各団体の採点
今までのスローライダーの作風ではない感じで、人間性が非常に強くでた作品でした。初日もあり、最初は間延び感がありましたが、気がつくと作品に引き込まれ、演者の演技力と演出のクオリティーの高さを非常に感じた作品です。再演とのことで、前回の作品は見れていませんが、この作品だけでもかなり出来上がっている作品だと考えます。また、公演日程が長く、見る側にとっても非常にありがたいです。
やはり、演劇は足を運んで見るものだと思います。2次元のTVなどの中でなく3次元での舞台はやはり面白いものです。
脚本・演出ともに素晴らしかったです。怖いって。まじで。
一人で駅まで歩く中で、何度も後ろを振り返ってしまいました。
しっかりしたストーリーならではで、雰囲気とかおどかしとかではない、
本物の人間の中に潜む恐怖を味わいました。
カリスマ研究者の死後、狂信的な弟子たちが本当の「先生」の姿を巡って争う、静かなホラー芝居でした。淡々と自然な対話が交わされていくのは映画のよう。
登場人物一人一人を、レストランで一皿ずつサーブされるお料理をいただくように味わいました。役者さんの演技がきめ細やかです。意外なところから人間の本心がムクムクと出てくるのを、つぶさに観察していくのがとても面白かったです。一言ずつ積み上げられていく会話の意味を探りながら、じっくり楽しんだ2時間弱でした。
じわり、じわりと事件の真相に近づいていくにつれて、「先生」の存在のいかがわしさ、それゆえの偉大さと魅力に納得させられていきました。異常な関係や残酷な行為を知るにつけ、「もっとヤれ!」って言いたくなっちゃうような危険な欲望が自分の中に生まれてきて、ちょっと興奮(笑)。
ただ、グっとお話の中に引き込まれるまでに1時間ぐらいあったのは少々長く感じました。照明は意図的に一定の暗さを保っていたようですが、もっと大胆な変化があっても良いのではないかと思いました。