しびれものがたり(第14回劇作家協会新人戯曲賞受賞作品) 公演情報 しびれものがたり(第14回劇作家協会新人戯曲賞受賞作品)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.1
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★

    木目調の温もり
    掌、舌など部分的に感覚をなくす奇病(?)が発生した町での物語、未来の寓話風だった初演を身近なものに改訂したとのこと。
    その「しびれ」、目を背けたい現実からのプチ逃避であったり、対人関係における無神経ぶり(?)もしくは不器用さであったり、と比喩的なのが独特で、実はかなり耳の痛いネタであるのに綿でくるんだようにじんわり。(「真綿で首を絞めるよう」でもあるか?(笑))
    また、音楽が舞台の上手手前に設けられた席でのグランドハープ生演奏で、その音色が温かく包みこむようだったし、装置もダークブラウンが基調の落ち着いたものだったこともあって、アンケートにあった「この芝居または劇団を一言で表せば?」の項目への回答は「木目調の温もり」。
    そういえば全体的なトーンに SPIRAL MOON と通ずるものがあるかも?

  • 満足度★★★

    ハープはやはり素敵で。
    戯曲がいつの頃のものなのかわからないですけど、今回の演出を観た感じではだいぶ以前の作品なのかなあと感じました。今現在普通に起こっておかしくない事件性なので中盤からラストが想像できるわけですが、そこからが重複に感じる台詞が多かった気がします。同じニュアンスの台詞が続き、ねっとりとした演技も続くとなるとメロドラマ風になってしまいがち。よくみると衣装がこまめに何度もチェンジしていて、丁寧さは十分伝わるのですが、ねっとり・・・という印象なので長く感じました。

    ハープは豊かな気持ちになる優しい音がやはり素敵で、手の動きを楽しく拝見。左手が低音、右手が高音なんですね。パッパッと音を切る際の手の動きが日本舞踊みたいで優雅。
    そしてこの会場の高低差とロビーの広さはかなり気に入りました。今度は問屋街が営業している平日に行きたいものです。

  • 満足度★★★

    メロドラマ
    題材はやっぱり面白いです。
    まるきしの再演と思ったら、書き直しがされていて、驚きました。

    ネタバレBOX

    原作がある本などがドラマ化や映画化されると、意見に賛否が分かれるような、そんな少し残念な印象も残りました。

    戯曲を拝見した時は、不思議な感覚を味わう事も出来たので、これの舞台化はどうなるのかと少し期待値を上げてしまっていたので、特に目新しくはない普通の演出に物足りなさすら覚えます。

    初演は近未来のおとぎ話だった作品を評価を受けたにも関わらず、現代版へと改訂した心意気は好感が持てます。

    しかしその現代版が仇となったというか、この劇団の役者の皆さんはどちらかと言うと濃いめの芝居だったので、昼ドラチックな完成形になったなという後味になりました。

    近未来など、少し異次元の世界観の方が団体としても、魅力的に見えるのではないでしょうか。


    ロープで縛り付けるシーンの手際の良さと人々が感覚を読み取る為に繋がるシーンは、良かったです。

  • 満足度★★

    しびれ方もいろいろあるし。
    近頃あまり観なくなった雰囲気。それは私が観てないだけなのか、こういう雰囲気の劇作が少なくなったのか、わからないけど。たぶん私は作り手側が狙ったのとは全く違った部分でしびれてました。

    ネタバレBOX

    初演は観ていませんが、皆さんが書かれているとおりリアルさをもたせるために書き直したことが裏目に出たんではないかと思える、しらじらしさ。それでも脚本の持つ世界観はしっとりとよかったんですが。

    どうにも演出が私にはなじみませんでした。
    簡単に言えば古いってことなんでしょうか。
    お芝居って言うのはお客さんにお尻を向けちゃいけません。台詞はちゃんとお客さんに向かって聞こえるように言いましょう。ってな感じです。
    途中まで、うわぁって思ってましたが、突き抜けてしまうとどこからどこまで東海テレビ制作のお昼のドラマ。もしくは青春の青臭さを抜いた大映ドラマ。

    こう思えてしまうとすばらしいハープの音色も、違った色合い。ある意味とてつもなくぴったりでした。
  • 満足度★★★★★

    至福の時間
    せつなく物悲しいストーリーとハープの音色が見事な調和で素敵な時間を紡ぎ上げてくれました。観劇後は芝居が好きで良かったなぁと心が満たされています。しずくまち♭の観劇は2度目ですが,その世界観は美しいです。次回作がとても待ち遠しく思います。

  • 満足度★★★★

    再演
    と思っていたほうが宜しいかと。
    戯曲の内容はあまり変化がないです。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    ハーブの奏でる中、芝居は前作同様、夫婦の会話から始まりますが、前作品と、大まかな筋は変わってないです。
    強いていうならファンタジーさがなくなって現代的、つまりより一層現実的になってしまった事。

    そもそも、中山のどんな脚本が好きか?と問われたら、現実からかけ離れたどこか遠い星を思わせる郷愁さや悲哀さであり、セリフで吐かれる象徴的な意味を持った言葉は、その意味が強いほど反動で反対側の意味に傾くという、心からシビレル幻想めいた本にあったわけだよね。

    今回の作品は著名な評論家の方たちのアドバイスによってより現実的に塗り換えたようだけれど、個人的にはその塗り替えた部分がむしろ仇となったような気がする。

    だから、ワタクシは前作のちょっと謎めいたファンタジーのほうがとても気に入っている。悲しいロボットが黒いマントを被ってメモを渡すあのシーンや、ぎこちなくギシギシ・・カクカク・・ギシギシ・・カクカク・・とまるで油の切れたゼンマイ仕掛けのロボットが最後の力を振り絞って死んでいく様は、なんといっても脳裏に焼きついて離れないのである。

    それでも初見の方にはお勧めしたい作品だ。前作を観ていなければ比較する対象がない為、むしろ音楽と物語に酔えるかもしれない。


  • 満足度★★

    はずされました
    戯曲を読んでました。
    独創的な話だったので、それに生演奏が加わるとどんな風になるのか期待していたのですが、、。


    ネタバレBOX


    役者の演技力にムラがありすぎるとか、演出が驚くほど古いとか、不満はいろいろあるものの、最たるものは、ひどい形に戯曲が改変されていたこと。
    それ削っちゃいかんだろうというものが削られ、複雑な人物造形は単純化され。。

    ニューバージョンというのは知っていたのですが、、元の作品を下敷きに別人が書いたんじゃないの?というくらい、違う味わいでした。

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