最新の観てきた!クチコミ一覧

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いのちの花

いのちの花

劇団銅鑼

練馬文化センター(東京都)

2021/07/13 (火) ~ 2021/07/15 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「いのち」について、色々と考えさせられる、良い舞台でした。
登場人物の成長過程も、手話の方の豊かな表情や笑顔も、素晴らしかったです。

俺の葬式

俺の葬式

獏天

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2021/07/16 (金) ~ 2021/07/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

破天荒な父親が亡くなり、葬式を執り行うに当たっての、様々な出来事や騒動が、個性の際立つ登場人物によって、面白可笑しく感動的に演じられ、素敵な時間でした。
最後の木刀素振り100回の体力にも、驚きました!

『shuku-sai』

『shuku-sai』

(石榴の花が咲いてる。)

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/07/22 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2021/07/22 (木) 19:00

公開ゲネプロを観劇。以前より団体名は知っていたが今回初見。ゆえに作風を知らずに観たわけだが、感覚的な内容であった。論理で突き詰めるというタイプの芝居ではなく、リアリティを主眼とはしていない。従って理解しようとか何かメッセージを読み取ろうとはしないほうが良いかもしれない

『shuku-sai』

『shuku-sai』

(石榴の花が咲いてる。)

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/07/22 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/07/22 (木)

価格2,500円

22日19時開演回(前半50分+途中休憩10分+後半50分)を拝見。

そんなに何回も観た訳ではないが「(石榴の…)って、こんな語り口の芝居もやるんだぁ」と感心。
アンディ本山さん、小島望さん、刺腹由紀さん等の、奥行きのある演技も作品に陰影をつけていたなぁと。
とはいえ、杏奈さんの独白や、終盤での川勾みちさんのセリフ回しは、やっぱり、私が認識している(石榴の…)らしくって、勝手にニコニコさせてもらった。

【追記】
当日配布のペーパーで、役名の後に「衣装上下の簡単な説明」の表示あり。
自分は今回、知っている役者さんが多かったので大丈夫だったが、例えば、初めて小劇場演劇の舞台を観る方には大変役に立ったんじゃないかぁ? 良い工夫だと思った。

ネタバレBOX

【配役(2016年時点での状況)】
アンドウ…杏奈さん
セトウ(アンドウの同棲相手)…橋詰龍さん
ネズ(アンドウの後輩。ヌマタと同棲中)
…杉山愛実さん(たまたまだが、この美人さんの真正面になる機会の多い席だったもんで、柄にもなく照れたw)
ヌマタ(ネズの同棲相手)…小島望さん
オシミ(刑事)…アンディ本山さん
ハリモト(新米刑事)…川勾みちさん
イワクラ(公園のベンチが居場所)…刺腹由紀さん(久しぶりに舞台を拝見!)
シマムラ(警官)/被疑者/ウェイター…中野雄斗さん
明日の朝、いつものように

明日の朝、いつものように

LUCKUP

萬劇場(東京都)

2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

良かったです。演者もみんな芸達者たち。ストーリーも、想像とは違ったけど、男女のすれ違いが上手に描かれていて、大満足です。

29万の雫-ウイルスと闘う-

29万の雫-ウイルスと闘う-

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/07/15 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

10年前に起きた畜産界のウイルス・パンデミックを、コロナにぶつけてきたな。だが所詮別物だ...というのがチラシを見た正直な感想だったが・・。十年前宮崎県で感染爆発を起こした口蹄疫を見事に「現在劇」化させた。
ただしこのドキュメンタリーシアターには10年の来歴がある。2010年口蹄疫禍発生、大量の殺処分により数か月で終息。これの舞台化を劇団ゼロQ(宮崎)の岡田心平氏が企画、氏は2011年故人となるが、数十人から聞き取った証言を元にこふく劇場(宮崎)永山智行氏構成・演出で2012年初上演。その後2015年演出に黒木朋子(宮崎)を据えて再演の際、監修として古城氏関わる。昨年古城氏構成・演出による当地での上演を経てこのたびのワンツー・ドキュメンタリーシアター公演となった。証言の多様さ、生々しさは「当事者」による舞台化の賜物であり、劇の完成度は10年にわたる製作の成果である事は間違いない。

一地方の一時的な事象として、当時マスコミで伝えられていた記憶はあるが、そう言えば「○○地区全頭」「数万頭」といった殺処分される牛豚の多さに僅かながら違和感を覚えたのを思い出す。テレビ報道だけでは知る事のなかった背景と当事者の心情が目から鱗が落ちるように体に入って来た。
「証言」で構成される演劇が、ドラマティックに、しかし「事実」から離れずに成立するばかりでなく、現在の状況との間に一筋の(雑草に覆われて所々見えなくなってる)小道が伸びているのを感じる。「現在が語られている」事こそ演劇の醍醐味。しかと脳に刻んだ。

ネタバレBOX

ワンツーワークスの表現法に「慣れて」きた感あり。もっとも役者の方は昨今は大半が客演、今回も役者の堅実な仕事が印象的。
幕開き、牛の飼育小屋内部の仕切りの向こうに一列並んだ姿は壮観。多くの証言者たち。「社会」の広がりとそこに暮らす「個」の存在が視界におさまる数である。劇中、防護服の人間が何度も登場するが、今これを見て原発事故を連想しない自分に気づく。今はコロナ禍での風景にも重なる。
ラストは全員が防護服となり再び一列に並ぶが、人間と「その安全を脅かす者」との対峙の象徴となり、様々な想念へ誘う。
29万の雫-ウイルスと闘う-

29万の雫-ウイルスと闘う-

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/07/15 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

時節柄、なるべく重いお話は見ないようにしていたのでしたが、行って良かったです。
ドキュメンタリー・シアターというジャンルは初めてでしたが、インタビューの生の声で構成されているとのこと。迫力があり、切実さもいっそう感じられました。

金の切れ目が時間の切れ目

金の切れ目が時間の切れ目

劇団森

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2021/05/29 (土) ~ 2021/07/31 (土)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2021/06/03 (木) 19:00

ワンカメ、ワンマイク? スタッフの数と予算には限りがあるので、このへんがギリギリのところだったのかなあ。その場にいて実演に接してる時には殆ど気にならないのですが、マイクを通すとセリフの音量の差が苦痛で仕方ありません。ある周波数ばっかり拾ってしまうマイクの特性のせいでしょう。私の側でも、実際に会場まで行くのとパソコンで見るのとでは気合の入りようが違います。前者じゃないと楽しくないのです。ごめんなさい。アイドルヲタもからんでくる楽しいステージ、実演で見てたら評価は星4つ。早く世の中が正常に戻って欲しい。

明日の朝、いつものように

明日の朝、いつものように

LUCKUP

萬劇場(東京都)

2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

Bチームを観劇 コロナから5年の未来の話と言うのも面白い。日常の中で、すれ違いや心の動きをとてもよく表していてとても面白かったです。とても上質なお芝居を拝見させていただきました。

明日の朝、いつものように

明日の朝、いつものように

LUCKUP

萬劇場(東京都)

2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/07/21 (水) 15:00

流れが速くてスムーズで好きでした。(Cチーム行きました)

俺の葬式

俺の葬式

獏天

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2021/07/16 (金) ~ 2021/07/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

いつもアクションシーンがすごいのに舞台が狭いのでハラハラするのですが、今回は広い舞台でみなさん存分に竹刀を振るわれたのではないでしょうか。お話も今までとは違って家族を描いていましたが、お母さんはどうしました?あんなお父さんと結婚するくらいなので変わった方なのかもしれませんが、最後までお葬式にも顔を出さない理由はどこかで語られていたのでしょうか。聞き逃していたらごめんなさいですが、そこが気になってしかたなかったです。
笑えるシーンもあって面白かったのですが、少し冗長な感じがしました。

ネタバレBOX

お母さん、亡くなっていたらそのほうが納得ですが、最後に兆がお母さんの好きなお菓子だか何かを買って行くとか言ってましたよね?
INDEPENDENT:4thSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT:4thSeasonSelection / JAPAN TOUR

INDEPENDENT

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2021/07/15 (木) ~ 2021/07/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初めての1日通し券、楽しみました。
1本目でなんか泣けてきて、新しい劇場や期待で胸いっぱいで状況に興奮状態にあるのかと思ったりしましたが、ここでハードルが上がったのか、早くも力尽きてしまったのか、その後1本目ほど感動する作品が出てこずでした。異色と思われた「コーポリアムマイム」(これも一人芝居?)にはめっちゃ感動しました。指先にまで自分の身体に対する愛が行き渡っていました。美しかった。

フェイクスピア

フェイクスピア

NODA・MAP

大阪新歌舞伎座(大阪府)

2021/07/15 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

野田地図、いつも撃沈してしまうので、前情報なしで行くのがこわくて、戯曲を読んで予習、上映時間が短めの2時間5分だったことも幸いして、最後までガッツリ観れました。理解できたかというとギモンですが、いいものを観た幸福感にひたっています。高橋一生さん、声が心地よく、言葉がすべて耳に入ってくる、言葉の意味がわかる、しなやかな動き、すばらしかったです。

29万の雫-ウイルスと闘う-

29万の雫-ウイルスと闘う-

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/07/15 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

口蹄疫がこんなにも恐ろしいものとは全く知らなかった。2010年宮崎県の畜産酪農農家に突然口を開けた地獄。この光景が10年後、世界中でスタンダードになってしまうとは、まるでゾンビ映画のプロローグのよう。人類とウイルスとの最終戦争はまだまだ始まったばかり。
2010年4月からの三ヶ月間で牛豚29万7808頭を殺処分する羽目になった口蹄疫。観客は現在進行中のコロナをだぶらせ、自分達にこれから何が待ち受けているのかを固唾を呑んで見詰めている。
ワンツーワークスと云えば奥村洋治氏と関谷美香子さんの二枚看板のイメージが強い。元新聞記者の古城十忍(こじょうとしのぶ)氏の脚本は『ドキュメンタリー・シアター』(取材した証言だけで再構成するジャンル)として、当事者一人ひとりの人生の叫びを突き付ける。全てがインタビューで得た本物の言葉だけに重みが違う。
役者は現実に存在する人物を複数受け持つ。中坂弥樹(みき)さんが可愛らしかった。
報道ヘリコプターのプロペラ音が轟き、いつしかそれは機銃音に、気付けばそこは戦場へと変貌。トレードマークでもある、ムーブメント(スローモーションやストップモーションの動きを混ぜた集団ダンス)が炸裂。
何処から来たのかも分からない、目には見えない口蹄疫ウイルスが宮崎県の畜産酪農農家の暮らしや心をあっと言う間に滅ぼしていく。口蹄疫は人の健康に被害を与えるものではないとされているが、家畜にウイルスを伝播する可能性がある為、行動が制限され他者との接触が禁じられる。
2000年宮崎県で、国内では92年振りに口蹄疫の発生が見られたが740頭の殺処分で収束した。この成功体験が逆に楽観的な対応を生み、被害の拡大に繋がってしまう。
目には見えない感染の恐怖、簡単に壊されていく人と人との絆、社会的同調圧力、選択の余地は全く持たされず、経済的にも精神的にもどんどんと追い詰められていく経緯が突き付けられる。

ネタバレBOX

「国際獣疫事務局(OIE)」という機関が『清浄国』と『非清浄国』の判断を下す。畜産物の輸出入に於いてかなり重要な基準になる為、国内の畜産農家を経済的に守る為には『清浄国』で有り続けないといけない。その為には口蹄疫にかかる可能性のある家畜にワクチンを打ち、伝染を食い止める。その後、全頭屠殺処理しなければならない。助ける為のワクチンではなく、殺す下準備としてのワクチン。家畜達も口蹄疫そのもので死ぬことは殆どない。ただウイルスを伝染させる可能性を失くす為の殺処分。口蹄疫は伝播能力が異常に高い為、とにかく殺して埋めるしかない。

上村正子(かみむらまさこ)さん演じる繁殖牛農家のお婆ちゃんのエピソードが痛切。
育児放棄された仔牛を自らの手で乳を飲ませて育て上げる。明美と名付けたその仔牛はよく懐く可愛らしい娘で何処にでも付いて来た。生まれつき片目の色が薄く見えていないようだった。立派な子供を産む程に成長したが、牛舎の牛は全て殺処分に。死体は重機で山に埋められた。
「今でも月命日には山に行って明美を呼ぶんですよ。『明美、今は何をやっているの?明美』」。

小林桃子さん演じる女性が語る言葉も重い。長崎で被爆した舅とシベリアに抑留された父と今こそ会って話したい事があると言う。勿論どちらも故人である。「お父さん、これが“理不尽”ってものですか?」。
29万の雫-ウイルスと闘う-

29万の雫-ウイルスと闘う-

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/07/15 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

素晴らしいドキュメンタリーであるだけに観ているのが辛かった。何をどう書いたら良いのかと悩んでいたら、かずさんの見事な記述がすでにあったのでほっとした。

いつものストップアンドゴーのパフォーマンスは防護服を着て行われるものもあって、束の間の安らぎや楽しみを得ることができる。

明日の朝、いつものように

明日の朝、いつものように

LUCKUP

萬劇場(東京都)

2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

Cチームを観劇。70分という少し短めの上演時間なのに濃い内容でした。
男女で感想が違くなりそうで面白かったです。
そして萬劇場の徹底したコロナ対策には脱帽しました。

明日の朝、いつものように

明日の朝、いつものように

LUCKUP

萬劇場(東京都)

2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

まさしく"長すぎた春"物語。
コロナ禍から5年ほど経ったカップル。出会った頃はコロナ禍で巣ごもりの生活を余儀なくさせられたが、それも今は昔のこと。コロナ禍の前と後における男女の意識を描いているが、どんな状況下であろうと大して変わらない普遍性ある恋愛観が見て取れる。公演は倦怠期のような男女の心に、ちょっとした隙間風が吹いたら、大事になり取り返しがつかないことになる。それどころか、関係はアッという間に崩壊する。その過程を淡々と描きつつ、何の変哲もない日常に潜む不安や不信を鮮やかに浮かび上がらせる。
(上演時間70分) 【Bチ-ム】

ネタバレBOX

舞台美術は、日常生活そのままの背景を造形する。大括りに3か所の異なる場所(場面)をイメージさせる。中央にカウンター、上手側にダイニングを思わせるテーブルと椅子、下手側はカップルの部屋_2人掛のソファが置かれている。人(居場所)と距離感という物理的なことだけではなく、この空間処理に男・女の心象風景を描き込む。

主人公の男・小久保ケンジ(オオダイラ隆生サン)と女・山崎ユウキ(高橋明日香サン)は、並んで座るという近距離。上手にあるのはユウキの妹夫婦・峰岸光太郎、カオリの家のダイニング、他人ではないが当事者でもないという中距離。そして第三者との語らいの場として外の飲食店を表すカウンターという長距離を演出している。人には快適な距離感のようなものがあり、カップルであっても心が通じ合わなくなると、1人がひじ掛けに座る もしくは立ったまま話しかける。微妙な立ち位置や振る舞いで表現する。そこに一緒に居る相手(男or女)のことを理解しているか否か、疑問符を突き付ける。
演技は、ぼそっとしたさり気ない会話から、不快感顕わになり大声になっていく様を上手く演じている。演出、演技は実に自然体だ。

物語はコロナ禍で知り合った男女が5年経ち、最近(2年ほどセックスレス)は精神的な繋がりだけ。ユウキは待つことが出来ず、あなたを求めたが…。ユウキはケンジの態度にイライラを募らせ、何故そうなのか自分の内にある欲に翻弄される。そんなユウキの心の隙に入り込む店の同僚・木田テツ。一方、ケンジは従姉・工藤ユタカのちょっとした悪戯心で知り合った女性・志村シオと親しくなっていく。それぞれが持っている思いや秘密が、だんだん大きく膨らむ。不安を孕んで漂う四角関係は、悲劇的な結末へ転がり出す。甘美な関係だけでは満足できず、濃密な性への気配が漂い始める。
劇中では、女性の恋愛は心と身体すべてを投げ打つような危険な匂い。性はより深い精神の交合へ向かうためのステップで、そこに入り込んだら精神と欲望の迷路が広がっている。若い男女にとって精神と肉体は連動するのが当たり前、この公演では、更に精神と肉体の乖離を問うといった別の投げ掛けが…。

公演が面白く共感しやすいのは、「性」に対する描き方が、女と男によって異なること。例えば、セックスレスを言い出した女性側は、生理的・機能的側面は語られず、あくまで精神(抽象)的なこと。一方、言われた男性側は、ユウキの妹の夫を通して語られる。妻の妊娠期における性処理(妻は消極的ながら風俗通いを了?)やバイアグラといった性機能に係る具体的な描きをし、後は観客の想像に委ねる。このバランス感覚が好いのだ。
もう1つは、「性」的なことを社会問題と絡めず、人間に男と女がある以上 永遠に無くならないテーマ。「性」の喜びは美しいものだが、それだけに「性」の悲しみは、より一層それが際立つのかもしれない(LGBTも承知)。
日常生活…男女で営まれる「性」の普遍性を独創性をもって描いているところに新鮮味と共感を覚えるのではないだろうか。
ちなみに、ラストシーンは救いであろうか。別れたままの暗転で放り投げてもよかった気もした。しかし、5年前の出会った頃の回想は、出会いと別れ、そして新しい彼女との出発を意味するのであろう。その点では後味を良くした。
次回公演を楽しみにしております。
明日の朝、いつものように

明日の朝、いつものように

LUCKUP

萬劇場(東京都)

2021/07/16 (金) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

良い舞台だったと思います。

29万の雫-ウイルスと闘う-

29万の雫-ウイルスと闘う-

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2021/07/15 (木) ~ 2021/07/25 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/07/21 (水) 14:00

座席1階

2010年の宮崎県での口蹄疫(家畜の伝染病)拡大をワンツーワークスや宮崎県の演劇人が取材し、古城十忍が構成した同劇団ならではのドキュメンタリーシアター。畜産農家、市職員、獣医師などから徹底的に言葉を集め、その言葉を紡ぐようにして戯曲に仕上げる。当時、宮崎で何が起きたのか、宮崎の人たちは何を考えていたのかを鮮烈に描き出した。

口蹄疫をテーマにしたのは、新型コロナウイルス感染症が日本、いや世界を覆う今だから客席にさまざまな思考を促す。これぞ、ジャーナリスティックな切り口で舞台を展開する古城の得意とするところだ。最初に出演者全員がコロナが怖いか、怖くないか、感染するのは時の運か、という質問にそれぞれ答えるところから始まるが、この部分がなくても、客席は新型コロナに翻弄される今と自分に登場人物を重ね合わせて見ることになる。

ウイルスを封じ込めるために感染した牛、豚を殺処分する口蹄疫と、ワクチン普及が切り札とされる人間の感染症である新型コロナとはその教訓は違うかもしれない。しかし、ウイルスという見えない敵におびえ、疑心暗鬼となり、口蹄疫を運んではいけないと家に閉じこもり、友人との交流も断念していたという当時の宮崎県の状況が舞台で再現されると、それは新型コロナによる状況に通じるところはあるし、さらに、宮崎での教訓が今回のパンデミックに生かされていないという忸怩たる思いが沸きあがってくる。

牛や豚は人間に食べられることで畜産農家の生計が成り立つのであるが、やはり生き物の命をいただく(食べる)というのと、ウイルス感染のため殺す(処分する)というのでは天と地の差がある。宮崎県で当時起きていたことは東京のメディアでは遠隔地で起きていることという距離感のせいであまり詳しく報道されなかったので(この距離感はメディアのいつものニュース判断の一つであり、反省すべき点である)、「飼っている牛や豚を処分するのは農家の人たちにはせつないだろうな」と何となく思っていたことを覚えている。今回の戯曲では、その点も農家の生の声をもってして鮮明に再現される。宮崎県に行って話を聞かないと描くことができない部分だ。ここが、この劇団のドキュメンタリーシアターのいいところである。

この舞台を見て「宮崎の人たちはたいへんだったんだねぇ」と振り返るだけでは不十分だ。自分の身に降りかかって気づくのでは遅い。世の中で起きていることを「自分のこと」として受け止められる想像力が問われている。

月ノツカイ

月ノツカイ

劇団だるま座

小劇場B1(東京都)

2021/04/21 (水) ~ 2021/04/25 (日)公演終了

映像鑑賞

だるま座は何回か拝見しているが、緊急事態宣言で千秋楽に観客動員ができなくなり、その対応として配信にした回を視聴しました。
前説になる座長のコメント(急遽配信を決めたことなど)、昭和を生きた炭鉱夫たちの物語、情感が出る。
各回の配役組み合わせが違うのも、稽古時間の取りづらい最近では凄い。

ネタバレBOX

作品は良いと思う。ただ自身の配信における最近の思うところとして、劇場で観劇するのと印象が本当に違う。そもそも映画とは別のモノであって、配信技術者との連携によるものなのか。それとも単に自分のコンディションや好みだけの問題なのか。生で見るのが一番。

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