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いのうえ歌舞伎「狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり)」

いのうえ歌舞伎「狐晴明九尾狩(きつねせいめいきゅうびがり)」

劇団☆新感線

赤坂ACTシアター(東京都)

2021/09/17 (金) ~ 2021/10/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

久々の新感線は相変わらずの超大作。
安倍晴明の物語を全ての人がたっぷりと楽しめるエンタメに仕上げている。
カーテンコールは全員がスタンディングオベーション。本日の公演は終了しましたと客電が点いても鳴り止まない拍手。
久々に演劇の持つパワーを感じ、堪能するというのはこういうことだと感じさせられた。お見事。

『プンティラ旦那と下男のマッティ』

『プンティラ旦那と下男のマッティ』

近畿大学 舞台芸術専攻30期生

東大阪市文化創造館・小ホール(大阪府)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

満足度★★★★

内容や舞台セットはビッくりするくらい凄い‼️ウッドショックにも関わらず、ふんだんに木材を使い、通常の劇団では出来ない豪華絢爛さ。カンパもする事なく、恵まれた環境でのびのび練習もやったと思われ、演技も良かった‼️楽しめたが、ちと時間が…😣

アンカル「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」

アンカル「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/09/24 (金) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ネタバレ

ネタバレBOX

モダンスイマーズの『昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ』を観劇。

『解説』
劇団員の出番はなく、若手俳優を集めて行った公演。
作・演出の蓬莱竜太は限られた空間内で、そこから逃れられない人物たちの葛藤を描くのが特徴だ。
劇作家・清水邦夫を彷彿させるタイトルなので「きっと何かが起こるのだろう?」と期待しない訳がない。
今作は中学校での一年間の学生たちの話だ。

『あらすじ』
広島県からの転校生ゲンでクラスはざわつくが、学生たちなりのヒエラルキーは存在している。不良や可愛い女子がクラスを仕切り、おとなしく目立たない子は下級だ。そんな位置関係も瞬時に変わってしまうのが日常茶飯事だ。
学生生活は終盤に向かっていくが、先生と生徒の恋愛が学生弾劾裁判になり、生徒たちの鬱憤が爆発し始めてしまうのである…。

『感想』
校内という限られた空間で、退避不可能という27人の学生たちのエピソードを余すことなく描きながら、決して物語にせず進めていく構成は魅惑的である。
各世代の観客の郷愁を誘いながらも、思春期にありがちな鋭利な敏感さで仲間を容赦なく刺していく。「きっと我々も同じ事を行ってきたであろう?」という行為を目の当たりにさせれると顔を背けたくのなるのが心情だ。
クライマックスの学生弾劾裁判での27人の生徒たちの鬱憤の吐口の凄まじさはエピソードのみで進んでいく展開だからこそ大きな衝撃を与えてくれる。まるで蜷川幸雄と清水邦夫コンビの革命劇を観ている感すらあるほどだ。
だが蓬莱竜太は決してクライマックスを冗長せず、何事も無かったかのように卒業式を迎え未来に向かっていく。
だが誰もが過ごした思春期も単なる通過点にしないという転校生ゲンの叫びは忘れられない。
虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

愛溢れる作品で、とても良かったです!
役者さん達の演技も素晴らしく、特に、虹の人の純粋な姿、石野教授の人柄に泣けてきました。
地震予知に関するストーリーや、時代背景も興味深かったです。
意外なラストも良かった・・これにも泣けてしまいました。
素晴らしい舞台で大満足でした。

アンカル「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」

アンカル「昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ」

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/09/24 (金) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

凄い作品だった。蓬莱さんの作品ということで観に行ったのだか、本当に観に行けて良かった。
久しぶりに劇場で号泣した。若い役者さんたちの溢れるパワーと、蓬莱さんの脚本が、ご自身の演出により何十倍にも膨らんでひとつの作品となっている感じがした。
思春期の頃に起こる様々な問題をいくつも扱いつつ、それぞれに着地点を見せてくれていた。それが、心が痛くなるだけではなく、少しの希望や望みを見せてくれていたので、観劇後がとても心地よくいられた。
もう一度観たいが、もうチケットは完売らしい。これが演劇公演の悲しさでもあり、きっと良さでもある。

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ずーっと前からラビット番長さん見たくて、やっと願いが叶いました。
嬉しかった!!!
芝居ファンの皆さんが、いい、いいと口々に言っているけど本当? とへそ曲がりの私は思っていた。
本当でした。素晴らしいお芝居でした。じわーっときました。
虹の人と言われてた、役者さんのなんとカッコよくイケメンだこと。
着物を着流しにしているのもたまらなくいい。
史実をもとにして、これだけ素晴らしい脚本。スゴい!!!
宿の女将さん、人のいい教授、教授の奥さん、虹の人の奥さん...ひとりひとり素晴らしい演技に魅了されました。ひとりひとり個性が出てて観たあとずーっと残っています。
満足でした。次回も観たい、と思った。

『アドリブ・オン・ザ・ウォーター』『品川野放図』

『アドリブ・オン・ザ・ウォーター』『品川野放図』

品川親不知

ウッディシアター中目黒(東京都)

2021/09/21 (火) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『アドリブ・オン・ザ・ウォーター』観劇
大爆笑ではないですが、笑いのあるステージ、楽しかったです!
もう少し映画を知ってたら、もっと楽しかったかも⁉︎ですね

だったらもう、どうにでもなれよ

だったらもう、どうにでもなれよ

知らない星

王子小劇場(東京都)

2021/06/10 (木) ~ 2021/06/13 (日)公演終了

映像鑑賞

観劇三昧で☆キャスト版を鑑賞。見始めたときは、登場人物が多くてこちらも少々混乱したのだが、舞台のテンポにだんだん引き込まれた。映像でもあの刹那感のようなものが伝わって来たのだから、これは生で体験したかった。

盲年【東京公演】

盲年【東京公演】

幻灯劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2021/10/01 (金) 19:00

90分強。

ユートピア

ユートピア

singing dog

「劇」小劇場(東京都)

2021/10/01 (金) ~ 2021/10/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

1人1人は悪い人間ではないけど、家族としては全然うまくいかないし、
人生もなかなか思うように進まない、
という、ありきたりだけど切実な状況が、リアルに演じられていた。
しんどいけど面白かったです。

或る、ノライヌ

或る、ノライヌ

KAKUTA

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/09/25 (土) ~ 2021/10/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

この舞台で、六十五年も前に大学の一般教養の「社会学」で初めて教えられた「社会は基礎集団(肉親の関係)と機能集団(他人の関係)から成る」と言う社会の構造の原則を思い出した。
いま現実社会が、それぞれの集団の規律を失い浮遊していることから、さまざまな問題が起きる。肉親の欠如を社会が埋めきれず、逆もまた機能しない。言わば、人間がどこにも主なき「ノライヌ」になっている。
第三国人が幅を利かせているような都会の街で三人の女が、恋人に裏切られ、捨てられ、肉親を怪しげなカルト集団にもっていかれる。そこからの回復への旅の道のりをロードムービー風に描いている。2時間45分(休憩10分)と長い。
家族はいま、社会はいま。と問うが、あまり教条的に進まない。「横転」や「ひとよ」、「荒れ野」の現代の社会劇(と言うのも古臭いカテゴライズだが)作者としてのこの作者のいいところだ。今の社会に取り残されたような人々や集まりをジャーナリスティックに取り上げているが、舞台には今の風が流れているし、提示されるテーマは根源的だ。
一筋縄ではくくれない発展途上の作者で、今までも自作を再演するたびに(あるいは舞台から映画へとメディアを変える時に)書き直してバージョンアップしている。この作品は自分の主宰する劇団で、自分も気持ちよく舞台に出て、と第一稿風で、まだ、まだるっこいところや説明不足のところも多い。
以下はその感想と言ったところだ。
この作者、いつも舞台を進めていく主人公がなかなか決まらない。一人一人、丁寧に説明していき、その時のエピソードや芝居も悪くはないのだが、それに気を取られていると、それぞれの人物の関係が分かりづらくなる。観客が芝居から外されてしまう。
「ひとよ」の映画版が分かりやすかったように映画ならワンカットの映像で済むところが、芝居はそうはいかない。この作者は映画脚本も書くのだから今後の課題だろう。
もう一つ、「或る、ノライヌ」と言うが、実際に彼女たちの周囲にいるイヌそのものを擬人化して舞台に上げてしまうのはどうだろう。犬の社会の説明もいるわけで、それで随分尺を食って分かりにくくなっている。みんなで、路地で吠えれば、たしかに象徴的だがどんなものか。
舞台からは最近珍しくなった80年代、90年代の小劇場の匂いがする。最近の新しい劇団はちゃっかり、ドラマターグなどを置いて客観的に整理してしまうところを、ここはぐずぐずと引きずっている。それは脚本だけでなく、俳優の演技や、美術や照明にも表れている。その功罪は決められないが、今回はすべてに少しとっ散らかっているように思う。
といろいろ言いたくなるところがこの劇団に良いところで、きっと作者も、第一稿のつもりで気が付いているだろう。観客は付き合うしかない。
さらに余計なことだが、この「倉」(ソウと読むらしい)という劇場、新装なってから始めて行った。もう彼岸過ぎで、このあたり夜はすっかり暗い。とても劇場とは思えないところに入り口がある。元劇場のあったところに表示でもあればわかりやすいのに。


虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/09/30 (木) 18:00

価格4,000円

虹で地震を予知できる人
本物なのかペテン師なのか。。
ラビット番長の「虹の人」
愛がたくさんつまった素晴らしいお芝居でした。
見終わった人はみんな、空を見上げたくなる🌈そんな素敵なお話でした。

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

theater 045 syndicate

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

理屈抜きに楽しむ人情+風刺を垣間見せた娯楽痛快活劇。当日 劇場外は台風、物語は「砂嵐と雷鳴が轟く」という破天荒さ。堪能した!

「掘りだしモノ!」「絶滅危惧種!」と大好評だった痛快作が、横浜に帰ってくる!」の謳い文句通りの面白さ。「ハマの弥太っペ」(2018.1)「ヨコハマ・ヤタロウ」(2019.1)と続いてくるが、はじめの「弥太ッペ」という名から、昭和の名作「関の弥太っぺ」(長谷川伸)が下敷きになっているようだ。またマクベスの3人の魔女の予言を連想させる神秘性で魅せ、さらにウエスタン調の活劇で観せる、単なるリリシズムではない振幅がある。
風刺としては、奥行きと高さのある舞台の長所を活かし、権力構造を舞台美術だけで演出する。主人公・ヤタロウと敵対するヨコハマ市長の豪華椅子と睥睨する姿が権力そのもの。辛苦の泥水を飲んできたヤタロウと対照的な描き方だ。

(上演時間1時間50分 休憩なし)

ネタバレBOX

舞台美術、場所は銭湯「松の湯」、中央奥に開閉するスクリーン幕と広階段、上手側にはカランと桶など、下手側には暖簾戸と縁台。全体的に寂びれたというか廃墟のような雰囲気が漂う。冒頭、正面スクリーンに物語の背景や概況の説明が映し出され、物語が始まる。時は20XX年。某国から飛んできた旧型ミサイルで、関東平野は荒野と化し無秩序状態。その地に最悪最強の「ウォリアーズ」という集団が跋扈し、ヨコハマが犯罪都市になっている。ヤタロウ(今井勝法サン)は、そのウォリアーズに妻を殺された、元オリンピック金メダリスト(射撃)である。妻の復讐のため殺した相手は50人超。そして殺した相手のやり残したこと(望み)を背負い、約束を果たすために苦闘している。しかし、50人超の1人ひとりの望みを描くわけではなく、「関の弥太っぺ」にも出てくる妹であり、娘という女性をこの物語ではヒロイン・キク(元水颯香サン)として登場。

物語は3年前に遡る。「マクベス」を彷彿させる3人姉妹(1人は鬘女装の弟)の予言により、死ぬことが定められたヤタロウ。刺客に狙われた場所が銭湯内、全裸のヤタロウ絶体絶命のピンチだが…。想像をはるかに超えるところから武器が、笑える。敵となるヨコハマ市長(寺十吾サン)は、ヤタロウのオリンピック出場をかけたライバル。この男の娘が病床にあり、どうしても金メダルを獲りたかったが。そしてお坊ちゃま(葉山昴サン)はヨコハマ市長によって或る手術をされ記憶がない。執事(中野マサアキサン)という傍観的な人物と彷徨しているが、実は妹がいる。キクが市長の娘であり、お坊ちゃまの妹に繋がってくる。ヨコハマ=横浜らしい「赤い靴」まで持ち出す。

ヨコハマ市に吹き荒れる砂嵐を守るため、市長にとってメリットのある富裕層が住んでいる地域だけを砂塵防護壁を築く。不要不急の外出は控えるように…どこかで聞いたような文句。自分の言葉で説明しない市長、肝心な内容は秘書が喋り、「その通りでございます」と追認。いろんな場面で現在の日本を揶揄しているようで笑える。因みにヤタロウがヨコハマ(望郷)に行くのは妻の墓参りだが、市長によって壁下に潰されていた。

ヤタロウは、相手を殺す前に約束事を請け負う。1つは市長の娘、お坊ちゃまの妹との邂逅。実際に会えたかどうかは判らないが、少なくとも心に姿、思い出が刻まれたことだろう。もう1つ、同僚刑事だったモリスケ(中山朋文サン)が松の湯で全裸のヤタロウに仕向けた刺客(若者2人組)。ヤタロウは撃退するが、その際、2人の要望は漫才の上達と披露。「壁に向かって稽古しろ」は孤独との戦い。ラストシーン…ヤタロウとモリスケが漫才ネタを行いつつ、そのままヤタロウは約束を果たし永年の別れに旅立つ。

舞台技術も素晴らしく、薄汚れた場所を更に際立たせる薄暮の照明、そして印象的なのは目つぶし効果。音響ー効果音はもちろん轟く銃撃音、音楽はマカロニ・ウエスタン調で物語に上手く合わせる。軽快なテンポがアクションを活き活きとさせている。世紀末人情活劇「ヨコハマ・ヤタロウ」は、もっと やったろう というダジャレも許してくれるだろう。
次回公演も楽しみにしております。
虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

 ベシミル! 華5つ☆ 流石に大賞を何度も獲得してきた劇団。

ネタバレBOX

 いい加減な脚本が矢鱈多くなっている昨今、流石に攻めるべきは攻め、気に留めるべき点は気に留めて分かり易く、而も東京帝国大学(坂下)と京都帝国大学(石野)との研究者のタイプ差も描き分けている。自分も両大学の研究者とも付き合いがあるので戦前の研究者もこうではないか? と類推する楽しみがあった。近代国家成立以前に大学が在ったヨーロッパやアメリカのように思想・信条・学問の自由・人間の尊厳をベースにした思考の価値を創造し護持してきたのは大学人であるとの認識が国家権力への大学人主張に繋がるという体制の根拠が日本には薄弱である。然し京都にはこれとある意味似たことがあるかも知れぬ。というのは権威という形で将軍を任命し国家権力を相対化してきたからであり、或は千年の都であった京(一時的に奈良)の地で育まれてきた底深い文化や学問の中心地という歴史からくる矜持と大きな政変が在る度に戦場の憂き目をみてきた民衆の反権力的指向が京大の学生にも京大の研究者にもどこかで影響しどちらかというと大らかで権力よりも人間的価値を重んじる傾向が強いのかも知れぬ。そこへゆくと東大は幾つかの学問塾のような(例えば昌平坂学問所等)が合体してヨーロッパの近代国家を真似て作りそのイデオロギーを広めようとして作った「最高学府」であったから自立心が弱く時代権力に阿易いのかも知れぬ。無論、第2次大戦中に軍に引っ張られ命を落としたり身体を毀損した者の比率は私大より帝大の方が圧倒的に多い。学生ばかりか、助教授クラス迄兵士として出征させられたケースもあった。このような学問の自治に纏わる大問題は現在も我々の足下に在る。学術会議任命問題が良い例だ。両教授の台詞及び各々の助手の台詞からもこれらの事情がとてもよく分かる。無論、研究者各々で個性もあるから、京大(京都帝大)の教授が総てより人間的であるとは限らないだろうが。
 さて、今作では伏線の張り方に際立った特色がある。通常伏線は脚本に書き込まれているが、今作では演技というか小道具に伏線が仕込まれている。即ち基本的には観た観客にのみ分かるように仕組まれているのである。これは演劇人として新しい態度なのではないか? 観客を信じなければこんな芸当はできない。演劇人として一期一会を舞台化したと言っても良い位だ。いつも通り、作・演を井保氏が担当している。と同時に役者としても演じている。三役をこなしながら体得した観客への信頼がベースにあるのだとしたら、これは素晴らしいことではないか? 他にも褒むべき点がある。出演者全員がラビ番のメンバーかV-netメンバーであるということだ。若手をキチンと育てて来た実践がここに稔っているのだ。実力というものは、このように目立たない地道な努力と継続、そして参加した人々が持ち続けるインセンティブによって成り立つ。その証が今作には見て取れる。女性陣の和服の着こなしも良い。
 椋平の虹が他の誰にも見えない謎に関しては、消去法で考えてゆけば簡単に答えは分かる。無論、早く答えが分かった所で今作の魅力が減じる訳ではない。至る所に掘り下げられたサブストリームが横たわっているしキチンと納得できる深さでそれが表現されているからである。要するに飽きさせないのだ。それは舞台美術にも表れている。目隠しとしても用いられる障子は、俳句の季語としては秋・冬に関係する。風鈴はお分かりだろう。オープニングの蝉の鳴き声は、ミンミン蝉。即ち夏も盛りを過ぎゆく頃である。こういった舞台上の総てが作品の生成・情緒・表現に関与してくるのだ。それら総てをひっくるめて東大の詭弁と京大の哲理・真理が対立し、椋平を通して世界が関与する。更に・・・も示されているが、観劇した人々は何を観るだろうか。実に面白いではないか? 
ユートピア

ユートピア

singing dog

「劇」小劇場(東京都)

2021/10/01 (金) ~ 2021/10/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ピーナッツを食べているシーンがありましたが、結構長く食べていて、公演の度に食べるのは飽きそうで、大変ですね。鼻血が出るかも...(笑)
亭主関白のお父さん、個人的には、嫌いなタイプですが、家族のためを思い頑張っているのにみんなに疎まれる。可哀想な気がした。努力が裏目に出ること多いでよね。
ひとりひとりの感情の動きがとてもよく描かれていた。
いろいろ考えさせられる、良いお芝居だった。
ひとつ気になったのは、長女と母親が、同じ人が演じていたが、区別がつかず、混乱した。他の役者さんの二つの役は大丈夫でしたが。

少し重いテーマではあるが、個人的には興味があり、とても楽しめた。
満足でした。次回も楽しみです。

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

史実を基にーって
よくできてたなぁ=さすがのラビット番長って感じの作品でした

惜しむらくは換気が効きすぎて
チョイ濡れた身体が場内で冷えやすくなった位
(まぁ台風16号のせいもありますね)
=冷えを気にする方は対策必要かなーとか

ネタバレBOX

A.D.1930年代
不穏な感じで戦争の影が見え隠れする時代に
軍の意向で地震予知を探る研究者が見つけた
虹を見る男・・・・
ただ男の言う虹は第三者には見えないものだが
次々と地震予知を的中させ精度も増してゆく・・・
基本は帝大の慎重な地震予知研究の教授と
虹の人と近所で呼ばれてる無学な男との交流です
慎重に慎重を重ねる性格で
軍に地震予知として報告はしてなかったのに
新聞にすっぱ抜かれて詰め腹を切らされる過程は
丁寧で納得の物語進行でありました
倒れた後の脳梗塞状態芝居は
今までの介護作とかが生かされてるよなーとも







ラスト=虹の人は色彩が見えてない
上手に作中では濃い色のモノトーンの着物と
白黒の葉をもつホオズキの鉢物で表現してまして
某映画 魔宮の伝説ラストみたいに
(ちょうど放映もしてましたなー)
カラフルな着物と普通の色彩の鬼灯の鉢をもってきて表現したのは
上手だったなーと感心しきりでした
海面に集まった魚の群れの光の反射を虹と見たのか
地震光といわれるものを見たのかは観客の心のままにと・・・

このまえTVで地震光らしい映像を見たんだがー
稲光みたいに一瞬な光でした=虹ではないなぁ と

また色彩話であり色盲・色弱だと
赤と緑の区別がつかないんだよなー確か
作中では黒のグラデーションに見えると説明してたね
実際だと黄土色のグラデーションに見えるらしいね
(親戚の子もカリントウを赤で描いたのには驚いた=でわかったんだが・・)
でも輪郭とかが認識しやすいそうで
今ではどうか知らんが
昔のヘリパイロットでは推奨された能力だったとか・・・WW2まで
ぐらいの話だとは思うけどねー


自分は地震にてキーンという高音が聞こえます
東日本大震災ん時は単に耳鳴りと思って医者にかかろうかと思ったほど
日々高音がうるさかった・・・・・ほんと回数が多かったわ
最近はそゆことないんで大型地震はすぐにはこんだろーなーと(^ー^)
ちなみに作中みたく地域なんぞわかりません=ただ規模がわかる程度
=音の大きさと聞こえる長さで=大きくて長いほど規模もデカイってくらい
Ma les me Role 〜マルムロール〜

Ma les me Role 〜マルムロール〜

劇団フェリーちゃん

王子小劇場(東京都)

2021/09/23 (木) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

映像鑑賞

配信で視聴。
ファンタジー、架空の世界を描くアプローチには色々あるものだと改めて思った

ネタバレBOX

人間関係など作品中で語られなかった部分があるため、登場人物達の動きや思惑が予想できず、それが良かったのかどうかなんとも判断し難かった。
ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

theater 045 syndicate

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

レトロで面白かった(^ー^)
・・・そっかーサイコガンネタは半世紀前なんだな・・・
ケロリンとガンベルトと旧式ガンのオンパレードは
なかなかよございました~♪

なんかねー効果音の人が遊んでくれるのも
新鮮で楽しかった作品でありました=約2時間弱

ネタバレBOX

ネタが古くて知らない世代に説明しながら笑いを取りつつ
物語を進行させる手法はユニ~クで楽しめました
(伏線?にもなってる感じがまた(^ー^;)

話はバイオレンスジャック風に
関東=横浜限定風に荒野となって
西部劇が進行する感じです
レトロで乗るなら=無頼ザ・キッド=みたいな
(さぁググってみましょう↑)
スッパダカ・ヤタロウの名に恥じぬ
作中ほとんど裸であり=これは観る人を選ぶかもー
でヤタロウは殺した相手のやり残したコトを継いでやるという
ポリシーがあり=例:1日1000回スクワットをするとか
EX:漫才大会に出る=漫才をやるとか
様様な人々との出会いでヨコハマを牛耳る市長との対決
運命を占う3姉妹(3姉妹・・・姉妹・・・ではないんだが)
マクベスの占い話にひっかけたトコとか
色々混ぜてて楽しめました~♪

ドーベルマン刑事の全裸エピソードで出したナイフ
服に刺さったナイフ=大腸菌まみれで触れないというのが
作風にあっていそうでしたが言いませんでしたねー
何とか取ろうとしても触りたくないナイフ・・笑い取れそうな気が(^ー^)

ちなみに44マグナム弾ですけど
ダーティハリーも言ってた気がするけどー
反動が強いホットロードという作薬量と
反動の軽いライトロードというのもあるので
リコイルは様々なんですけどねー
ちなみにカスタムな回転式拳銃とかだと
先のマグナム弾どころか大型のライフル弾をリボルバーに入れる
ハンドガンなんかもあります
=反動がほんと漫画ドーベルマン刑事さんになるらしい・・
虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

虹の人〜アスアサ四ジ イヅ ジシンアル〜

ラビット番長

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/04 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ラビット番長の新たな挑戦。大成功!
新境地に大いに魅了されました。
これだけ面白い劇を見たのはいつ以来だろう?
今年一番かもしれない。

ネタバレBOX

ああ、そうかあの口紅の色はそういう意味だったのか!
ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

ヨコハマ・ヤタロウ~望郷篇~

theater 045 syndicate

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2021/09/30 (木) ~ 2021/10/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

主な舞台が横浜の荒野にある銭湯松の湯、ヤタロウはたいてい裸でピストルとケロヨンの桶をもって戦うのです。コブラとかドーベルマン刑事のネタとか想像していた通り昭和臭満載の物語でした。そしていろんなキャラが相互に繋がっていてちゃんと収束していきましたよ。猥雑感あふれる物語を一気にみせてもらいました。けっこうきれいな幕切れでした。ただ大スタジオだとちょっと舞台が広すぎたような。初演の雑居ビルでのステージを見てみたかった。

ネタバレBOX

一番面白かったネタが、ラストシーンの葬儀屋と死体、交互に葬儀屋とそこに歩いてくる死体をやり、突っ込みまくり、最後にぱたんとほんとに死体。。。

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