満足度★★★★
スキゾ型あるいは点的思考演劇
一言で表現すればスキゾ型(対義語は「パラノ型」)あるいは点的思考(対義語は「線的思考」」)演劇、視点がコロコロ変わるというか刻々と対象や表現が変化してゆく様は、あるテーマについて話していながらもある言葉をキッカケに「そういえば…」と方向が変わりなかなか本題に戻らないσ(^-^) にも似て…(爆) こまつ主宰ってば、もしやB型?(笑)
ある女性が刑事を招き入れる場面をプロローグに、以降女性が語る内容が舞台で演じられる…というのはノーマルな(笑)スタイルながら、本作の場合はその演じられる内容に刑事がツッコミを入れたり、女性が演技指導をしたりというメタフィクション、しかもそれがほぼ全編にわたっているというのが実験的。
また、こういうスタイルが長く続くとアクが強すぎると感じそうなところ、85分程度にとどめたのもちょうど良い感じか?
で、終幕直前、開幕時(ってか開場時)から舞台前面で客席と舞台を隔てていた目の粗い「網」が落とされて、登場人物全員がこちらを向いた時には舞台から風が吹いてきたような感覚にとらわれ、急に当事者意識に目覚める。(笑)
これって、公開収録とかドキュメンタリーの取材を野次馬気分で観ていたら、突然マイク(とカメラ)を向けられて「アナタはどう思いますか?」と振られた状況に似ているかも?う~ん、ヤられたぁ!
序盤のシーンでボールが転がり出ないように設置したのかと思っていたら、もっと深い意味があったのね。
そういえば前説も前説らしからぬ寸劇で、そういうところも最近少なくはないものの、ここまで前説らしからぬものはないぞ、みたいな。