農園ぱらだいす 公演情報 農園ぱらだいす」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
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  • 満足度★★★★

    昨年知ったばかりの匂組の2作目は、配信で見た。
    前作は大逆事件で処刑される事となる女性を扱ったドラマであったが、今回は現代劇。女性目線のより濃い出戻り女性の集うある関東圏の農村でのお話。「アマゾネス」と自らを喩える台詞があり、傷を持つ者同士の健気な連帯の世界観もみえるが、その彼女らも若いイケメンの芸大建築学者が「都市近郊家屋の研究」と称して物件巡りに訪れるや一様に目の色を変えるという(女性目線的には)「自虐」表現もあり。
    台詞が危うく感じたのは台本の上りが遅かったのか、千秋楽に映像配信で固くなったか。確かに説明的なくだりの多い台本ではあったが、瑕疵を拭って余る清々しい劇であった。

    ネタバレBOX

    ドラマの軸は、ネギ作りで成果を上げる(農村では稀少な)30代後半の男性と、夫を亡くした母の元に戻った会社勤務の「行き後れ」(男性と高校時代の同級生)の二人の恋愛?である。二人を取り巻く状況や人物との絡みが微妙に効いている。また東京直通の電車が通った最近の交通事情もリアルに反映されていたり、映画好きの女性(高校時代の部活は映画部)は夢遂げて映画会社に勤めるも事務部署では意味があるのかと揺らいでいたり、大半が高齢者の村人は二人を村の行事(祭礼)の準備係と巫女役にあてがい、結ばせて村に定着させようとしているといった噂等、珍しくもない話が折り重なり「乗っかれる」素地を作る。終始物分かりよい「聞き役」だった女性が最後にむきになる場面が、リアルの図を完成させる最後のピースとなる。女性は高校時代から実はこの男性に惹かれているが別の同級生を好いている、だから(その相手は既婚)独身を通している位に思っている。その既婚女性は明るく社交的で男も味方にする、その手管を作者は開陳してもいるが、種を明かせば男
    性はわが主人公たる女性を思う人なのであった。この男性が本腰を入れてアプローチを掛けようしたその時、30代後半のこの女性はそれを敏感に感じ取り、馬鹿じゃないのと拒絶し何故か捲し立てる。ここには社会経験のある女性の色恋沙汰に浮かれる愚かさへの実感や、プライドや、孤独や破綻に耐えた半生を安易に慰撫される事への拒絶等々が滲み、唖然とする周囲の者らの反応とは別に観客は裏の表情を見てとる。その後のゆったりとした二人の会話のシーンで幕は閉じるが、アラフォーらしい距離感の台詞もうまい。
  • 実演鑑賞

    橋田壽賀子調の物語背景を分担説明しあう会話劇。好きな女優さんが出てたら見入ってられる芝居。

    登場人物の妊婦さん、女性たち中心の芝居であのお腹の大きさに意見した人はいなかったのか。
    あのお腹に違和感を持つか優しく観れるかがこの芝居を観る分岐点だと思いました。

    当日パンフに描かれたイラストの女性は8人、登場女性は9人、料理人の指摘で後からレシピに書き足された人物がいたのか。それとタイトル名、ネギ生産者の青年が一人出てきたが、何が農園パラダイスだったんだろ。

    か、か、か。疑問しか残らない悶々ともしない舞台観劇が続く。観終わった後の虚しさというか、あきらめ感というか。いつの間にかコロナ渦に浸ってる自分の心の問題なんだろか。

    ネリって発音の名前、10年ぶりくらいに聞いて個人的に懐かしかった。

  • 満足度★★★★

    なるほど、女の園は彼女たちにとってこの上なく心地いい場所で「パラダイス」そのものだ。ただ、パラダイスであるが故、物語に波乱もなく観る者には少々物足りない感もある。逆に互いに惹かれあいながら素直になれない男女の心の機微は、この平凡な日常の中で見事に際立っている。

  • 満足度★★★★

    公演は主に観(魅)せる面と登場人物、特に女性たちの揺れる心情、そして力強く生きる面、そんな二面を描いた物語。そして何よりも、今の社会(生活)を映し出すドキュメンタリー的な描き方だと思えた。
    舞台は東京近郊にある農村の家…何となく立松和平の小説「遠雷」(映画化もされた)を想像したが、そこまでの土着性はない。どちらかと言えば、副題にある~愛しのアマゾネス~の方がピッタリだ。
    ジェンダーと言うには少し大げさかもしれないが、離婚した女性や何となく婚期?のタイミングを逸した女性に対する社会的偏見が垣間見える。
    コロナ禍という状況にあって、やはり”生で観劇”できるのは嬉しいし、楽しませたい、そんな思いが伝わる好公演だ。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは中央奥に板塀のようなものが立ち帽子等の小物が吊るされている。その前に横長テーブル、上手・下手側に農家らしい幟やダンボールが置かれている。ここは主人公・川村園子(清水優華サン)が住んでいる家の離れ、そこで明日行われる地元祭りの準備をしている。彼女は、独身女性がこの集落にいないことから、30代後半になっても巫女をやらせられると愚痴る。大きな出来事はなく、祭り前日の1日を淡々と紡いでいく。そこに集落の住人や離婚等をして故郷に戻ってきた園子の友人との語らいを通して女性ならではの悩みや問題をコミカルに描く。

    当日パンフによれば、舞台になった集落は特定の場所ではないが、東京都心への通勤圏内を設定しているらしい。都内で働きたいという願望と何か困った事があったら実家や周りの人々に助けてもらえるという安心感。そうした背景に、登場人物の置かれた立場や状況を子供の小学校受験や園子が勤めている会社での処遇(お局様扱い=扱い難い)などを絡め悲哀を込めて点描していく。また園子と小中高校の同級生だった大沢水木(大木明サン)との不器用でぎこちない愛情表現を微笑ましく挿入する。全体的に女性の視点を通して個人情況と社会状況を上手く融合させ、日常生活を通して社会批判が垣間見えるようだ。

    自分が1番印象に残ったのは、園子の隣家の娘・原田葉子(金井由紀サン)が妊娠して、帰郷してきたシーン。家を飛び出したために実家に戻り難い状況、一方、本人は妊娠し不安な状態。その気持を察し、園子の母が父親がいなくても集落全体で生まれてきた赤ん坊を育てると力強く言ったこと(無責任に発言できないが…)。東京には東京の利便性や華やかさがあり、その近郊には地元を愛し、困った時には助け合うという共同体の良さもある。物語はそのどちらも語り、職・住接近の良さが見えてくる。もしかしたら新しい生活様式を意識したか?

    当日パンフで演出家の鈴木アツト氏が劇作と演出を料理に喩えると、「レシピ」と「料理」の関係 と書いている。キャストを個性的な野菜と表現している。その野菜たちは実に生き活き(歌も歌い)と生活感を溢れさせ、その体現力をもって祭り前日を味わい深いものにしていた。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2020/10/16 (金) 19:00

     笑いあり、恋愛要素あり、ドラマあり、急に歌い始めたりと、次に起こる事がすぐには予想できず、面白可笑しかった。
     何気ない日常会話の中に、不倫や浮気、急逝、受験問題、通学問題、離婚問題、それにジェンダー論、人生観、少子化問題など、深刻な問題がさり気なく織り込まれていて感心した。
     物語の中心的な構成要素となる2人の恋愛も、なかなか素直になれなかったり、鈍感であったりと、もどかしさもありつつ、リアルな恋愛って案外こんなものなのかもなぁと思えた。

  • 満足度★★★★

    面白かったです。東京に出ていける距離の田舎(?)を描いた、温かみのある作品でした。田舎ならではの行事、人間関係や、男女間のもどかしさ、悩みや葛藤など、考えさせられる事も多々ありました。心が温かくなる良い舞台でした。

  • 満足度★★★

    この距離感での観劇は久々ということもあり、つい過剰に期待してしまったのが悪かったのか、中盤までは自分でも意外なほどノレず。当パンに書いてあった文章で言うなら、レシピよりは、シェフの仕事との相性なんでしょうけど。

  • 満足度★★★★★

    劇場に入った瞬間に、これは怖いおとぎ話ではないわねと思えるセットでした。
    当日パンフレットに書かれていた「レシピ」と「料理」の話がすごく腑に落ち、終演後にお話しさせていただいてさらに納得しました。
    東京に近いところの農園はぱらだいすになりうるのかもしれないと思えました。地方ではなかなかこうはいかないかも。

  • 満足度★★★★

    日常の何気ない会話なのだが、おもしろくて、吹き出してしまった。
    なにかと言うと、マイクを持ち出して、懐かしい曲を歌う。それがまた、おもしろくて、ゲラゲラ笑ってしまった。
    あたたかい、ほっこりした気分になった。
    田舎に住み、東京のいいところだけ楽しみに行くっていう方法いいかも。両方のいいとこどり。参考になった。
    個人的には、なにか、ええーっていう事件が、真ん中辺で入り、最後は、穏やかに終わると、もっと、おもしろくなったように思う。
    最後に、スタッフと受付の、2人の、女性のかた、ありがとうございました。
    コーヒーの飲み過ぎで、トイレが近く、苦しんでいる私に、親切に、とてもよくしていた
    だきました。本当にありがとうございました。すごーく助かりました。(16日 14:00の回のスタッフさんです。)

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2020/10/15 (木) 19:00

    等身大の味わいのある人間ドラマが展開。女同士の会話が面白い。子供の受験の話をもうちょっとたくさん聞きたかったな。

  • 満足度★★★★

    昭和の香りのするある町のほのぼのした物語でした。

この公演に関するtwitter

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  1. 匂組『農園ぱらだいす』 https://t.co/DYOXRztqeu @YouTubeより 色んな事情を抱えた女性たちが、 実家に戻り、力強く生き抜いていく。 アマゾネスの世界!

    約4年前

  2. 匂組(わぐみ)『農園ぱらだいす〜愛しのアマゾネス』大森匂子、鈴木アツト。東京近郊の農家で祭の準備。園子(清水優華)と秋男(泉正太郎)。各種事情を抱えつつ実家に戻る女たち(本多真弓、中村真季子、廣岡綾、金井由妃)。園子の母(清水ひろ… https://t.co/xPtF3SEtnU

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  3. [番号: CAS25460-27] 劇団匂組 (@c:wagumi2010) さんの「農園ぱらだいす」をキャスマーケットで購入! https://t.co/oh1YkxpO7p

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  4. 駅前劇場にて観劇 『農園ぱらだいす』 https://t.co/pPxnHBecPC

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  5. 今日は劇団匂組 「農園ぱらだいす」を観劇してました!! 下北沢の駅前劇場ですね✨ 女性だらけの所に、男が一人来るだけで大騒ぎ。妊婦さんがいつ来るのか、いつ来るのか、とにかく気になって観てました! ほっこりする場面に心惹かれました。 #農園ぱらだいす

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  6. 続き→ 話題の公演 ~10/18 Yoshiki Yamamoto Solo Mus…/5.0(1) ~10/18 劇団 匂組/農園ぱらだいす/4.5(2) #東京観劇カレンダー

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  7. 今週末は、 『農園ぱらだいす』 『真夏の夜の夢』

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  8. 無事初日あきました。 下北沢駅前劇場 『農園ぱらだいす〜愛しのアマゾネス〜』 明日15日(木)14時〜/19時〜 当日券あります。 劇場でお待ちしております! (客席1/3以下舞台客席間かなりディスタースとってます)

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  9. 【公演間近!】劇団匂組「農園ぱらだいす~愛しのアマゾネス~」10月14日(水)〜@下北沢 駅前劇場 https://t.co/Ll90TdQ628

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  10. 本田真弓【出演舞台】 農園ぱらだいす~愛しのアマゾネス~ 日にち:10月14日(水)~10月18日(日) 会場:下北沢駅前劇場 https://t.co/A1AmrBzxNl お問合せ:劇団匂組 https://t.co/xLBFwwoRcB

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  11. 劇団匂組第7回公演 「農園ぱらだいす~愛しのアマゾネス~」のお知らせ ⇒ https://t.co/ePFezSldsr @ameba_officialより #アメブロ

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  12. 「農園ぱらだいす~愛しのアマゾネス~」 アフタートークのお知らせ ⇒ https://t.co/KW91vuxUjq @ameba_officialより #アメブロ

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  13. 【こりっちチケットプレゼント!10/4(日)〆切(東京)】 劇団 匂組「農園ぱらだいす」10/14(水)~10/18(日)於:駅前劇場 CoRich舞台芸術!: https://t.co/UFkUPDVZBe ※ログインしてご応… https://t.co/oDqRwkxrUE

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  14. 「農園ぱらだいすー愛しのアマゾネス」10月14日から18日 @下北沢 駅前劇場 松田正隆さんのアフタートークの日時が変更になりました! 18日12時回上演後が 17日14時回上演後に 変更になります しかし!! 18日12時回の配… https://t.co/YEOJUrJrLm

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