満足度★★★
漱石の真実
表題の「猫の墓」は、漱石の随筆『永日小品』に同名の作品がある。そこにも、妻との葛藤がうかがわれる。ただし、舞台に描かれるような、激烈な諍いがあったかどうかはさだかではない。一方、舞台末尾に出てくる「猫の死亡通知」もよく知られるところだ。そんなユーモアをよく解する漱石は、『吾輩は猫である』などの初期作品でもおなじみである。しかし、舞台上の、たえず、いらだち、自分に菓子が残されていないことにも怒りを募らす人物とは重なりにくい。妻からは「高慢で体裁のいいことばかりお書きになってる」と非難されるのだが、実際の漱石にもそんな側面があったとしても不思議ではない。そもそも、どんな人間も少なからず多面的ではある。そんな複合的な人間を、統一的な論理でさばいて見せれれば作品が説得的になる。本作には、背後の説明仮説にまだ埋めるべき部分が残されていると感じられたのだが、どうだろうか。
満足度★★★★
漱石とその妻・鏡子のお話
この物語は何がどーってことはない。
舞台は、漱石最後の棲家となった早稲田南町七の、夏目家の台所での日常を綴った物語。
何がどーってことはない日常なのだけれど・・やたら笑えた!
何がどーってことはないのだけれど、そこが可笑しいのだ!
以下はネタばれBOXにて。。