新釈 ヴェニスの呆人 2009 公演情報 新釈 ヴェニスの呆人 2009」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-16件 / 16件中
  • 満足度★★★★

    スキゾ型あるいは点的思考演劇
    一言で表現すればスキゾ型(対義語は「パラノ型」)あるいは点的思考(対義語は「線的思考」」)演劇、視点がコロコロ変わるというか刻々と対象や表現が変化してゆく様は、あるテーマについて話していながらもある言葉をキッカケに「そういえば…」と方向が変わりなかなか本題に戻らないσ(^-^) にも似て…(爆) こまつ主宰ってば、もしやB型?(笑)
    ある女性が刑事を招き入れる場面をプロローグに、以降女性が語る内容が舞台で演じられる…というのはノーマルな(笑)スタイルながら、本作の場合はその演じられる内容に刑事がツッコミを入れたり、女性が演技指導をしたりというメタフィクション、しかもそれがほぼ全編にわたっているというのが実験的。
    また、こういうスタイルが長く続くとアクが強すぎると感じそうなところ、85分程度にとどめたのもちょうど良い感じか?
    で、終幕直前、開幕時(ってか開場時)から舞台前面で客席と舞台を隔てていた目の粗い「網」が落とされて、登場人物全員がこちらを向いた時には舞台から風が吹いてきたような感覚にとらわれ、急に当事者意識に目覚める。(笑)
    これって、公開収録とかドキュメンタリーの取材を野次馬気分で観ていたら、突然マイク(とカメラ)を向けられて「アナタはどう思いますか?」と振られた状況に似ているかも?う~ん、ヤられたぁ!
    序盤のシーンでボールが転がり出ないように設置したのかと思っていたら、もっと深い意味があったのね。
    そういえば前説も前説らしからぬ寸劇で、そういうところも最近少なくはないものの、ここまで前説らしからぬものはないぞ、みたいな。

  • 満足度★★★

    難面白いといいますか
    付いて行くので精一杯。

  • 満足度★★★★

    やっぱり
    コマツの役者は凄い。生々しさと演劇らしさの間を行き来する演出も見事。

  • 思いのほか真面目。
    もう一度観れば星が増えそうな芝居だなあと開始早々思う。呑気にサラリと楽しむものの、もっと深く時間をかけて凝視すれば違う感覚も覗けた気がして・・・・演出云々より、役者の演技がいいなあってそっちに意識を集中してしまった。コマツの役者の新しい一面を見て驚く。
    今回の注目の一つは近藤美月さんがコマツの中でどうなるのかという点。ドリルチョコレート(MCRの企画の一つ)で川島さんとカップルを演じている雰囲気そのままに、顔だけでエロスを出せる近藤さんは人間に化けた奇っ怪なキツネ、でやはり面白い。あの顔立ちで甲高い声であればパー子さんになるところだけどそうはならず。男女の抱き合うシーンでは下からライトが綺麗だった。
    噂のネット。始めのうちはボールの投げ合いがあるのであっても良いけど外すとしたら、こまつさんが台本読み始める辺りからかな。あそこから他人の領域に土足で踏み込んでくる感じがあったので。新しいものを観た感じ。星四つに近いくらいで。
    にしても、アゴラは体育座りに近いのでお尻にきますなー。

  • 満足度

    コマツ企画
    は初めて観た。

    この劇場、なんとなくあまり好きじゃないんですが…。

    うーん。『ヴェニスの商人』と勘違いしていて…『ヴェニスの商人』自体知らないので、こんな感じなのか!と思ってしまいました。

    ネタバレBOX

    芝居は…知り合いが出ていたので観ました。その子はとても素敵な方で、演技も私は好きです。

    でも…全体的に…ちょっと…私には合いませんでした。ちょっと残念。
  • 20090827
    ン、)ノ

  • 満足度★★★★

    ブラックジョークの世界
    とにかく面白い!と思った。
    どいつもこいつも狂人なのだ。どこか少し壊れてる人たちのイカレた物語。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    すんごく気に入ったのはイカレた看護婦。
    医者に患者の症状を説明してる最中に寝る!目を開けたまま寝る!笑
    その安眠を当の本人は気がついてないようで、目を開けたまま鼾をかいてる。
    「お前、今、寝てただろ?」なんつって医者に指摘されると、「いえ、寝ていません。」なんつって、いけしゃあしゃあと涼しい顔でずけりと言い放つ!(大爆笑!)
    この時点から、ああ、この芝居はコメディなんだなっ!と勝手に思い込み、吉田戦車みたいな世界観をホーフツした!(^0^)
    患者から誘われれば「白衣の天使」を隠れ蓑にして誰にでも身体を抱かせるハニー看護婦。
    そんな事をしておきながら医者の前で淡々とパンをカジル情景!笑
    極めつけは医者が「オカシイだろっ!患者にセックスをさせるのはっ!ここは(自分と看護婦を指しながら)夫婦なんだから!」と、言ったセリフにウケル!笑

    母が虐待をしていた太郎の入院から始まったこの物語の真相はどうやら、花子がしていた太郎への虐待だったことがだんだん解ってくる。
    花子は過去に末っ子の次郎の口にティッシュを詰めて窒息死させてしまった事がある。そんな花子は母親から自分が虐待されると思い込み、弟の太郎を殴って怪我をさせることを思いつく。
    母親の意識を太郎の怪我に集中させようとしたのだった。だから、太郎は花子によってしょっちゅう怪我をさせられていて、そんな太郎を脳障害のある子だと判断していた医者と両親。

    しかしある日、太郎は正気に戻る。姉・花子が自分に虐待をしていた事実を花子に告げる。動揺した花子は入院していた太郎共々病院ごと放火してしまう。

    全ては花子の独りよがりの物語だけれど、幼少の花子も大人の花子も根底に渇愛がある。
    愛は地球を救えるのか!笑

    斬新な切り口と登場人物のイカレ具合と滑稽さを充分に堪能したお芝居!

    今回のアフタートークでのこまつは、猫の話と愛の無いセックスの話をしていた。あきらさんの投稿での「オープニングシーンやラストシーンの意味を語りだし・・・・ホワイトボードまで取り出して、10分では語りきれなかったようだ」は今回はなかった。しごく残念!こまつみちるの独特の講義を聴きたかったのだった。笑


  • 満足度★★★

    どこまで妄想なのか
    現実と妄想と回想が入り乱れて解きほぐされてゆく感覚。
    観る人によって、解釈も少しずつ違うんじゃないかな。

    ぼくは舞台に張られたネットもそんなに気にならず。
    むしろ、解き明かされてゆくこの話自体もまた妄想なのでは?
    と、そんな想像を掻き立てられました。

    むしろ超窮屈な最前列、補助席で隣に座られた方の巨大さが
    気になりました‥

  • 満足度★★★

    何だろ?
    ストーリーは進んでいるはずなので、輪廻のような感覚を憶えます。閉鎖されて空間を上手く表現出来ていると思いました。なんか癖になりそうなコマツ作品ですね。

  • 満足度★★★

    ご愛敬とこだわりのバランス
    ストーリーは語り過ぎだけど語れてないというか、処々でお得意のメタっぽさに逃げてしまうのは、今回はあまり効果的でないように感じました。
    それでも面白く観られたのは、演出・出演者の力が大きいと思います。
    力量の差は少し気になりますが…

    ネタバレBOX

    アフタートークは申し開きとか余談の場にしない方が本編を純粋に楽しめていいと思いました。
  • みた
    みてきた

    ネタバレBOX

    今日の pptは
    コマツさんの
    恋愛偏差値高いはなし
  • よくここまで
    しっかりとつきつめられた世界があって、
    それに縛られない創意を感じて。

    よくここまでと瞠目しました。

    ネタバレBOX

    少しずつゆがんだ舞台や
    前方のネット。

    冒頭の違和感が解けて
    しだいに舞台上の意味が浮かぶにつれて
    それらが主宰自ら演じる主人公の
    内心やそれを包む皮膚の如く
    生々しく感じられて。

    他者への偏りに満ちた想いや
    自らの記憶への嫌悪といらだち
    さらには改竄。

    なにかを消し去るシーンや
    登場人物のマスクに加えて
    取り散らかった舞台をかたずけるシーンにまで
    心の揺らぎの、ぞくっとするようなリアルさを感じました。

    役者たちが演じる内心のパートのような部分には
    出現と継続、消滅のそれぞれに切れがあって。

    追い込みきったあと
    客席に向かってのラストシーンに
    息を呑みました。

    コマツ企画の底力をがっつりと感じる
    作品でありました。

    PS:
    アフタートークは
    本編のちょっとしたスピンアウトにも思えて・・・。

    その前フリてきな
    終演後の浦井MCも
    すごく面白かったです。



  • ネットが、
    とにかく駄目で…。
    自分が最前列の席を好むのは、役者を間近に観たいからではなくて、
    遮るもののない空間が好きだからなのだと、あらためて強く、思う。

    ネタバレBOX

    包帯やガーゼに覆われた舞台美術から、白血球や赤血球、あるいは速筋や遅筋が漏れだすかのような雰囲気は、悪くはなかったのだけど…。
  • 満足度★★★★★

    演出が見事!
     全編こまつみちるワールド。シュールな狂気が気持ちいい。次から次へと展開していくシーンは、それぞれの心象風景を断片的に表現し、その断片が積み重なって壮大な物語へつながっていく。

     観ながら久しぶりに芝居に酔っている自分を感じた。しばらくの間、酔いが醒めそうもない。

  • 満足度★★★

    思ったより深そうだ
    PPTのこまつさんの話を聞いてもそのときはなるほどともならなかったが、時間がたってあぁなるほどと感じた。ましてや、見ている最中は、軽く笑ってみているだけでした。

  • 満足度★★★★

    なんだよそれ!?
    台詞がいい、間の感じがとてもいい。
    ダークな中に笑いもあり、意欲的で刺激的ではあった。

    ネタバレBOX

    ダークな話が少しずつ露呈しつつ、実は、そのダークな部分の多くが主人公花子の作り話だった、というのが、台詞からストレートに受け取った内容だ。
    もちろん、最後の刑事の言葉がすべて正しいわけでもなく、どこからどこまでが真実で、どこが作り話なのかはわからず、いくらでも深読みできる話ではある。その感じは悪くない。

    ストーリーよりも、その見せ方がとてもいい。

    主人公が刑事(あるいは観客)に語る、ことの真相は、再現ドラマのように進行する。花子がまるで演劇の演出家のようにそれを取り仕切る。
    花子は、作・演出のこまつさんが演じているので、観客にはその様子がとても面白い。たぶん、実際の演出のつけ方はそうではないのだろうが、いかにも演出家が言いそうな言葉を役者に浴びせる。
    それに対する役者も、ホンネ的な独り言まで仕組まれていてそれも面白いのだ。
    ほんの少しだけ、メタな匂いがする。

    スタートは、わくわく感があったのだが、それからは意外とオーソドックスに思えた。ただし、出来事と出来事、言葉と言葉のリンクのさせ方はとても刺激的。
    オーソドックスと言えば、例えば、ボールを、人間関係を彷彿とさせるような使い方をしていたのだが、ボールをそんなふうに使うのは、あるなあと、冷静に思ってしまったのだ。少なくとも、このアゴラでも1回は観ていると思う。
    幕を落として、観客に向かうという意味付けもどこかで観たような感じがする。

    ただし、とは言え、とにかく楽しい90分だったのは確かだ。

    しかし、しかしなのだ。
    半ば強制的に観客が見せられた(客電が点いて、役者の1人が話し、すぐに始まったし、あの満席の中、出るに出られないし)アフタートークで、こまつさんが、オープニングシーンやラストシーンの意味を語りだしたのには驚いた。「皆さんわかりました?」まで言って。さらに今回の舞台がなぜできたのかまでも語る。なんとホワイトボードまで取り出して、10分では語りきれなかったようだ

    別に観客が、「どんな意味だったんですか」と質問したわけではないのにだ。
    「なんだよそれ!?」と思ってしまった。

    どうして大切なオープニングとラストシーンについて、言葉による説明が必要だったのだろうか。理解に苦しむ。
    観客を信頼していないのか、自身の演出に自身がないのか、不思議だ。
    そんなに観客が信頼できないのならば、観客が理解できるであろうレベルに「落として」演出すべきでは。また、単純に理解してもらえるかどうか自信がない演出方法ならば、変えればいいのではないだろうか。

    と、言うより、どうしても説明がしたかったのならば、今回は「演出する」という体で進むストーリーなのだから、せめて例えば、「ここのシーンはこういう意味だから」と花子に劇中で言わせたほうがよほどスマートで面白かったと思うのだが。

    今、舞台で起こったことがすべてで、その説明は本来必要ないと思うのだが。もちろん、アフタートークも芝居の中のひとつの内容であるのならば別なのだが(まさか? そんなはずはないと思うのだが)。
    作・演出・主演やってるんだし、言いたいことはすべて舞台の上で済ませるべきでは。

    とにかく、事実はどうあれ、私にとっては、このアフタートークの10分で舞台の90分が台無しなったような気がする。

    木の箱に薄いクッション1枚だけで、限界に近いほどお尻が痛かったにもかかわらず、「面白かったなあ」と思った気持ちを、萎えさせてさせてしまったアフタートークだった。

    アフタートークとお尻の痛さも込みだったら、星の数は2つぐらいになる。

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