満足度★★★
木目調の温もり
掌、舌など部分的に感覚をなくす奇病(?)が発生した町での物語、未来の寓話風だった初演を身近なものに改訂したとのこと。
その「しびれ」、目を背けたい現実からのプチ逃避であったり、対人関係における無神経ぶり(?)もしくは不器用さであったり、と比喩的なのが独特で、実はかなり耳の痛いネタであるのに綿でくるんだようにじんわり。(「真綿で首を絞めるよう」でもあるか?(笑))
また、音楽が舞台の上手手前に設けられた席でのグランドハープ生演奏で、その音色が温かく包みこむようだったし、装置もダークブラウンが基調の落ち着いたものだったこともあって、アンケートにあった「この芝居または劇団を一言で表せば?」の項目への回答は「木目調の温もり」。
そういえば全体的なトーンに SPIRAL MOON と通ずるものがあるかも?
満足度★★★
ハープはやはり素敵で。
戯曲がいつの頃のものなのかわからないですけど、今回の演出を観た感じではだいぶ以前の作品なのかなあと感じました。今現在普通に起こっておかしくない事件性なので中盤からラストが想像できるわけですが、そこからが重複に感じる台詞が多かった気がします。同じニュアンスの台詞が続き、ねっとりとした演技も続くとなるとメロドラマ風になってしまいがち。よくみると衣装がこまめに何度もチェンジしていて、丁寧さは十分伝わるのですが、ねっとり・・・という印象なので長く感じました。
ハープは豊かな気持ちになる優しい音がやはり素敵で、手の動きを楽しく拝見。左手が低音、右手が高音なんですね。パッパッと音を切る際の手の動きが日本舞踊みたいで優雅。
そしてこの会場の高低差とロビーの広さはかなり気に入りました。今度は問屋街が営業している平日に行きたいものです。
満足度★★
しびれ方もいろいろあるし。
近頃あまり観なくなった雰囲気。それは私が観てないだけなのか、こういう雰囲気の劇作が少なくなったのか、わからないけど。たぶん私は作り手側が狙ったのとは全く違った部分でしびれてました。
満足度★★★★★
至福の時間
せつなく物悲しいストーリーとハープの音色が見事な調和で素敵な時間を紡ぎ上げてくれました。観劇後は芝居が好きで良かったなぁと心が満たされています。しずくまち♭の観劇は2度目ですが,その世界観は美しいです。次回作がとても待ち遠しく思います。