満足度★★★★★
陰翳の見事さに息をのむ
観る者のイメージを膨らませる、いろいろな仕掛け(棒一本でいろいろなものをイメージさせたり、原作のテキストを映像で見せるなどの演出)が次々と現れる。
しかし、それがテンポの良さと相まって散漫にならず、しっとりとした印象さえ受ける演出は見事だ。
思ったよりも少人数の出演者が、ひとつになって舞台を作り上げているという様子にも感動した。
また、この舞台を日本語がわからない方が演出しているというのにも驚いた。
満足度★★★★★
光。
初・舞台春琴でした。過去に物語は消化してからの観劇なので、内容を追うストレスなくステージ上で動く人々を楽しく拝見。煙のように物が移動する様は水の上にいるようでした。
初めてこの物語に触れた時は号泣しましたが今はマゾヒズムの面白さを楽しんでいます。何も知らずに行ったなら、後半おいおい泣いたことでしょう。笑いの要素があったのが意外でした。
私は佐助が好きで、これをチョウソンハさんがやると聞いた日にゃ、この役を日本人が演じる場合に彼を超えられるんだろうかと恐怖しました。体いっぱいの佐助がそこにいました。
深津さんはご自身の容姿に甘えることなく努力してきた方だと思う。人柄に才能と努力が重なった時、大きな光になるんだなあ・・・動いているものが何もかも素晴らしかった。
余談ですが、これから映画も観てみたいと興味のおありの方は、京マチ子、山本富士子も美しいですが、72年「讃歌」を個人的にお勧めです。耽美な世界とマゾヒズムが一番強い作品に思います。
満足度★★★★★
改めて感心
自分が世界一好きな演出家。昨年も観てぶっちぎり年間ナンバーワンだったので今年も足を運びました。昨年より全体的にコミカルと言うかわかりやすく演出されていたように思いましたが、相変わらず「陰翳」の見せ方、身体性へのこだわり、発想のシャープさ、美し過ぎる空間の印象、描いているものの秘めやかさ、奥深さ、その表現の慎ましやかさ。こういう演劇をやりたいものです。
満足度★★★★★
嬉しい再演
昨年も観劇した「春琴」の嬉しい再演。
サイモン・マクバーニーという演出家の存在が大きい舞台。
でも実際はWSを繰り返す事で作り上げた作品ということだから、役者さんたちの演劇に対する真摯な姿勢と、それを引き出して方向付けた演出家の技量にやはり舌を巻いてしまいます。
谷崎潤一郎の作品を日本人以上に読み解いて立体化した事に、日本人としては嫉妬してしまうのでした。。。
演劇関係者はぜひ見てほしい作品です。
満足度★★★★
ほぉ去年とは違うね
昨年2回観ていますけど
今年はさらに違っていますね
個人的には去年の2回目のほうが
良かったけれど、
今年の演出もあり、問題はないよね。
ただ、3回目ともなると
全体的な新鮮味はないなぁ。
そう、今年は3階席まで立ち見が出てたな。
満足度★★★★★
はじめての体験
演出がとても興味深いものでした。今まで見たことがない演出でした。友達にお薦めされて見に行ったのですが、あれで2000円(3階立ち見でしたが)なら十分に満足できます。
あまり詳しくないので分からないのですが、演劇芸術としての評価は高いのではないでしょうか?と思いました。
なので、娯楽として見に行くにはあまりお薦めできないかもしれないです。
満足度★
がさつ
1階だったら印象が少しは違うかもですが。
照明とそれでできる影には多少気をつかってるぽいけれども視覚刺激にしろ聴覚刺激にしろやたら演出がうるさい。みなさん平気なのですね。がさつすぎるわマッチョすぎるわでなんでもっとそーっとできないのかなあと残念な気持ちになった。最初は見た目のおもしろさで何かあるかもと思ったけど役者の身体性への意識の無さがぽろぽろ出始めて途中で萎えちった。
ところで関西弁がみんな上手やったでー。三味線の人すごすぎ。そういったサポートの人の仕事がすごく丁寧なんだろうなあ。それに比べてマクバーニーちょっとださいぞ頑張れ。あんなラスト恥ずかしくて誰もやらないぞー。鼓ぽんっ!って誰か止めてやれよ。でも谷崎読みたくなるね確実に。本読んだり三味線の演奏聴いたほうがねーみたいな。
満足度★★★★★
やはりこの舞台の独特の世界観はすごい!
たぶん、キャストもほぼ前回と同じ
(春琴の若い頃の役の人代わった?初演の時はもっと小柄な人だったようなー?)
演出も細かいところは変わっているようだが、ほぼ前回と同様。
(その辺結構記憶があいまい)
初演を観た時のようなインパクトはなかったが、
やはりこの舞台の独特の世界観はすごいなあ。
深津さんもぶっ飛んだ演技もすごい。
でも、この舞台によく溶け込んでいる。
上演時間自体は2時間弱だが
もっと長く感じる重厚な物語だ。
初演の時はただただ圧倒されたが
今回は見ていて(割と席も良かった分)、細かい部分も気になった。
まず、上記の春琴の(操られている)若い
頃の役の人が
深津さんよりひと回り大柄な人だったこと。この点が観てて気になった。
役者さんが後半で鼓をたたくシーンがあったが
もっときれいに音が出るといいのに思った。
初演の時の評判や公演期間も短いこともあり
前売りは完売、当日の立ち見も50人近くいて驚いた!
満足度★★★
なぜ、今、
原作はずっと前に読んでいました。
映像化されたり、パクられたりした手垢まみれの作品で、かつ、さほど緩急に富んだ物語とも思えないので、この評判の高さはなんだという気持ちで舞台を見つめました。
綺麗でした。
斬新でした。
想像の枠をはみ出してくれた場面もありました。
しかし今なぜ春琴抄なのか分からず、読書による脳内イメージを揺さぶり続けてくれたかと言えば、物足りなかったのでした。
広く勧められる作品というわけではないと思いました。
満足度★★★★
春琴を堪能
先に小説を読んでいたのですが、その世界があまり壊されず、かといって斬新な部分もあり。
ああいった形で春琴抄の世界が再現されるとは思わず魅入ってしまいました。
人形と人との関係がおもしろい。
舞台空間の使い方など、とても楽しめました。
この芝居にはたくさんの日本美がつまっていました。
満足度★★★
闇に浮かぶ美しいもの
日本文化に対する西洋人の憧れ、というもののわかりやすい形ではあるかもしれない。
しかし、それはもちろん私たち日本人も憧れるものでもある。
満足度★★★★
熟成
初演に続けて2度目の観劇
出演者の皆さんも大分こなれていて
まろやかに分かりやすくなっていた感じ
その分、谷崎文学に肩を借りた冗長さが失われていて
ちょっと残念
日本人には作りえない、日本様式美を堪能