苔の心音 公演情報 苔の心音」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.7
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★

    破壊からそれぞれの生き方へ
    現実逃避している人たちの物語。

    ヒザイの壊れた演技力がお見事!

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    ある姉妹の家で「話を聞く」のを商売にしているお話。ここに訪れる人たちは何処か壊れていて、姉妹の姉・ハルに料金を払って話をしにくる。過去の思い出だけを見つめて暮らすコバヤカワ。一見仲良さそうに見える夫婦・ハナとナラ。座れない椅子を作り続けるスズキ。ドアの外の新しい世界に行きたいと願うアクツ。姉妹の家の端っこに居る妖精。
    彼らは幸せそうに見えるが現実はそうではなかった。現実を見ないようにして生きていた彼らは、ある日、ハルの妹・タキとナラ(ハナの夫)が不倫していたことがバレル。
    言葉を話せなくなるほどショックを受けたハルの演技が壮絶だ。生のヒザイを観たのは初めてだが、素晴らしい演技力だった。
    その後タキは自殺をして、今度はナラが壊れる。
    現実を観らざるを得なくなった彼らはどんどん破壊していく。
    「現実を見たら前に進めなくなる。だから、今までこころもち、少し上を見ながら歩いていたの。そうすれば嬉しい。楽しい。」と号泣するハナのセリフが切ない。
    そうしてそれぞれがドアの外に出たり、自分の部屋に帰ったりしながら自分自身を見つめることになる。

    物語は現実逃避していた人たちが現実を目の前にして、悟り、絶望的になるけれど、それでもやっぱり前に進む事しかできなくて傷つきながらも自分の生きる道を模索していく。という最後は希望も見え隠れする芝居でした。

    個人的にはコバヤカワの「ワニの胃袋に入った話」や「木のアナに住む大きなリスの話」の童話の世界が好きだ。考えたら、これだけでもエンゲキになるんじゃないか、と思う。

    この舞台は評価は割れます。割れる本なのです。
    逃避、現実、破壊、絶望・・・だけれど、うんと哀しくて寂しい物語は時として滑稽でもあるだろうし、時としてささやかな幸福の光も放つかもしれない。



  • 満足度★★★

    私の心音
    「苔の心音」を観て感じたこと・・・
    私という存在は現実の世界に根を下ろして存在している。
    そしてイデオロギーという大河の中で未来に期待を寄せ、過去を懐かしんだりしている自分が居る。
    現代社会には情報を媒介するものが多すぎるくらいあって、そんな中で現代人は受動的体質・・・、もっと過激な表現をするなら洗脳体質にあると言ってもいいくらい主体性を失い掛けている気がする。
    そこから生まれ出る願望は本当の自分が求める欲求なのか・・・
    私は自分の心の中を覗くような気持ちで観ていました。

    作品はまるでピカソを散りばめた様な印象でした。
    冒頭から登場する妖精のセリフはもう少し省略できると思いました。
    第一部の中で伏線的要素を協調するものがもう少しあった方が観やすかったと思います。
    でも、作品の主張は良かったと思います。

  • 満足度★★

    最後までつかみきれず
    なにかわからないうちに2時間が

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