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カテゴリ:ワークショップ告知 返信(121) 閲覧(7073) 2014/04/01 15:06
4月からレッスンを始めた方の感想をご紹介します。
「今後の課題」(赤木絢)
だんだんと暑い日が増えてきました。
花組 赤木絢です。
先日の稽古では私にとって
伝えたいけど伝わらないもどかしさに葛藤した時間になりました。
家で何回も繰り返している台詞も実際に稽古場では動きや
その時の感情でいっぱいになってしまい、台詞が出なくなってしまう。
言葉に気をつけているようで実際に稽古後レコーダーで聞くと言葉が雑に聞こえる。
稽古で祐一さんに質問されるとハッキリとその場の状態を言えないなど(他は省略)
凄く心、身体が一致していないアンバランスな演技に自分でも感じますし、実際にも見えている。
今、私の中での一つの壁なのかもしれません。
今はとてももどかしい気持ちですが、今後自分の中でどう克服していくかが私の課題。
まだ正直どうすればいいかがまだ答えは全然出来ていませんが
頭だけで考えて悩んで辛い気持ちにならず前向きに向き合いたいと思います。
【祐一からひとこと】
少人数で一人ひとりの演技にたっぷり時間が取れるレッスンの良さは
各人の進行状況、課題に合わせたレッスンが出来ることです。
まだレッスンを始めたばかりの絢さんにも、様子を見ながら
台本、役と向き合うと鏡を見るように分かる自分の個性の感じ方
といった取り組み方についてのアドバイスから、
現在の役作りが進行するに従い、
内面の充実のさせ方、また気持ちはあっても出し方が分からない時の
成立させやすい持っていき方の説明へと移行したりと
毎回のレッスンでの演技内容に合わせてアドバイスの角度というか
方向性を変えるようにしています。
内面について、今までと違うアプローチをしたのも
絢さんの前進ぶりを感じてのことです。
レッスンで伝えたいことはそれこそ山のようにあるのですが、
今ならこの外的なことをアドバイスし、それを意識して違う演技をもう1テイク、
今なら役と自身の内面のズレの消化について話すべき・・・など
レッスンは毎回がレア・ケースで僕自身にとって綱渡り。自分が試されている緊張感が堪りません。
これからもこの方向から、こちらの面からとその場その時に合わせて
臨機応変に伝えていきますね。
僕のレッスンは、伸びしろを感じる方にはもう少し、もう少しと
絶えずちょっと無理なハードルの高さへと変えていくようにしています。
なので、すぐに出来ないのは当然です。自分を責めないでくださいね。
先へ先へと脱皮していきましょう。
ヴォイス&アクターズ道場
http://yuichisato.com/
日本語の仕組み、具体的な基礎、何より単純に「遊ぶ」体感を重ねた時
はっきりと演技が変わる瞬間が訪れます。まるで堅い殻が割れていくようで
その瞬間に立ち会いたくて自分は演技の世界に身を置いているのだといつも感じます。
レッスン生が書いてくれた日記を道場HPからご紹介します。
「お袋離れ」(高橋 岳則)
昨年4月に上京して、文字通りお袋離れしました。
しかし、ノープランで上京した僕は早くも次の一手に迷いました。
そんな時にこの道場を発見しました。
「なんとなく見た事のある方だなあ。」
と見ていくと、文面から演技と指導に対する熱と真面目さが伝わり、
無料体験レッスンの申し込みをすると素早く対応していただけました。
実際にレッスンを見学すると、想像通りに真面目で熱のあるレッスンでした。
なにより1人のレッスン量が多いと思い、とにかく一分一秒でも多く学びたい僕には何よりでした。
こうして、昨年の6月からお世話になり、未知の世界への期待と
不安・どんどん高まる演じる事の楽しさ、そんな思いが詰まった1枚目の月謝袋は、
今月で僕の手から離れて行きました。
2枚目の月謝袋は、どんな思いや経験を詰めて離れて行くのだろう?
「様々な事に挑戦する1年」をテーマに顔晴って行きたいと思います。
【祐一からひとこと】
日記をありがとう。
書いてくれた日記は未編集でアップするのが僕の方針なので、
「そんな風に感じてくれていたんだ。」と嬉しくも照れながら読ませてもらいました。
一年経ちましたね。正直、一年前何も経験がなかった時の岳則さんと今は別人だと思います。
歩みが早かったのももう少し大丈夫、これならもっと飛べる、とレッスンの度に手応えを感じる
食い付きの強さがあったからで、もちろん様子を見ながらではありましたが、
課題を次々クリアしていく毎回のレッスンが楽しみでした。
デビューの舞台も決まり、それもプロフェッショナルな俳優たちの中に飛び込める企画であることも嬉しく思っています。
まだ入り口。伝えたいことが沢山あります。楽しみにしています。
「選ぶ方も怖い」
守秘義務や情報公開に制限があり、
喜びを大きく書けないのがもどかしくもありますが、
映像、広告媒体や舞台など、レッスン受講者のプロとしての仕事が続けて決まり、
大変嬉しく感じるのと同時に以前の自分を振り返って感じ入るものがあります。
僕はずっとオーディションを「受ける」側でこの業界で仕事をしてきました。
現在も現役の俳優としてのそれは変わりませんが、
同時にオーディションに「送り出す」立場、「見る」側にも今はいます。
若い頃はとにかくオーディションが怖くて緊張して、
自分の良いところをなんとか搾り出してでも見せようと躍起になって
結局ガチガチの状態で審査時間を過ごしていたと思います。
冷や汗、失態、後悔、数え切れません。
自分を良く見せようとする意識がまるで透明なベールのように僕自身を覆って、
何の受け答えをしても人間味の薄い、通り一遍の、感情の幅の薄いやり取りのなんと多かったことか。
自分が「見る」側になってしみじみ分かるのは、選ぶ方も怖い、ということです。
昔、ディレクターは3本失敗作を撮ったら進退窮まると現場の現役の何人もの方から云われたことがあります。
制作側の状況はもっと厳しくなっているのが現在の実感です。
オーディションで選んだ人間が、本番でもし良い演技をしてくれなかったら、
それはキャスティングした人間の責任にもなります。
だから選ぶ方も真剣。
オーディション対策のレッスンではこの点を大きく踏まえて、
じゃあどうすれば良いかを一人ずつ検討していきます。
選ぶ側が何を知りたいと思っているのか
何を感じたいと思っているのか
オーディションの帰り道、「もっと出来たかもしれないのに・・・」自己嫌悪するのは避けたい。
自分を盛らず、個性をありのまま見せる。
自分に出来る技術的なことを提示する。
この二つの実行に向けて。
緊張はあっても自分を受け入れるようになるには、
マニュアルをなぞったり、最大公約数をあてがうようなレッスンは不向きです。
各人がレアケース。
僕自身、自分を等身大で出す、そんな自分を認めるようになれるまで随分時間がかかりました。
それは危ういバランスで、媚びる方向と開き直る方向の引っ張り合い。
ちょっとしたことでどちらかに傾きやすいのが「オーディションでのその場の居方」です。
でも自分の緊張との付き合い方、
自分のバランスが崩れそうな時感じるセンサーのポイントなどを知ることにより、自覚することが出来ます。
ヴォイス&アクターズ道場
http://yuichisato.com/
ヴォイス&アクターズ道場HPから
レッスン生の日記とやり取りをご紹介します。
「どこがうまいのか」(牛腸侑志)
お疲れ様です。先日先輩が出演している舞台を観に行きました。
作品は違いますが同じ作家が書いた戯曲を練習しているので参考になると思い観たのですが、
やっぱりレベルの高さに驚きました。
どこがうまいのか、他の人の演技とどこが違うのかなど考えながら観たのですが、
一番感じたのは基礎がしっかりしているということです。
たぶん感情は本を読み込んでいけばだいたいわかってくるものですが、
それの出し方や自分が思っている通りに出す、お客さんに伝えるのに一番必要なのは
発声だったり滑舌だったり声の高低だったり全部基礎的なものなのではと思いました。
身体の動きにもブレとかも全くなく
そこに立っているだけで自分ではなく役として存在していると感じました。
基礎は最近さぼりぎみでしたが、その大事さがわかったような気がします。
【日記へのひとこと】
お客様が観て、「俳優なんて楽な商売だな。子供みたいに感じたまま
泣いたり笑ったり喚いたりしているだけでいいんだから。」
そう思われるのが最高だと思います。
その状態を舞台上でカメラの前でマイクの前で作り出すのに
まさかこんなに修練工夫しているなんて夢にも思われない方が良い。
侑志さんが他者の演技を観て「なんかうまいなぁ」から
「どこがうまいのか」の段階に入ったことを嬉しく感じます。
表現で試行した分出来てきた自分の物差しで、
どこがどうだから私はこの演技を良いと感じるのか、を
言葉にしてください。
それがやがて自分の引き出しに財産になります。
ヴォイス&アクターズ道場
http://yuichisato.com/
毎週複数の芸能案件が来るようになり、
レッスン生で希望者は堅実なマネージメント環境で
オーディションを自由に数多く受けられる現在を嬉しく思います。
と同時に当然出てくる悩み、心から理解出来ます。
道場生日記「書類で何が分かるんだ」(斎藤謙一)
http://yuichisato.com/
「踊る職人」
演技というのはバランスなんだなと毎週感じます。
すごくザックリした言い方になってしまいますが、
演技というのはデジタルでは割り切れない究極のアナログ行為だと
僕は思っていて、演技は、と言うより人間は、
「身体」、「脳みそ」と「心」の三つで構成されていると思います。
演技のバランスは正三角形がベストとは限りません。
アクションやミュージカル系の俳優は、動き(振り)が付いていた方が
台詞や歌詞が出やすい傾向があります。その場合その方にとっては
身体を頂点とした二等辺三角形が演技に有効と言えます。
どの辺が長い方が演技していて自分のイメージに近づきやすいか、
演っている時は無我夢中で良いのですが、演じた感覚が残っているうちに
自分の傾向を振り返る習慣は大事です。
それが自分という楽器の使い方を知ることに繋がるからです。
先日ある演技派、憑依型と呼ばれる女優さんのインタビューで、
「演技していて楽しいと感じるのは一年に一回あるかないか。
いつも一つ先の台詞をイメージ通りに言えるか、動きにクセが出ず
ナチュラルに動けているか。ちょっと先ちょっと先の自分をコントロールして
演技を置いていくことに精一杯。」
という意味の発言があり、僕は大変驚きました。
丁度その舞台を劇場の最前列で観ていたのですが、
全公演ソールドアウトも頷ける充実の舞台で、
全観客が求めているであろう「何かに取り付かれたような」演技で観客を魅了した、
心、脳みそ、身体の三角形なら心の辺が圧倒的に長い三角形で
演技しているとしか思えないその女優さんの口から
まさに、「私は脳みそ主体で演技をしている。」発言が出たことが僕には大変に意外でした。
憑依型、霊媒師のように自分の身体に役の魂を宿らせて演じるような演技が常の評価の方だったからです。
でも思い直しました。
一つひとつ、瞬間瞬間の演技の要素を丁寧に、イメージに忠実に置いていっているからこそ、
結果的に俯瞰で観た時に、何かに取り付かれたような、乗り移ったような憑依型の演技に観えるのではないか・・・
毎公演、そしてどの作品でもそういう印象を残せるのではないか・・・
本当に自分の「心」に自分が熱中していっぱいいっぱいになってしまうと
案外、お客様に伝わるものは薄味になりがちです。
ましてや、気持ち先行の演技は、回ごとの演技の出来が安定しないことが多いです。
本人はどこか冷静な自分がいて、レシピに忠実に瞬間瞬間を丁寧に仕事をしていっているからこそ、
結果的に激情に駆られて役の時間を生きているように観える。
演技者が気持ち良くなり過ぎないからこそ演技成果が充実してくる。
僕自身、役の気持ちと自分の心がほぼ合致した気がして、今夜の本番は良かったんじゃないかと思った時、
演出家から「もっと距離を取り客観視して演じなければダメだ。」ときついダメをもらったことを思い出します。
逆に演じていて陶酔感が全くなくて、仕方なく一個一個の台詞や動きを忠実に、丁寧に置いていくことに専念して
何とか乗りきった本番後、自己嫌悪に肩を落として戻った楽屋で、
滅多に誉めることはない演出家から「今日は良かった。」と云われ、呆然とした記憶も去来します。
弾けていながらも抑制する難しさ。
まるで職人が持てる技術を駆使しながらも傍目には心のまま踊っているかに見えるような・・・・・
演技者にとってバランスは永遠のテーマです。
バランスを取る手助けが出来るコーチでいたいといつも考えています。
ヴォイス&アクターズ道場
http://yuichisato.com/
最初に勇気を出して「演技する」戸を叩いてくれたことにどう責任を取れるか、
自分が誰にも相談出来ず震えていた頃を忘れません。
少人数制だからこそ出来ることを書き出しました。
この内容を求める方に向き合っていきたいです。
ヴォイス&アクターズ道場HP
http://yuichisato.com/
に書き込んでくれたレッスン生の日記を紹介します。
「1ヶ月が経って」(奥山由貴)
おはようございます。
はじめて道場日誌を書かせていただきます、奥山です。
こちらに通い始めて1ヶ月が経ちました。
いつも緊張しっぱなしですが、道場の方々が優しくて楽しい方ばかりで毎週通うのが楽しいです。
通い始めてびっくりしたのは、シーンスタディで前に立つと覚えたはずのセリフが出てこなかったり、
指摘してもらったことをやろうとすると前はできていたはずのことができなくなることです。
ひとつのことをやろうとすると他がうまくいかなくて、難しいなぁと思います。
ああいうふうにできたらと考える理想はたくさんあり、
新しいことを知るたびに増えていくように感じます。
その理想に少しでも近づけるようもっとたくさんのことを知りたい、
自分を磨きたいと思えた1ヶ月でした。
これからもよろしくお願いします。
【祐一からひとこと】
初日記をありがとう。1ヶ月経ちましたね、緊張のひと月だったと思います。
誰でもはじめは初心者。知らない世界の新しいドアを開けるのはさぞ勇気が要ったと思います。
思いきって飛び込んでくれた方に期待以上のものをお返ししたい、それはいつも感じていることですが、
扉を開く、それだけはご本人にしか出来ないことなので、
自分が演技の世界に飛び込んだ時の怖さをいつまでも忘れないでいたいと切に思います。
道場ではその方の進行状況に合わせて、もうちょっと、もうちょっとと出来る無理をさせるようにしています。
手からこぼれてしまったら、持てる量を調整してやり直し。
各人に合わせた対応が出来るのが少人数制レッスンの最大のメリットだからです。
覚えたはずの台詞が出てこない、演技を改善しても意に反してまた戻ってしまう・・・
書いてくれたそれらはもちろんですし、毎回の音声ブースでのアフレコ実習でも
手に台本を持ってアフレコをしているのに、こんなに緊張するとは
実際ご自分がやってみるまでは実感出来なかったでしょう?
(当たり前の話しだけど)人は経験ないことを人前で上手くは普通出来ません。
アフレコ一つ取っても、こうしたい理想はあるのに、自分がイメージに追いつけない・・・
その悔しさを毎回何度も体験してください。
その都度、僕からここがこういう理由で上手くいかなかったのでは、
これが原因でタイミングがずれて感情の高ぶりが逃げたのではと言語化していきます。
自分の理想(こういう自分でいたい、こういう演技がしたい)が
悔しさに隠されて分からなくなったらその時も、由貴さん自身が上手く言えない
「なんか上手くいかない。」の「なんか」の部分を具体化していく手助けを
レッスンで沢山していきたいです。
相手役のいる個人レッスン。
僕が自分のレッスンをそう名付けたく感じている、それが理由だからです。
ヴォイス&アクターズ道場HPより
演技レッスンを始めて初めての夏を越えたメンバーの日記をご紹介します。
演技中の腑に落ちなさ、気持ち悪さを言葉にして、今度はここを次はここをと
具体的な変化を体感していくうち、絡まった糸が一気にほどけるように感情表現が
開放される瞬間がやってきます。それに立ち会えるのは演技コーチ冥利です。
「大人な演技」(和気龍太郎)
はじめまして
夢組 和気龍太郎です。
入門して初めての秋という時期になりました。
入門当初と入門後、なにか少しでも変化があったのだろうかと自己を見つめなおしております。
そこでまず最初に
「あっ、意識が変わったな」
と思い至りました。
今まで、大きな声でとにかく観客に伝える、大きな身振りで伝える
どちらかと言えば「子供な演技」をしておりました。
入門してから「こうした方がリアルじゃない?」などと色々指導をもらい実践をしていってみると相手役の気持ちを受け止められていると思える様になってきました。
今までやってきた芝居だと相手と合わない気持ち悪さがあり、悶々とすることがあったのですが、それが払拭された気がします。
リアルさがないと独りよがりな演技が「子供な演技」
周りの人間と共存してリアルな世界観を創り上げていくのが「大人な演技」
ここが違うんだと自分なりにですが意識が変わった気がします。
ただ、まだまだ未熟なので私の考えがあっているかはわかりませんが今後も精進してまいります。
【祐一からひとこと】
初日記をありがとう。
こんがらがった糸の束が一気にほどけるように、演技の質感が変わったこと大変嬉しく感じています。
論理優先で分かったつもりになってもらうよりは、とにかく演技を何度も繰り返して、
どうして今の自分の演技がもどかしいのか、お互い言葉にし合って、
今の演技の相手役をもっと自分の意識に取り入れるにはこうしたら、
台詞の一部を一の輪で言うとしたらどこにしたいと思うか、
など毎回問いかけて龍太郎さんの感覚を立体化していくレッスンは僕自身にとってもとても楽しい時間でした。
演技中のエネルギーはそのままに、今まで拡散放出していたパワーを
その時々の相手役にぶつけていくフォーカスが身体や声に定まるようになると
逆に不特定多数が納得出来る演技の説得力を持つことが出来るようになっていきます。
レッスンの次のステップも、論理ではなく体感重視で、
演じては感じ考え、アイディアを出してはまた演じを繰り返していきます。
ヴォイス&アクターズ道場
http://yuichisato.com/
一年分半年分の前払いはキツかった自分の経験から月謝制。
仕事等の事情で自由にレッスンを選べる定額制。
ガッツリ演技しているからこその悩みに昔の自分を見ています。 ,
短期ワークショップとの違いは地味だけど大きいです。
HPから道場生日記をご紹介します。
http://yuichisato.com/
「確率を精度と」(玉腰裕紀)
お疲れ様です。玉腰裕紀です。
自分の場合、週に2つのクラスを掛け持ちしてます。
料金は一クラス分で良いのでお得ですが、その分人の倍台本を覚えたり、
日によって芝居のテイストが全く違ったりするので大変です。
その甲斐あってか、少しずつ「狙って」芝居が出来るようになってきました。
ここはこう言う感じで、と言うのがやり方が分かってきたお陰もあって、
「確率」を「精度」と言い換えられる位には…なったかと自惚れています。
で、目下の課題は球種を増やす事です。
自分の引き出しの開け方が分かってきたのは良いんですが、
引き出しの数そのものがまだ多いとは言えず…。
得意分野を仮に上手に出来たって当然なので、
今度は今まで苦手にしてたやりかたも獲得しなければ。
コレが非常にツラい道のりではありますが。
そんな訳で今日はここまで。有難うございました。
【祐一からひとこと】
少しずつの変化に時に苛立つ気持ち、よく分かります。
でも演技が上手くなるのって結局は地道な努力しかないです。
付け焼き刃で「出来るようになった気分」にさせるレシピはあります。
僕自身、ビジネスマン向けの演劇ワークショップなどではそれを使います。
一日演技レッスンを受けただけで、目の覚めるような新しい自分との出会いを体験させる・・・
出来る気になった気分にさせることは、ある意味簡単なことで、
それは本当に演技の実力が付くこととは別モノです。
自分と向き合い、自分で感じている短所やクセさえ利用して台本に書かれた架空の人物を
生々しく表出出来るようになるには地味に見える試行錯誤が不可欠です。
一つの劇団、一つの演出家としか演技をしてこなかった人で
他流試合に挑むとビックリするほど無残な演技を遺してしまう人が多いのも
突き詰めればこれと同じ理由です。
演技レッスンを始めた最初の頃の伸びしろに比べると、現在の伸び幅は短く
時にその場で足踏みしているかのようなジレンマを感じることもあるでしょうが、
引き出しの数は確実に増えています。
苦手なやり方への挑戦と得意なやり方のバリエーションを増やすのと、
前者だけだと凹みがち、後者だけだと物足りないのバランスを
各メンバーそれぞれについて考えるのが僕自身の遣り甲斐になっています。
「初日の夜に」
道場のレッスン・メンバー斎藤謙一、高橋岳則が出演する
シアターΧの第43回名作劇場「五兵衛と六兵衛」、「柿實る村」(みのる)が公演中です。
道場では映像案件も舞台案件も、オーディション受けるのも経験の内!!!と
レッスン・メンバーの希望者は積極的に現場に出していっています。
どんなにやる気があっても、実際にプロのスタッフの選考の目に晒されないと
自己PRの改善が先延ばしになったり、オーディションでの効果的な「作戦立て」を
単なるレッスンで教わった知識ではなく現場で実践出来るかが
なかなか自分では分からないからです。
恥は掻き捨て、恥掻いてなんぼのもんじゃいの精神です。
舞台案件のオファーの場合、キャスティング担当者に相談して、
出来れば一瞬で終わるオーディションではなく、
実際の通常レッスンでのメンバーの演技の様子を
一定時間じっくり見ていただき選考していただくようにしています。
その方がキャスティングする側も安心だと意見をいただくし、
こちらとしてもプロの目に晒されることで、僕自身のレッスンの質を問われる思いが強く
レッスン講師として成長のチャンスと感じています。
今回の公演も、キャスティングのお話しをいただいた後担当者に相談、
選考希望者をレッスン・メンバーから募り、それぞれのメンバーが通常受けている
実際のレッスン中のシーンスタディ(場面演技)での実演ぶりを
それぞれ1時間以上ずつ担当者に見ていただいた上でのキャスティング決定でした。
二名希望して二名とも出演が決まりました。
あっという間に終わってしまうよくあるオーディションより手間暇はウンとかかりますが、
キャスティング結果について評判が良く、有効な選考方法だと感じています。
稽古を経て迎えた初日、今回が初舞台の高橋岳則が、
落ち着いて(いるように見えて)丁寧に、でもテンポ良く演じている様子を
何の不安もなく客席で鑑賞出来る喜びを味わいました。
演技レッスンを担当している人間として大変幸福な時間でした。
初舞台のメンバーは道場のレッスンを受けるまで演技経験はゼロでした。
勇気を振り絞り生まれて初めて台詞というものを覚え、目が不安で泳ぎながらも
必死で一場面演じきろうとしていた初レッスン時の様子が忘れられません。
短期間で誰にも引けを取らない舞台上での「居方」を得たのは彼自身の努力の賜物に
他ならないのですが、その場として僕の稽古場とレッスンが機能したことが非常に嬉しいです。
斎藤謙一も表現がタイトなのに情報量が多く的確で、
「黒蜥蜴」出演時より緊張したと本人は云っていましたが
安定感があるのに新鮮に感じて置いていく演技が好ましく、
もっともっと観ていたかったです。
来週は2件の映像案件にそれぞれレッスン・メンバーが挑戦します。
毎週展開していますがもっと多くの良いチャンスを提示していきたい思いを新たにしました。
ヴォイス&アクターズ道場
http://yuichisato.com/
終わった後結局何を云われたのか思い出せないレッスンは意味がありません。
マクロの為にミクロにこだわる。
ポイントはなるべくシンプルに実践的に、そこに至るまでの事例はいつだってレアケースです。
レッスン生から寄せられた日記をヴォイス&アクターズ道場HP
http://yuichisato.com/
からご紹介します。
「いつかの自分のために必要なこと」(田村哲也)
お久しぶりです。
花組の田村です。
今回は、レッスンを受けていて思うことを1つ。
他の人が演技をしてアドバイスを受けているとき、
じぶんの事ではないからと別のことをしている人。
凄く勿体ない。
ここのレッスンは見ている時間より演技をしている時間が多い(と思います)為、
自分も次の準備などで動いていることが多いのですが・・・
それでも自分にではないアドバイスは極力聞くようにしています。
それは、別のタイミングで同じようなアドバイスを受けることが必ずあります。
だから他者のアドバイスを聞いて、自分ならどうするかシミュレーションします。
そうすれば、次はほぼ必ず違うアドバイスをもらうことが出来る筈です。
これは、自分がその場でバリエーションを考えることや、
アドバイス通りに動くことが苦手ということも多分にありますが。
「そういうの得意だから大丈夫」
と思っている人も、そんな状況になりそうな時
「前、こんなアドバイス受けてた人いたな」
と覚えていることで、違うアドバイスをもらうことが出来ます。
講師からすれば
「こいつは大丈夫そうだから、もう少し難しいアドバイスをしてみようか」
となり、自分のスキルが上がります。
また、同じアドバイスをされるという無駄な時間が減ってお芝居をする時間が増えます。
無論、他の人のレベルアップにも繋がります。
全体のレベルが上がれば更に。
そして変化を感じられれば講師のモチベーションも上がるはずです。
この繰り返しがないと
同じアドバイスを繰り返しされ、同じ事を言い続ける講師のモチベーションは下がり、
自分達もレッスンが進まずにモチベーションが下がり・・・
という負のスパイラルが待っています。
どちらが良いかは・・・
詰まるところ、レッスン中は一瞬たりとも気が抜けないということなのです。
自分のやりたいことをするために「今何が必要か」も大事ですが
「いつかの自分のために」も大事にしたいですね。
というお話でした。
【祐一からひとこと】
僕のレッスンは一人ひとりの実演時間が長く、
同じ場面を演技ポイントを変えて何度も繰り返したり、
演技レッスンでは普通あり得ない長い場面、沢山の台詞や段取りを
こなすボリュームがあるので、僅かな休憩出来る時間は
リラックスしてほしくて見稽古の仕方については自主性に任せています。
もちろん演技を見る時こういうポイントにフォーカスすると
こんな風に自分に返ってきて自身の引き出しを増やせるとアドバイスはしています。
逆に見稽古のその方の様子を見ると、演技のウィークポイントを想像出来ることがあります。
その後演技を見ると当たることが多いし、当たっている内は自分に
演技レッスンを行う資格があるのだと、僕自身のリトマス試験紙になっています。
各々の演技の課題、クセ、長所短所はいつもレアケースでただ概論を振り回したり
理論だけ展開して煙に巻くような抽象的なレッスンはするまいといつも考えています。
アドバイスはいつも具体的にミクロに。
演技表現が細かいことをおざなりにせずミクロにこだわり積み上げることで
「人間」や「世界」というマクロを結果的に感じさせるものである以上、
いつでもこの一つの台詞の置き方、この一つの動作の加減の調整、その積み重ねが
地道な作業だけれど演技上達の一番の近道だと信じています。
結果的な締めの論理は僕の中で揺るがず、
なので同じ着地点の言葉に落ち着くことはありますが、
なぜ今これをこの方に言わなければならないかの
各々のテイクごとの演技からの情報の違いには敏感に
ざっくりした印象ではなく、具体的に活かせる言葉を心がけています。
一瞬も気が抜けないからこそレッスンを担当する自分自身にも伸びしろを感じられ嬉しくなります。
レッスンを受ける方もそうであってほしいとホワワ~ンとOFFって休憩しているメンバーにも思っています。
OFFっても必要な時に、自分に思い通りにスイッチを入れてギアをチェンジ出来るように
なってほしいと願いつつ・・・
ヴォイス&アクターズ道場
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