モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】 公演情報 モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-17件 / 17件中
  • 満足度★★★

    早熟
    モロトフカクテルという言葉も風化してるよなぁ。
    座・高円寺1の広さを使い切れていなかったと思う。
    役者の顔触れは多彩で楽しかった。

  • 満足度★★★★

    後半にはどっぷり引き込まれる
    学生自治会が使っている部室からの退去を命じられたことから始まる現代の学園紛争と、部室に残されていたかつての学生運動華やかなりし頃の闘士のノートにまつわる物語。
    学生運動もかつての政治的闘争から学費値上げ反対なんてものを経て今やほとんど「コップの中の嵐」的なものになってしまったのね、な目線で観ていながら、ノートの主であり、現在の闘争もひそかに支持している「モロトフカクテル」の存在が次第に大きくなってくる後半にはどっぷり引き込まれているという…。
    かつての闘争の中心であった2人の人物も登場させ、時として現在とクロスさせたり共同作業をさせたりする演劇的手法も○。
    そうしてさらにあさま山荘事件との関連をも明かし、実は以前は逃げ出していた「モロトフカクテル」も立ち上がる結末は骨太で、1年ちょっと前に観た(初見)『ボクコネ』とはガラリと異なり、どちらかと言えばこちらの方が好きかな。
    しかし最後の曲は「この広い野原いっぱい」(漠然とエヴァを連想)よりも「友よ」の方が合っていたのではあるまいか?
    また、お目当ての広澤草は「寝ている部分も含めて」(本人談)ほぼ出ずっぱりで、その意味でも満足度高し。(おまけに3列目の中央という非常に観やすい席だったし)

  • このカクテルで乾杯は無理
    評判作の再演ということで見に行ったのだけど、最初に見てイマイチだった「もう一度スプーンを曲げよ」のときの評価を覆すものではなかった。

    ネタバレBOX

    70年安保からすでに40年近くが経ち、当時学生だった人の孫が今では同じ大学の学生であってもおかしくないくらい。後の世代が当時のことに興味を持ってあれこれ調べていけば、だいたい似たような感想に辿り着くのではないだろうか。その意味では、それほど新鮮味はなかった。

    当時、内ゲバをやっていた過激派が今も解散せずに残っていて、大学生を勧誘したりしているのも、最初に知ったときはちょっと意外な感じだった。

    この芝居では、大学の自治会室が廃止されることになり、それに反対する学生の動きを中心に描いている。それを支援する人物としてかつての過激派のメンバーが登場し、署名集めに協力したりするが、何かというと組織への支援金を求めるので、宗教団体みたいだと皮肉られるところが可笑しい。

    当時の学生男女がつけていた交換日記が自治会室に残っていて、それを読んだ現代の学生が、彼らの政治思想と性欲の折り合いのつけ方に、ある種の滑稽さと堅苦しさを感じるというのもうなずける。

    劇中、この日記の男女が役として登場するのだが、その描き方にはかなり疑問を感じた。

    冒頭に登場して二人が日記の内容を交互に語るところでは、それが現在なのか過去なのかがどうもはっきりしない。

    かつて学生運動に参加していて、今は大学の職員になっている中年男が、実は二人の知り合いで、夜中に自治会室で三人が会話するところでは、男女が中年男の回想の中にいる人物だと感じられる。

    ところが終盤になると、現在も過去も関係なく、学生たちが入り乱れる。

    具象の舞台装置は現在の自治会室を表していると考えるのが普通だと思うが、そこへ過去の人間を登場させる場合、それなりの手続きというか設定が必要なのではないだろうか。その辺があいまいなので、過去の二人はときには現在に住む幽霊のようでもあり、ときには現在の人間の回想の中の登場人物に思えたりもする。あるいは芝居自体が過去と現在を行き来しているのかとも思えるし。実際、終盤の籠城場面では過去と現在がオーバーラップする。

    もうひとつ、見ていて変だと思ったのは、脇役の一人にふいにスポット照明が当たって、彼が客席に向かって突然ナレーションを始めるところ。劇中の人物がナレーターを兼ねるときはふつう、物語がその人物の視点で描かれることを意味すると思うのだが、この芝居ではそういうそぶりは全然なくて、ただ会話では充分に状況説明ができなかったので、とりあえずモノローグで説明しておこうという安易な発想が感じられた。




  • 満足度★★★★★

    現代の闘争感
    初演も観たのですが私はこちらの方が全体としては好み。劇場が狭いと客席と舞台に一体感が出やすいとか小さな芝居までしっかり見える、とかはどうでもいい話で。演技をする舞台以上に余白としてポカンとした空間にこそ想像力の持ち込むスペースがあり、余白そのものが今回の舞台美術のすばらしさだと思いました。

    ネタバレBOX

    もう本当に煮え切らない現代の学生達だが、私もその煮え切らなさに自分を重ねて観てしまいました。音楽もノせるようなスカすような軽妙さと歴史のもつある厚みを両立していた気がする。
  • 満足度★★★★

    内容の把握
    は知識が乏しい故難しいものの、そんな事を上回る説得力。ラストシーンがすばらしく、涙を堪えた。役者、有馬さん、石川さん良かった。

  • 満足度★★★

    感情渦巻く
    座・高円寺、はじめて行きました。
    立派過ぎるほど立派。
    ロビーが広いです。客席も傾斜が結構あるのでどこから見ても見やすそう。

    で、前評判が高いこの公演、期待に胸膨らませ、見に行ってきました。

    ネタバレBOX

    簡単に言えば60年代の学生運動と現代の学生を重ね、そこにかつての運動の真っ只中にいたひとを出してくるという構成。

    学生運動は映画や知識としてしか知らないのだけど、とても興味のあるテーマではあります。
    でも、当時の学生運動そのものではなくて、現代に重ねるところがちょっと違和感。

    大学で活動の拠点としていた部屋を取上げられることに対して運動をはじめるところがちょっとスケールが小さいというか。。。
    当時の交換日記を話のバックに持ってきて、「モロトフカクテル」という人物をあぶりだすのは良かったです。

    どうせ描くなら当時だけを舞台にして描いた方が好きと言うか、当時を振り返る形でもよいのだけど、今の学生に運動をさせるのはちょっと違和感強くて入り込めなかったです。

    でも、様々な感情が渦巻く舞台は役者の演技も熱く、見ごたえありました。
  • ざ、こうえんじ。
    面白い劇場だった。お芝居的には広すぎたような。

  • 満足度★★★★★

    わかっていても
    なぜだか、感動、しらないけどうなる、すごいね、お若いのに。

    ネタバレBOX

    かつての仲間の消息を知らないろいうのは、ラストへの伏線ではあるのだろうけど、それはどうかなと。
  • 満足度★★★★

    意義深い公演
    1983年生まれの演出家が、このテーマで作品を書いた(しかも2年前に)
    こと自体が意義深いことであり、称えたいと素直に思った。
    劇場が広すぎたのは、致し方ないか。

    ラストシーンがすばらしい。
    わたしたちは抱えて生きていかなくてはならないのだ。
    自分の弱さも、消せない悲しみも、あの人への憧れも、永遠の絶望も。

  • 満足度★★

    うーむ、すみません
    学生運動‥ 今回一言で云うと、ぼくにはあわなかった‥

    ぼくがもともと学生運動の意味や意義にまったく共感できないので
    そこで何が起きようと興味がわかないというかなんというか‥

    そして現在、学生が学校や社会に対してものを言いたいときに
    学生運動という手段をとるとは思えない感覚のギャップが拭えず
    彼らを利用しようとする組織に、いまの感覚では想像が追いつかず。
    時代をひとつずつ前にずらした方が、まだ感情移入できたかも。

    演者さんは、さすがにこの面子を集めただけあって素晴らしかった
    ですが、途中からストーリーさえもよくわかんなくなってきました。
    後半、すごい寝ちゃったw

  • ――
    観劇

  • 満足度★★★★★

    デジャブ
    怒りは弱さゆえの怒りなのだと。自分の弱さに向き合うことの難しさを考えながらみていました。 初めてのはずなのに、いつか見たはずの芝居でした。
    芝居の力を感じた芝居でした。

  • 満足度★★

    ホンが……
    実力のある役者を揃えても、脚本の偏りはカバー出来ず。
    学生が学内で上演するにはいいかもしれないが、
    公共の劇場で上演する必然性をさして見出せない
    作品であったかと。
    世代でも、学生でもない人間には、楽しめなかった。

  • 満足度★★★★

    観る価値あり
    多いにあり。

  • わからない
    学生運動など、ある時代を扱った作品は、その頃を共有していない自分にはどう消化してよいのか分からない。何かが決定的に抜けている気もするし、終演後の拍手も、物語でなく優れた役者に対してするしかない。

    ただ、革命とか闘争といったものを身の回りにある何かに置き換えることはできて、劇中の言葉は深く突き刺さってくる。

  • 満足度★★★★★

    鳥肌が止まらない
    後半のカタルシスがものすごいです。
    あれほど純粋に物語に引き込まれた芝居は初めてでした。

    僕は今大学生ですが学生運動をした世代をうらやましく思い、学生運動それ自体に憧れを抱いていましたが詳しいことはさほど知りませんでした。
    ですが今回の芝居はその学生運動をいろんな側面から見せてくれたと思います。

    後はネタバレBOXで

    ネタバレBOX

    みんなで部室に立てこもるシーン以降すべてが素晴らしかったです。
    立てこもりの準備をするときミチオとぬりえが現われて「吉田君!」という瞬間、吉田がかつての学生運動とほぼ同じ状況にある中でかつてを振り返る台詞、戦い続けていると思っていたミチオとぬりえが死んでいたという事実を知った吉田の絶望、やりきれない気持ち。吉田という人物はこの芝居で一番輝いていたと思います。


    また「闘いの火は燃えているか」という言葉がとても印象的でした。きっと昔の学生運動を闘った人も、今の活動家気取りの学生も程度や形に違いはあれど「闘いの火」を燃やしているんじゃないかと感じました。

    あと舞台美術がすごく良かったです。
    出はけがドアひとつだったので場転をどうするのかと思いましたが、テンポのいい音楽を流し、説明役の役者に注目させることで解決しているように見えました。


    本当に、本当に面白い芝居でした。初演の時も見てみたかったです。
  • 満足度★★★★★

    ラストシーンで涙が溢れる!
     26歳の高羽彩がこれだけの役者を集め、これだけの舞台を創り上げることにまず驚く。

     かつて戦争を知らない子供達というフォークソングが一世を風靡した。その延長で言うと学生運動を知らない子供達の物語。学生運動世代である自分には違和感がある部分もあったが、現代の大半の人間が感じる学生運動とはまさにこの舞台なのである。その風化しつつある学生運動を正面から捉え、その風化の中で、未だに呪縛の中でいきていく男吉田を中心に描いている。奥が深い。(後はネタバレで)

    ネタバレBOX

     有馬自由(扉座)が演じるのは元全共闘今は学生課に勤務する吉田。有馬自由、この切ない男を見事に演じきった。有馬でさえ、既に全共闘世代ではないだろう。その彼が演じた吉田は我々世代をしっかりと表現していた。誤解を恐れずに言えば、全共闘世代の大半は最終的に逃げたのである。それは学生運動が過激な方向に進み出したということに対する嫌悪感と言えばその通りだが、本質は逃げたことに変わりない。

     常にその想いを我々世代は抱えている。そのことをしっかりと描き、その子供の世代である高羽彩が、親の世代の出来事を風刺し総括している。恐れ入った。


    役者では自治会の田口を演じた山口森広と、牛島を演じた広澤草が好演していた。そして、キャラメルボックスの畑中智行、虚構の劇団の小沢道成が、新境地を開いていた。


     会場には笑いが溢れていたが、私には切なくて切なくてたまらない芝居だった。そういう気持ちにさせた高羽彩の力に感服した。若い世代にも、年配にも感動を与える舞台である。ラストシーンの有馬の演技に涙が止まらなかった。

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