CoRich舞台芸術アワード!2018

「埋没」への投票一覧

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投票者 もらったコメント
ふじたんふじたん(575)

3位に投票

礎のときより、わかりやすかった。ふたりの女性のののしりあいが迫力満席だった。社会派演劇に、政治的な背景、子どもたちも多かったが、理解できないと思いました。
『埋没』を,高円寺で観た。この劇団は,前に『虚像の礎』を観劇したことがあった。

この作品は非常にインパクトがあった。作品の中で,一番すごいのは,非常に近い関係にある女友だちの間に,ダム問題で亀裂が生まれたところだ。ともに戦っていくが,より賢明な選択をする。そもそも反対運動というのは限界があって,金銭闘争に変質する。しかし,精神論としては,自然環境を守りたい。どこまでも子ども時代の故郷がなくなって欲しくない。そういった観点が確かに一方にはあった。

ところが,今回の四国で起きたこの事件の背景には,別のことがあった。それは,一県からすれば自分たちの自然を壊してまで作るダム問題はほとんどメリットのない話だった。しかしながら,これが四国の他の三県の水不足問題を解決するという大義があったので,自分たちの方が県エゴをつらぬいているのかもしれないのだ。

この演劇を注意深く観察していると,ローカルスタンダードというものが,田舎にはあるという問題点だ。私が思うのは,田舎の視点が非常に大局を見ていないことが多いのだ。そのような人間は,この作品の中で訴えるようななんらかの内省みたいなものすら全くない。ただ自分たちの世界が満足したいとか,自分中心に小さなメリットを構築するが,その近くにいる別の集団を無視し,酷使して,のうのうとする例が多いということだと思う。

この劇団がとても表現を得意とするのは,人の心理。喧嘩し,相手を追い込む。近親憎悪みたいなものがあると,さらに相手を説き伏せないと気がすまない。気がつくとお互いに殺意まで芽生えた。そのような関係になる前に,刃傷事件にならないうちに関係が悪化したら逃げたい。喧嘩は買わない,パワ・ハラもできるだけブロックすること。と私は思う。それができるのは,ガンジーのような無抵抗な姿勢とか,法華経のような仏ごころだ。

それにしても,人間はどこまでも喧嘩をすることがある。親が子どもを規格にはめる場合でも起きる。進学などにおいても,お金を出す側の親は,スポンサーだから子どもはある程度は親の無理難題に抵抗できないだろう。気がつくと,教育虐待が発生する。子どもが親によってつぶれていく。逃げ場がない。不幸中の幸いで,親殺しの破滅にならないまでも心に傷が残る。トラウマが人生の後半に残る。世の殺人事件の大半は親族事件だろう。

jokermanjokerman(1327)

5位に投票

 意欲作である。村の中心部がダムに沈み、離島を除いて最も人口の少ない村になってしまった高知県大川村の現在と、ダムに反対する住民が切り崩されていく60年代を交互に描く。同じ役者が時代に応じて親と子を演じるなどの工夫が巧い。国vs地域、多数派vs少数派という対立を描きつつ、個人の(ある家族の)物語として描いていくところが中津留の真骨頂だが、それが見事に発揮されている。そして、社会派と呼ばれていても、結論についてはニュートラルであることが多い中津留が、明確に少数派の立場で描いているのは珍しく、そういった意味でも意欲作である。古参の劇団員が出ないで、若手の男優と女優の川崎初夏が頑張っているが、みやなおこという逸材を得たことで素晴らしい舞台になっていた。今の沖縄をも意識させる作りも巧い。

とちとち(1389)

2位に投票

リアルで重厚。まるでドキュメンタリー作品を観ているようでした。

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