春琴 公演情報 世田谷パブリックシアター「春琴」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    嬉しい再演
    昨年も観劇した「春琴」の嬉しい再演。

    サイモン・マクバーニーという演出家の存在が大きい舞台。
    でも実際はWSを繰り返す事で作り上げた作品ということだから、役者さんたちの演劇に対する真摯な姿勢と、それを引き出して方向付けた演出家の技量にやはり舌を巻いてしまいます。

    谷崎潤一郎の作品を日本人以上に読み解いて立体化した事に、日本人としては嫉妬してしまうのでした。。。

    演劇関係者はぜひ見てほしい作品です。

    ネタバレBOX

    キャストは一部入れ替わっているけど、見た印象としては昨年の初演時と大きな差はありませんでした。
    でも、何度見ても見入ってしまう不思議な世界。

    ほぼラジオの収録という形式でひとり語りでストーリーが語られてゆき、でも役者たちは舞台上から姿を消すことはなく、常に忙しなく動き回って舞台のワンシーン、ワンシーンを作り出してゆく。

    あるときは小道具を運んでセットして、あるときはエキストラとして、ある時は背景のセットの一部として。
    個が消されてひとつのイメージを作ることに全員が集中力を発揮してシーンを作ってゆく。
    慌しく周りでセッティングのために他の役者たちが動き回っているのだけど、そのシーンが出来上がるとまるで魔法のように、元々そこにあったかのように別の世界が立ち上がる。
    その切り返しの技術が素晴らしいです。
    白い棒を使ってスピーディーに部屋を再現してゆくのは、本当に生きて立ち上がってくるようでした。

    若い佐助のチョウソンハさんと幼い春琴(人形)のやり取りが凄く印象的でした。
    そしてあの光の中に出演者たちが進んでいくと最後に三味線が破壊されるラスト。

    演劇を見ていて良かった、と思わせてくれる作品です。
    何回でも再演してください。
    何回でも見にいきます!

    0

    2009/03/16 11:21

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大