「4 1/2」　「キッチンドライブ」

劇団子供鉅人（東京都）

公演に携わっているメンバー：9人

団体紹介

子供鉅人はこれまで国内の公演だけにとどまらず、過去二回、ヨーロッパでのツアーを行っています。現地の劇場での公演のほか、ミュージシャンらとライブハウス、サーカステントなどで上演し、幅広い活動展開は劇団にとって大変貴重な体験となりました。その中で我々が特に感じたことは「生活のなかの演劇」です。演劇をみることがまるでパンを食べるように、牛乳を飲むように生活の中に存在できないか？と同時に日々の生活から解放されるファンタジーであることはできないか？この答えは、もちろん容易に見つかるものではありませんし、また実行できるものでもありません。けれども、生まれてから何千年と滅びることなく続いてきた演劇の底力を信じれば可能です。子供鉅人はより多くの人々に演劇の魅力を伝え、将来、演劇を生活になくてはならないものにしてゆこうと考えています。

応募公演への意気込み

※今回の「CoRich舞台芸術まつり！2012春」への参加は「キッチンドライブ」のみとさせて頂いております。


「愛にかまけて愛をなまけた」男と女が住む家に、キッチンドライバーという他人の台所を渡り歩いて生活する人々が現れる・・・劇団の秘密基地、築百年の長屋で上演する超密室劇シリーズの第三弾として０９年に初演され大好評を博した作品「キッチンドライブ」の再演です。本公演の見所は、本物の家の台所を舞台空間として演じられることです。その場に居合わせたような、まるで他人の家の中を覗き見しているような感覚は劇場では味わうことのできない演劇体験を提供します。初演から三年たち、劇団員であるキャストたちが大きく成長した今、新作といってもいいような意気込みで再び挑戦する愛の不条理を描いた物語。１ステージ２０名という小さな空間ながら、大劇場に負けない熱気をお届けします！

将来のビジョン

次回公演「バーニングスキン」は、重度のアトピー性皮膚炎を患う女の子を主人公に展開してゆきます。彼女はハンディキャップを糧に、破壊と暴力の申し子として、家族を、彼女を取り巻く人々を真っ向から否定し、反抗し、破滅の坂道を一気に駆け抜けます。しかし、彼女の暴力が高じるほど、彼女の燃える皮膚（アトピー性皮膚炎）は炎上し、世界はたわめられ、彼女が住みたいと渇望する世界一清潔な場所／砂漠のイメージを呼び込み、やがて劇世界はねじり上げられたカオスとともに彼女の死を吹き出す。「演劇にしかできないスリリングな時間」を試みる本作品は東京で初演（２０１１年）の後、大阪、ブリュッセルと一年かけて巡回したブラッシュアップツアーのファイナル公演（東京／原宿VACANT）となります。