■詳細
人間はそれぞれが自我を持っています。わたしたちには社交性があり、成長と共に生きるために個性という仮面を持つようになり、処世してゆきます。
このジャック・ルコックの学習の中で初期に学ぶニュートラル・マスクでは、”まだ”言葉を使いません。そして特定のジャンルの演技技術を学ぶのでもありません。
このワークではシンプルに生命そのものに目を向けます。
私たちの創造性-創造したいという欲求-はそこからはじまります。
ニュートラル・マスクは、他のどんなマスクとも違って感情や個性がありません。
過去や未来を持たない、”今ここ”に存在し続ける普遍的なマスクです。
このマスクはつける人間に対して、ニュートラル・中立であることを求めます。だからこそ、このマスクをつけた人間の、そのものを浮き彫りにします。
日常生活の中でも舞台表現でも、常に顔を見る私たちにとって、ニュートラル・マスクの顔からは普遍的だからこそ人間以外の要素を受け取ることができません。
そのため、見ている人は必然的に他の部位=身体を注視するようになります。
身体が何を語っているのかが明瞭に”見る”ことができる。浮かび上がってくるのです。
さらにこのワークでは、演技に入る前の段階である普遍的な詩的感覚も養います。
色や質感、音、光、空間。
これらのエレメントを私たちは感じています。
これらに影響され、私たちは動いている。
感情も、これらに触発されて起こっています。
ただ単にエレメントを分析して、そのものを表現しようとするのではありません。
エレメントを受けとめることで生まれてくる別のもっと素晴らしいものを表出させるのです。
それは分析し理解するのではなく、説明するのでもありません。
あたたかな、でも透明な朝の日差しを浴びて身体の中に生まれるものを、自分のものとして感じるだけではなくそれを外へ‥‥‥
とても抽象的なことのように感じられるかもしれませんが、それは俳優が「アーティスト」ならば、行うべき、根本であると思っています。
俳優の演技はよく“旅”に例えられます。
俳優は観客を旅に連れていく運転手です。
観客は乗り物に乗り、俳優の手によって様々な旅をします。
俳優は、思考や感情、ストーリー、テンション(緊張)などという様々なツールを使って乗り物を運転します。この乗り物の正体は私たちが普遍的に持つ能力、想像力です。
私たちは観客として、自分たちの想像という乗り物に乗り、俳優の創造と共に旅をします。
素晴らしい旅であれば、その道程がどうであれ、充足感と疲労感を、その経験を通して得ることができるでしょう。
私たちはそれを求めて舞台に行くのです。
ニュートラル・マスクは、あなたが俳優として観客にその経験を生み出すための身体を見つける大きな助けとなるでしょう。
自分を知り、”障害”を知る。
感じ、受け入れ、楽しむ。最大限に利用する。
頭で理解するだけではなく、身体で、ぜんぶで知る。
自分の身体がこの世界に物理的に存在し、どんな形をし、どう機能しているのかを学ぶ。
どんな動きをし、どんな可能性を持ち、どう世界と関わっているのかを知ること。
マスクの下で生まれるもの−感情−を知ること。
一緒に旅をしましょう。
なるべく遠くへ。
見たことのない景色を見にいきましょう。
それが旅の醍醐味です。
https://theatreschola.jp/singleWS
■日時
2023. 7/3、7/4、7/5、7/6
9:00〜16:00(昼休憩あり)
■場所
iRego Garage
〒167-0051 東京都杉並区荻窪5丁目29−3
地図:https://goo.gl/maps/1KyHgD6eyk7pdx9o6
■参加費(税込)
¥40,000(現金または銀行振込)
■講師について
安本達也
舞台芸術家。
大阪芸術大学出身。卒業後渡英、East15 Physical Theatreコース卒業。RADA Shakespeare Certificate取得。帰国後はInternational Centre for Theatre ArtsにてAssociate Director及びパフォーマーとして舞台作品を制作。日本をはじめイラン、韓国、香港などでワークショップや公演を行う。Iran International Festival of University Theatreでのパフォーマンス「UNtitled」では”最も優れた演出家のひとり”と賞賛された。コンタクトインプロ(CI)についての造詣も深く、各国でワークショップを開く。Kaeja Elevations®認定講師。CI歴は10年以上。舞台作品は、パペットやマスク、ダンスなどストーリーにあった手法を用いた型にはまらないものであることが多い。2023年度より現代アートとしての新しい舞台芸術の可能性を育むため、演劇の学校|シアタースコラを開校。同校の代表を務める。CIを起点としたパフォーマンスと教育を行う団体、ParaCollageを2023年に設立。
https://tatsuyayasumoto.net/about
■キャンセルポリシー
自己都合によるキャンセルの場合、以下の支払いが発生します。ご注意ください。
・開催1ヶ月前のキャンセルは無料
・開催2週間前のキャンセルは50%
・開催1週間前のキャンセルは全額
*コロナによるキャンセルの場合は、1週間前であってもご相談ください。
【ハラスメント防止のための取り組み】
人権について
シアタースコラでは全ての関係者(講師、生徒、運営者など)の人種、国籍、言語、宗教、思想、出自、性別、病歴、身体及び行動的特徴において平等であるとするとともに、個々の人権を最優先に尊重します。
また学内において如何なる人権の侵害を許すものではなく、公明正大な判断のもとどんな些細な問題であっても平等に対処します。これは学内における全ての立場の人間に対し平等に適用されます。
人権の侵害が確認された場合には最優先で対応し、立場の違う複数人からなる審議の基、極力平等な判断・対応を行うよう努めます。
またそれを不服とする者がいる限り、第三者の判断によって一方の明らかな非であると認められる場合を除き、積極的かつ最終的な解決に至るまで努めます。
シアタースコラでは、人権の侵害とは以下を脅かす行為であると考えます:
生命に対する権利、拷問を受けない権利、奴隷状態に置かれない権利、犯罪と定められていないことをしても罰せられない権利、自認性の自由、思想、良心そして宗教を信じる自由(内心の自由)など
また自由にものを考えたり、その考えを表現したりする権利を保証します。
上記原則の基、現在の環境下で特に起こり得易いと想定する事柄について、以下のように行動を規定します。尚、この行動規定は都度適切と思われるものに改定または追加されます。
ハラスメントに係る行動規定
ハラスメントは一般的には、人間関係の優位性や立場を背景に、適切な範囲を超えて、身体的、精神的な苦痛を与えることとされています。その行為が故意か過失かは問われません。
シアタースコラではハラスメントを「他者の心理的安心や身体的安全を害する言動や行動」と定義し、ワークを安心安全で健全に進行する為に、以下のことを大切に進めていきます。
・全員(講師を含む参加者)が相手に対して敬意を持ち、互いの人格を尊重する。対等な立場のコミュニケーションを心がけ人間関係からの切り離し(※1)などが起こらぬよう努めます。
・講師が提供するワークの参加に対して、参加者の自由意志を尊重し、自由な見学や退出を認めます。その際、理由の開示は強制しません。
・全員が身体的接触が必要なワークにおいて優越的な関係を背景とした必要以上の接触、または関係性を問わずプライベートゾーンへの接触は行わない。ただしワークの性質上において過失で触れる場合(※2)を除きます。
・身体的な攻撃(※3)や精神的な攻撃(※4)などの不適切な言動や行動においては、社会通念に照らし合わせ個別に話し合いをし、改善が見られない場合はその問題を起こしている者を除籍とします。この対応は学内全ての関係者(講師、生徒、運営者など)に適応します。この理由によるコース途中の除籍の場合、参加費の返還は行いません(※5)。
・信頼性の客観的な担保として参加者に許可を取った上で、ビデオまたは音声による記録を行います。
・参加者から上記内容や進行に関して意見がある場合は、たとえワーク中であったとしても主催者(安本達也・池田練悟)に伝えて頂ければ最重要問題として速やかに対応します。
直接または下記のメールアドレス宛に相談することが可能です。伝えやすいよう匿名での相談も可能です(※6)。
安本達也 callmetah@gmail.com
池田練悟 ikedarego@gmail.com
※1 仲間外れや無視、故意に情報を伝えないなど
※2 コンタクトインプロのワークで足が相手の臀部に触れた、目を閉じて動くワークにおいて手が相手の胸に触れてしまったなど
※3 客観的に見て明らかな故意の暴力、行為の強制、拘束などによる身体的な行動の制限など
※4 威圧的な態度、脅迫、名誉棄損、侮辱、許可のない秘密の開示、噂話、ひどい暴言、身体的特徴や性的志向及び性自認に対するからかいなど
※5 被害者が途中でやむなくコースへの参加を中止する場合、この限りではありません。
※6 コース参加時にオンラインでの相談フォームをお伝えします。