれた女」も営業会議(?)の様子で笑わせるのでBプログラムはコメディ編か?と思っていたら、面白うてやがて哀しき…という展開で、しかし力強く立ち直るというのはイイ。
さらに構成が独特にして抜群な「サイレント・イヴ」で締めくくる構成は前菜やスープなどが出されてメインディッシュに至るコース料理の如し。
満足度★★★★
Cプログラム
出勤前のサラリーマンを描いた一人芝居「サムライ」、だらしない男とひたすら尽くす女性の「守ってあげたい」という(部分的に)身につまされたりもする(爆)「ダメ男見本市」的な前半、夫婦ではない男女芸人コンビの解散ステージ後、女性の切ない想いがしみる「横恋慕」、クリスマスイブの “小さな奇蹟” に心温まる「すてきなホリディ」という後半の対比が鮮やか。
また、「すてきな…」は回想場面への切り替えとその見せ方も巧い。(とか言って最初はちょっと戸惑ったのだが…(笑))
満足度★★★★
少し愛して。長ーく愛して。
Aプロに感動したので、急遽、予定を変更し、続けてCプロを
観ることにした。
作品の関係で、Aプロよりも★は少なく、4つとさせて
いただいた。理由はネタバレでご判断いただきたい。
ちなみにCプロのうち、「守ってあげたい」は大根健一が脚本、島本和人が演出、
最後の「すてきなホリディ」のみ、ゲスト作家の高階經啓が脚本を担当し、
大根健一が演出した。
Bプロが観られなかったのが心残り。
最近はTVドラマも映画も観客動員力が求められ、昔の邦画によくみられた
「ちょっといい話」みたいな文芸路線の企画は通らない。
だからこそ、私は演劇に期待している。
演劇の世界もまた、突き抜けた新奇な作品に人気が集まる傾向だが、私が演劇に求めているものは少し違う。
水木洋子や成瀬巳喜男が描いたような「大人の人生ドラマ」が観たい。
大根健一は「30歳を過ぎて作った劇団なので、細く長くを目標にしてきた」と言う。そういう淡白な姿勢にも好感が持てる。
“普通の生活の中の人間の毒”を描ける稀少な作家だと思うので「細く長く」続けていってほしい。
「少し愛して。長ーく愛して」という劇団があってもよいではありませんか。
満足度★★★★★
こんな芝居が観たかった
旗揚げから10周年だとか。
「tea for two」という劇団名にちなみ、大根健一はは文字通り
「二人でお茶を」という雰囲気の芝居を書いている作家。
だが、私がここの芝居で最初に観たのは法廷劇であった。
馴染みがある東大の学生劇団出身らしく、知的なコメディーで
面白かった。
2回目に観たのがまさに「二人でお茶を」系統の芝居だったが、
悪くはなかったものの★3つという印象の芝居で、以来ずっと観にい
ってなかった。
今回、日程の都合上、千秋楽のAプロしか行けなかったのだが、
あまり良かったので、急遽、午後の予定を変更して、Cプロも観ることに
した。
年齢を重ねた人ほど深く楽しめる芝居だと思った。
オーソドックスだが、ちゃんと毒のある大人のドラマが描かれている。
こういうのは単なる想像力や技術では書けない。
ちゃんと人情の機微についてわかっていないとね。
その点では、往年の邦画のような味わいのある作品でした。
まず、Aプロについての感想を書きます。
「天体観測」のみ、ミノタケプランの石井信之の作・演出。
「桜坂」は大根が唯一好きになれない歌だそうだが、
好きになれない歌で、こんなすばらしいドラマが作れるなんてねぇ。
面白い。
満足度★★★★
表裏の両側から
物語の登場人物たちそれぞれの抱えるものや思いが
じわっと滲み出てくる。
それがうまく物語の味わいに繋がって・・・。
それぞれのちょっと複雑な味わいに
したたかにくすぐられながら
見入ってしまいました。
満足度★★★★
さすがスペシャル
Bプロ観ました。さすがスペシャルで,短編集にもかかわらず,それぞれの思いが残るいいストーリーだったと思います。せつない思いの断片がまだ突き刺さっています。時間があれば,Aプロ,Cプロも観たいところです。