世界の秘密と田中 公演情報 世界の秘密と田中」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 大人の底力!
    大人の底力を感じさせる演劇でした。
    テンポしかり、演出で仕掛けたところをキチンと笑いに消化できていて、
    すごい腕力を感じさせるお芝居でした。

    この安定感はどこでも真似できる代物ではないのでは!?

  • 満足度★★★

    期待した割には・・・
    「世界の秘密と田中」という大げさな題名と、ここでの高評価からものすごく期待して観たせいか、自分の場合は正直言って落差が大きかった。確かに大人向けの芝居と言えるし、人生の悲哀も描かれているが、常識の域を脱しないというか、自分にはグッとくるものはなかった。他の小劇場系劇団に比べれば観客の年齢層は高いし、終演後、「どう?胸に突き刺さる台詞が多かったんじゃないの?」などと仲間をつついている人も見受けられたが、彼らと同世代である自分にはなぜかそこまで迫ってくるものがなかった。この芝居の登場人物の何人かとそっくりな状況に置かれた人たちを現実の世界で見てきたせいか、現実の人々のほうが数倍もドラマチックで感慨深いため、所詮、作り物めいて見えた。
    鈴木さんは「コミュニケーションの大切さ」を一貫して訴えてきた作家だそうで、この芝居も「コミュニケーション」が描かれる。先年、放送されたNHK朝の連続テレビ小説「瞳」でも「どんな思いも言葉にしないと通じない」というキーワードが出てきたが、朝ドラは視聴率もふるわず、ドラマの感想を話し合うサイトでも不評の意見は多く、演劇を観ない層は鈴木さんのキャリアも知らず、かなり辛らつな脚本家批判や欠点への指摘も出ていた。だが、私は朝ドラという制約があるからでは、と差し引いて解釈していた。しかし、本作を観ると「瞳」と共通する点もあり、ドラマ同様の不満を感じてしまった。大きく分けて40歳と、さらに下の世代、もっと上の定年近い世代が登場し、それぞれが壁にぶち当たって悩みながらも希望を見出していく「応援歌」のような芝居だが、自分を含めて、年齢的に人生の岐路に立ち、それぞれに問題を抱えている自分の知る何人かの身近な人を思い浮かべたとき、この芝居を観て元気がもらえるかと考えると、そう単純には思えなかったのだ。私が求めているのはもっとグレードが高い芝居だったので期待はずれだった。
    舞台装置上の制約もあり、家具付きアパートの一室で間取りも同じという設定で、何人かの住人が入れ替わり立ち代り出てきて、さまざまな会話を交わして劇が進行していく。何だかロールプレイングゲームのようで、単調で退屈する場面もあった。そのためか、私の周囲ではいびきや寝息が聞こえてきて、とても気になった。「大人の観客が多い」ためか、珍しく諸注意アナウンスがなかったが、案の定と言うべきか、マナーモードの「ヴィーン」という唸り声がいびきや寝息に混じって響き、うるさいこと。とても芝居を楽しむ環境とは言いがたかった。

    ネタバレBOX

    NHK「瞳」も隣近所事情が筒抜けの長屋的な世界だったが、本作もアパートの住人や友人、家族らがみな知り合いである。地方のアパートでさえ、隣人はどんな人か知らないのがいまやあたりまえというのに、例外的なアパートがあったものだ。友人が少ないという玉村(木村靖司)さえも、アパートの住人の相談相手として信頼され、夜中でも相談者がやってくる不自然さ。普通、これだけ面倒見が良く、人恋しい性格なら友人が少ないこともなかろうに。サラリーマンで40歳独身の田中(福本伸一)は、派遣社員の恋人礼子(岩橋道子)と交際しているが、礼子のほうが忙しく、すれ違い状態。田中の母(大草理乙子)は夫が認知症になり、介護のストレスがたまっているさなか、住人の田部(おかやまはじめ)と関係を持ってしまう。「枯れていたとばかり思っていたのに、こんな情熱が残っていたなんて」と感動する田部と対照的に、関係を引きずるまいと意を強くし、滑稽なほどサバサバしている田中の母。「学生運動やってて若いころはステキだったのよ」と夫を語る場面以外、「夫婦のありよう」がほとんど語られないので、母の屈折した思いが伝わらず、安易で乾いた浮気にしか見えない。私にも夫を介護する同じ状況の友人がいるが、もっと張り詰めていてとてもこんな軽はずみな行動をとる余裕はないので、観ていてしらけてしまった。田中家の介護の問題は、田中の妹(弘中麻紀)の渡米問題もからみ、この物語の芯になるが、それにしては実に描き方が薄っぺらで状況説明に過ぎる。
    同じく住人のミッチー(三鴨絵里子)と田部の友人村田繁(俵木藤汰)の関係も、ミッチーの携帯小説のネタづくりといういい加減な結びつきかただ。田中の母もミッチーも、女性の側は単なる「浮気」気分で、田部も村田も男の側はけっこういちずで純真なのである。感動的な愛ではない。玉村のアドバイスで田中の仕事が順調になり、またも恋人とはすれ違いに。玉村に相談に行った礼子は、今度は玉村と恋仲になってしまい、結婚が決まる。
    それぞれの事情が交錯するだけで、物語に感動する要素がほとんど感じられなかった。とりあえず、コミュニケーションをとってつながってればよいということか(これも「瞳」のサイトでさんざん指摘されたことだが)。
    ミッチーと田中の妹がそろって舌足らずのしゃべりかたをするのが鬱陶しく、なぜ舌足らずでないといけないのかわからない。三鴨は往年の吉田日出子を思い出したが。
    唯一面白かったのは、田中がどうにも玉村と礼子の結婚を祝福する気になれず、めちゃくちゃな恨みの歌を考えたり、激辛カレーを作ってパーティーで食べさせようとしたり、暗黒舞踏で締めくくろうと提案したりする妄想場面だった。これをすべて実行して、別の結末があれば、芝居としても何か感じたかもしれないが、予定調和で毒もなく、無事終わるのではNHKドラマと同じである。これが「笑いとペーソスの芝居」なのか。私には説得力不足に感じた。
  • 満足度★★★★

    観てきた
    座席が後ろの方だったので残念。

  • 満足度★★★

    なんか、出てくる人、出てくる人みんないい人
    この劇団面白いって聞いたんで、観に行ってきました。
    わりと長くやっている劇団とは言え、チケット4800円は高い。
    それでも紀伊国屋ホールほぼ満席。

    あるアパートに住む住人(アラフォー世代?)の話だが、
    今どきこんなに隣人同士が仲いいか?
    フィクションと言ってしまえばそれまでだが。

    まるでNHKの朝の連続テレビ小説の見てるようだ、と思ったら
    主宰の鈴木聡さん実際に朝の連続テレビ小説の脚本手がけてた。

    確かに細かく笑えるポイント入ってるし、
    サラリーマンの心情を代弁したようないいセリフもあるが。
    話に毒がない。

    他の方の高評価だが
    人生経験の浅い自分には
    どうも、このての舞台は苦手。

  • 満足度★★★★

    いまどき平日満席!
    ラッパ屋流「人生の判り方」が小気味良い。
    広中さんは“性格俳優”の域。
    役者も観客もアラフォーでイッパイだったが、
    他の世代の人がこの芝居を見たら
    どう感じるのだろうか、不安もアリ。

  • 満足度★★★★★

    今までで最高作でした
    ラッパ屋、拝見するのは三度目ですが、今回が一番良かった!
    前2回は、一つの場面に雑多な登場人物が出たり入ったり。そんな人通りのある場所で話さないような会話や痴話喧嘩等を無理矢理露呈させたりと、どうしても段取り芝居になりがちでしたが、今回は、作者の工夫が功を奏し、そういった作劇上の違和感が皆無な上、登場人物のキャラクター設定も大袈裟でなく、すんなり素直に、舞台上の人物に気持ちを寄り添わせることができました。 
    鈴木さんが、長年温めていた、ノートに書き溜めたフレーズの数々を、満を持して発表されたらしく、さすがの職人技の傑出舞台でした。
    キャストも、今回は、無理して役を振り分けた感が一切なく、皆さん、適材適所の配役で、まさに、熟練劇団の為せる技! 

    二―ル・サイモンやレイ・クーニー等、喜劇王はたくさんいて、大好きではあるけれど、やはり、国や人種や宗教観の違い等で、日本人には100%笑いきれない部分をいつも感じますが、今回のラッパ屋は、欧米のコメデイの大家に匹敵する上等な人情喜劇に、日本人ならではの程よい味付けを施した日本のコメデイの最高峰的作品でした。
    強いて言えば、もう少し、終盤をテンポ良く終わらせた方が、冗長感を感じなかったかなと思うくらいでしょうか?

    年明けから、良い舞台の連続で、今年は幸先良いなと嬉しくなります。

    ネタバレBOX

    同じ家具付きの同じタイプの部屋ばかりのアパートという設定で、一つのセットを、各登場人物の部屋として、使い回す手法が小粋で、場面転換のテンポアップにも好影響。
    今度は、誰の部屋で、誰の話?と、観劇中、おまけの興味まで湧いて、ずっと厭きることがありませんでした。
    玉村と礼子のベットシーンが、いつの間にか、田部と美雪のシーンに摩り替わった時は、心で喝采を叫びました。
    死んだ村田が、椅子にのめり込んで消えて行くなんて、「四谷怪談」の提燈抜けさながら。
    今回のラッパ屋は、演出も洒落ていました。
    劇中、売れないストリートミュージシャンが歌う挿入歌が、何だか無性に気に入って、一緒に歌いたくなるくらいでした。
    外国のコメデイだと、いきなり会ったばかりの男女がベットへ直行ってパターン、よく目にしますが、何か、腑に落ちない感があったけれど、こういう流れなら、妙に納得できてしまう説得力のある脚本でした。
    本当に、今回は、全てに調和が取れて、ラッパ屋の面目躍如公演だと思います。
  • 満足度★★★

    温かさであふれている
    そんな印象を受けるお芝居でした。

    ネタバレBOX

    登場する女の人がみんな尻軽になってから加速度的に面白さを増していったように思います。あそこから登場人物みんなの魅力があふれてきてすごくよかったです。ただ、逆にそれまでの展開がだれてたような…そこまで笑えない笑いの応酬で少し眠かったです。あと役者の皆さんの泣きの演技が妙に胡散臭かったような…何か狙いがあるのでしょうか?


    ラッパ屋さんの観劇は初めてだったのですが、常に温かい感じの漂う素敵なお芝居をされるんだなと思いました。それと登場人物がみんな魅力的で好きになれる。また照明の落ち着いた感じやおしゃれな選曲、登場人物のはけ方がイリュージョンみたいだったりと見所がたくさんありました。

    そしてカーテンコール後の鳴り止まない拍手からこの劇団の根強い人気が感じ取れました。次のラッパ屋さんも是非みたいです。
  • 満足度★★★★

    まさにアラフォー世代には響くような。
    バブル期になんとなく社会人になった連中に、躓いたときの行き詰まり感とその先にあるちょっとした希望を提示した作品。123分。

    ネタバレBOX

    何かを期待して大人になったつもりが頭に描いてた理想像と結構ズレてる現実。それでも信じて突き進んでいるときにはわからなかったが、ちょっとしたきっかけで見つめ直すとそこに感じるギャップの大きさ。そんな人達が巣くってる4階建て2棟の古いアパートメントでの物語はお気楽さも見えるが簡単に笑い飛ばせず胸に刺さる部分もあって。

    劇団や劇団員が歳を重ねるのにマッチするように作風もうまく年齢が上がっていると思う。同世代には共感できる点が多々あると思うが、上の世代や若い人達にはこういう中途半端っぽい大人はどういう風に見えたのかがすごく気になった。
  • 満足度★★★★★

    MUSTTOSEE
    芝居を見る醍醐味が凝縮されたような作品。素晴らしい台本、スピーディな演出、見事な演技と魅力的な出演者。おしゃれな選曲。ラッパ屋はいつ見ても安心です。笑って頷いてほろっとする。このクオリティで4800円。嬉しいです。見ないと損するってこれですね。
    詳しい感想は自分のブログでhttp://palove.blog.shinobi.jp/

  • 満足度★★★★★

    ハートフルコメディの完成品!
     ラッパ屋の芝居としての質の高さと期待を裏切らない楽しさは安定感がある。これだけ長期にわたってほぼ変わらないメンバーで良質な公演を打ち続けている劇団は少ない。そしてラッパ屋は数少ない大人の楽しめるコメディだ。もちろん若い人にも楽しめるし、家族連れなど最高だ。大人が楽しめるという意味はそこで語られている物語が本物だという意味。

     鈴木聡の書く台詞はひとつひとつが重い、心に響く。重い台詞を積み重ねながら喜劇を作りあげる才能は恐ろしいばかり。

     役者では主役の田中を演じた福本伸一の人の良さがたまらない。そして三鴨絵里子のあの声、中毒になりそうなくらい素敵だ。個性派揃いというのはよく使われる言葉だが、それぞれがこの劇団ほど粒ぞろいで魅力的な劇団を他には知らない。

     笑わせて、泣かせて、感動させて、生きていく勇気を与えてくれる。これこそコメディの王道だ。鈴木聡の芝居に悪人は一人も出てこない。安心して誰にでも奨められる芝居である。そして人生における大事なものをしっかりと教えてくれる劇団でもある。チケット代がとても安く感じられた。

  • 満足度★★★★

    さすがだなあ
    紀伊國屋ホール、いっぱいに集まったお客さん。
    積み重ねてきた実績が現れているような気がしました。

    内容ももちろん期待を裏切らない良質のコメディ。
    場転が違和感なく滑らかで素晴らしかったです。
    田中さんのお母さん、ホント大好き。

    パーティで歌のリハーサルが収束した以降、
    想像でも充分補えるのに、やや引っ張りすぎた感も。

    しかし本当に息がぴったりで、ラッパ屋さんの実力を見ました!

  • 満足度★★★★

    早く大人になりたい。
    タイトルを含め、インパクトのあるフレーズが輝いてる。地に足の着いた笑いと、忘れかけてた人情と、憧れの大人っていう存在がそこにある。年をとっていろいろ経験していくのが楽しみになる作品。

    起承転結でいうと結の部分がちょっと冗長にも思いましたが。。。終わるかな、と思うと、あ、まだそんなエピソードも回収されてなかったか、みたいな。もう少しあっさり終わったほうが浸れたかな、とも。

    ネタバレBOX

    遊園地に行くわくわくが膨らみすぎると、実際行ったときにちょっとがっかりしたりする、その理由。映画の予告編を観たあとに本編観ると、それ以上の幅がなくて意外におもしろくないのと同様。子供にとって大人になるってことは最高にわくわくなことだけど、小説や映画やテレビで期待を膨らませすぎるとこんなはずじゃないってことになっちゃう。

    けど、ここに出てくる大人たちのひたすら現状受容、それでも前向きって姿勢を見ていると、こんなつらい出来事も悪くないな、と思えてしまいます。元気になれます。

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