満足度★★★★
後半にはどっぷり引き込まれる
学生自治会が使っている部室からの退去を命じられたことから始まる現代の学園紛争と、部室に残されていたかつての学生運動華やかなりし頃の闘士のノートにまつわる物語。
学生運動もかつての政治的闘争から学費値上げ反対なんてものを経て今やほとんど「コップの中の嵐」的なものになってしまったのね、な目線で観ていながら、ノートの主であり、現在の闘争もひそかに支持している「モロトフカクテル」の存在が次第に大きくなってくる後半にはどっぷり引き込まれているという…。
かつての闘争の中心であった2人の人物も登場させ、時として現在とクロスさせたり共同作業をさせたりする演劇的手法も○。
そうしてさらにあさま山荘事件との関連をも明かし、実は以前は逃げ出していた「モロトフカクテル」も立ち上がる結末は骨太で、1年ちょっと前に観た(初見)『ボクコネ』とはガラリと異なり、どちらかと言えばこちらの方が好きかな。
しかし最後の曲は「この広い野原いっぱい」(漠然とエヴァを連想)よりも「友よ」の方が合っていたのではあるまいか?
また、お目当ての広澤草は「寝ている部分も含めて」(本人談)ほぼ出ずっぱりで、その意味でも満足度高し。(おまけに3列目の中央という非常に観やすい席だったし)
このカクテルで乾杯は無理
評判作の再演ということで見に行ったのだけど、最初に見てイマイチだった「もう一度スプーンを曲げよ」のときの評価を覆すものではなかった。
満足度★★★★★
現代の闘争感
初演も観たのですが私はこちらの方が全体としては好み。劇場が狭いと客席と舞台に一体感が出やすいとか小さな芝居までしっかり見える、とかはどうでもいい話で。演技をする舞台以上に余白としてポカンとした空間にこそ想像力の持ち込むスペースがあり、余白そのものが今回の舞台美術のすばらしさだと思いました。
満足度★★★
感情渦巻く
座・高円寺、はじめて行きました。
立派過ぎるほど立派。
ロビーが広いです。客席も傾斜が結構あるのでどこから見ても見やすそう。
で、前評判が高いこの公演、期待に胸膨らませ、見に行ってきました。
満足度★★★★
意義深い公演
1983年生まれの演出家が、このテーマで作品を書いた(しかも2年前に)
こと自体が意義深いことであり、称えたいと素直に思った。
劇場が広すぎたのは、致し方ないか。
ラストシーンがすばらしい。
わたしたちは抱えて生きていかなくてはならないのだ。
自分の弱さも、消せない悲しみも、あの人への憧れも、永遠の絶望も。
満足度★★
うーむ、すみません
学生運動‥ 今回一言で云うと、ぼくにはあわなかった‥
ぼくがもともと学生運動の意味や意義にまったく共感できないので
そこで何が起きようと興味がわかないというかなんというか‥
そして現在、学生が学校や社会に対してものを言いたいときに
学生運動という手段をとるとは思えない感覚のギャップが拭えず
彼らを利用しようとする組織に、いまの感覚では想像が追いつかず。
時代をひとつずつ前にずらした方が、まだ感情移入できたかも。
演者さんは、さすがにこの面子を集めただけあって素晴らしかった
ですが、途中からストーリーさえもよくわかんなくなってきました。
後半、すごい寝ちゃったw
満足度★★★★★
デジャブ
怒りは弱さゆえの怒りなのだと。自分の弱さに向き合うことの難しさを考えながらみていました。 初めてのはずなのに、いつか見たはずの芝居でした。
芝居の力を感じた芝居でした。
満足度★★
ホンが……
実力のある役者を揃えても、脚本の偏りはカバー出来ず。
学生が学内で上演するにはいいかもしれないが、
公共の劇場で上演する必然性をさして見出せない
作品であったかと。
世代でも、学生でもない人間には、楽しめなかった。
わからない
学生運動など、ある時代を扱った作品は、その頃を共有していない自分にはどう消化してよいのか分からない。何かが決定的に抜けている気もするし、終演後の拍手も、物語でなく優れた役者に対してするしかない。
ただ、革命とか闘争といったものを身の回りにある何かに置き換えることはできて、劇中の言葉は深く突き刺さってくる。
満足度★★★★★
鳥肌が止まらない
後半のカタルシスがものすごいです。
あれほど純粋に物語に引き込まれた芝居は初めてでした。
僕は今大学生ですが学生運動をした世代をうらやましく思い、学生運動それ自体に憧れを抱いていましたが詳しいことはさほど知りませんでした。
ですが今回の芝居はその学生運動をいろんな側面から見せてくれたと思います。
後はネタバレBOXで
満足度★★★★★
ラストシーンで涙が溢れる!
26歳の高羽彩がこれだけの役者を集め、これだけの舞台を創り上げることにまず驚く。
かつて戦争を知らない子供達というフォークソングが一世を風靡した。その延長で言うと学生運動を知らない子供達の物語。学生運動世代である自分には違和感がある部分もあったが、現代の大半の人間が感じる学生運動とはまさにこの舞台なのである。その風化しつつある学生運動を正面から捉え、その風化の中で、未だに呪縛の中でいきていく男吉田を中心に描いている。奥が深い。(後はネタバレで)