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プール!

プール!

演劇ユニットカンタロウ

戸山公園箱根山地区 陸軍戸山学校軍楽隊野外演奏場跡(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初めて来たこの会場。日曜の昼は晴天で、鳥の声や風の音、時折響いてくる子供たちの声なども気持ちよかった。肝心の本編、序盤はこれは拾い物かもと期待したのだが、中盤からちょっと失速した感があるのは、あの問題とのバランスが今イチだったからかも。ヒロイン役の演者さんがチャーミングでした。

シャンデリヤvol.2

シャンデリヤvol.2

U-33project

高田馬場ラビネスト(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

評判が目茶苦茶悪い為、相当つまらないのでは?と構えたがまあ許容範囲。この作家、笑いのセンスは壊滅的に無い。面白いことをする事が笑いなのではなく、普通な事をしていても可笑しな情景は多々ある。コンビニ店員の男が派手にキモい男をアピールするのだが、全く方向性が逆向き。一生懸命普通を装いつつ、どうしても零れ落ちてしまうリアルさこそが笑い。兎に角演出のテンポがのろい。観客の脳内思考判断の先へ先へと駒を進めてこそが喜劇。笑いは”カルチャーギャップ“と“間”なのだ。
観客の散々募らされた鬱憤がラストの『夜迷い荘殺人事件』にて大爆発。これは普通に面白い。小泉愛美香(あみか)さんとまひたんさんにはセンスを感じる。小泉さんの「取り敢えず出ましょう」は名台詞。観客もドッカンドッカン沸いていた。外山(とやま)達也氏の刑事も観客の準拠枠として機能。

ネタバレBOX

A 二人のOLが上司に気に入られようと気配りを競い合う。
B コンビニの店員の男女。男は変態的ストーカーで美人店員の隣室に住み、忍び込んでカメラを仕掛ける。その内彼女が喧嘩で彼氏を殺害する場面に遭遇してしまう。キーワードは“団子虫”。
A 二人のOLは定食屋で競い合いながら舞台の椅子や仕切りの配置を請け負っている。
C 事故で9年間意識不明だった男、退院すると日本は訳の分からない事になっている。
A 二人のOL、最後の仕事。
D 今舞台のメインである『夜迷い荘殺人事件』。舞台裏や稽古風景も含めてお送りする。

Dのマネキン少年は当人の姿を現さない方が良かった。役者が飛んだ為に舞台袖で声だけの出演に急遽変更した方が面白い。Bの小泉さんが約束を破られただけでいきなり彼氏を灰皿で殴り殺すのはマンガ。次の日、コンビニで妙にスッキリした優しい女の子になっている方が怖い。
小泉愛美香さんは金賢姫や福原愛に似ている美人。
Jeanne

Jeanne

鬼の居ぬ間に

「劇」小劇場(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

ジャンヌ・ダルクと云えば、ドライヤーの『裁かるるジャンヌ』を観たような気がするが全く記憶にない。ゴダールの『女と男のいる舗道』で娼婦ナナ(アンナ・カリーナ)が映画館でそれを観て涙を流す名シーンの方が印象的。
ちなみにジャンヌの故郷のドンレミ村は上野のドンレミー・アウトレット店(激安スイーツ販売で有名)の語源にもなったとのこと。

主演の奥野亮子さんが美しい。19歳で火刑に処せられることとなる、600年前フランスの軍隊を率いて戦った男装の少女に相応しいカリスマ性。神のお告げを聞いた片田舎の農夫の娘が王太子シャルルの下を訪ね、軍の指揮を任される。戦意高揚の旗印としての宣伝効果を狙ったものだろうが連戦連勝、シャルル7世の戴冠に貢献することとなる。だがイングランド軍に捕らわれるとシャルル7世は見捨て、見せしめの異端審問で虐め抜かれて死刑。その裁判記録が克明に残っており、余りの非論理的な遣り取りにうんざりする。
ドンレミ村の幼馴染役笠島智さんも印象に残る。時節柄、眞子さまに似てるなあと思った。
執行官役菊池豪氏は『一九一一年』の良心的弁護士役が記憶に残る。今作では『ベルセルク』の異端審問官モズグスを思わせる強烈なキャラクター。
ジャンヌの母親役田中千佳子さんの秘められた胸の内が物語のキーとなる。

1431年のジャンヌ・ダルクの異端審問と1455年のジャンヌ・ダルク復権裁判が同時進行で語られていく。前者では彼女を見棄てたシャルル7世(伊藤俊輔氏)が何故今頃こんな申し立てをするに至ったのか?それにはある女性(小口ふみかさん)の登場が関係してくる。

ネタバレBOX

ジャンヌが12歳の時、聖マルグリット、聖カトリーヌ、大天使ミカエル(ミシェル)が現れて神の声を伝えたとされる。古今東西、このような幻視体験や“神のお告げ”は無数に記録されている。但しそれを信じて行動した者は大体最後に裏切られて無惨な末路が待つ。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ(我が神、我が神、何故私をお見捨てになったのですか?)」と当のキリストも叫んでいる。一体この声の正体は何なのか?電波(幻聴)が聴こえる作家、故村崎百郎氏は「奴等の声に決して耳を貸すな」と書いた。「奴等の正体は神を名乗る狐かも知れない。素直に信じた奴が地獄に堕ちるのを見て愉しんでいやがる」と。

ホンも構成も演出もちぐはぐ。女優陣の熱演がド迫力なだけに本当勿体無い。話の語り口が混乱しているような。“神”への信仰を全て空虚な茶番にしてしまった故ではないか?大映テレビのような司教や執行官、軍人の大仰な遣り取りが今作にそれ程必要だとも思えない。山田風太郎の『首の座』や『明治十手架』のように逆説的な“神”の顕現が見たかった。
紙屋悦子の青春【9月28日~29日公演中止】

紙屋悦子の青春【9月28日~29日公演中止】

(公財)可児市文化芸術振興財団

吉祥寺シアター(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/28 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#紙屋悦子の青春
昨年、読売演劇大賞の優秀女優賞を受賞した #枝元萌 さんと、文学座の期待の新人 #平体まひろ さんが同級生で義姉妹という配役。その効果もあってか、とっても可愛らしい枝元さんと、少し大人びた平体さんを拝見することができて楽しかった。
今作の根底にあるのは、恋も夫婦愛を含めた家族愛も包み込んだ愛情。そして戦争反対。それらの基盤は「おもてなし」の心であり、その象徴がお茶だ。「お茶ば飲みましょ」というセリフが『あなたを大切に思っています』に聞こえてくる。大切な人との時間が永遠ではないことを痛感しているからこそ、今日の続きを求め、ずっと続くと信じることで自分を勇気づける。
最近、古き良き時代とは何かを考えるようになった。今が生きやすいかと問われれば頷けないけれど、一家の大黒柱という父が君臨する昭和が素晴らしいとも言いきれない。ここでは #岸槌隆至 さんが家父長制度の象徴のような存在の兄を演じる。その声の圧が、あの敗戦までの日本の国家主義や男尊女卑の根強さを実感させた。もちろん溢れるほどの愛情があるのだけれど、かつての日本に染み付いた皇国の常識に縛られた人々の姿が映る。
国家に、性差別に押さえつけられ、大切な人の出征に心とは裏腹の言葉を発しなければならない女性の姿が痛々しい。それでも、単身赴任の夫の帰省に心躍らせたり短さに拗ねたりする妻は、なんとも可愛らしく愛しい。二人の女優さんが去り際に見せた"その場"に想いを残す雄弁な視線に射抜かれた。
枝元さんの表情を観ているだけで幸せになれるのだが、星めぐりの歌、ゴンドラの唄の鼻歌にも心を擽られる。平体さんは七色の「はい」を使い分け、淡く、それでいて確かに作品を彩った。
戦争の前後には、兄弟の嫁や恋人、親友の嫁や恋人との縁談があった。捻れた悲愛。想いを抑え或いは押し殺し託す愛と、託された愛。それを承知で受け入れ受け止める愛。飲み込んだ想いを絶筆の告白で吐き出さねば飛び立てなかった死への恐怖と理不尽な戦争への怒りと絶望。それを背負った夫婦は果たして幸せだったのだろうか。
桜を見上げ、さざ波に耳を傾け、未来に目を向けた二人。やがて車椅子を押し「お父さん」と呼ぶ女と、お父さんになった男が辿った共に歩んだ人生。描かれた二つの時間に見える二人の関係性から、狭間の時間に想いを馳せる。
車椅子から降りる際の介助で左足を叩く仕草や、壁の向こうの廊下の様子を可視化させた #藤井ごう さんの演出が光った。
#長谷川敦央 さんの因業な年寄りも #藤原章寛 さんの一本気な若者も、どちらも声が美しかった。
美しさで言えば、満開のあの花とヒラヒラと舞うそれが、谷崎潤一郎『細雪』のラストのようでウットリ。ひとつ欲を言えば、本編の居間を畳に廊下を板張りにしてほしかったなぁ。最初のシーンを工夫すればなんとか……。
しみじみとほんのりを味わえる秀作、たくさんの人に観て欲しい。

シャンデリヤvol.2

シャンデリヤvol.2

U-33project

高田馬場ラビネスト(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

日常の中の非日常という感覚が、何となく分かるような気がしました。正直、意味不明のような部分もありましたが、それも狙いなのかな?とも思いました。肩肘張らず楽しめる作品でした。

キリウシ

キリウシ

劇団「劇団」

ABCホール (大阪府)

2021/10/21 (木) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

ABCホールを一つ飛ばしで贅沢に使用して、あの内容。最高😃⤴️⤴️でした。最後にはすすり泣きが聞こえ(私も泣いてしまった)、舞台の豪華さ、アクターの演技力、関西には必要不可欠な笑いを織り交ぜるなどパーフェクト‼️感動をありがとう。

『 星ノ数ホド-CONSTELLATIONS- 』

『 星ノ数ホド-CONSTELLATIONS- 』

イースター企画

OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)

2021/10/22 (金) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

満足度★★★

テンポは抜群に良かった。原作を知らないので、忠実に表現されているかは知らないが、タラレバ感の中に現実を出しているように感じた。不完全燃焼です。

おおさむこさむ

おおさむこさむ

浪花グランドロマン

ウイングフィールド(大阪府)

2021/10/22 (金) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

満足度★★★★

良かった。この劇団の良さがフルに出てた。チャプター別に現代のリアルな社会問題を描きつつ、最後で全てを繋げるといった感が、良かった。次にも期待しています。

Traumatic Girl

Traumatic Girl

関西演劇集団 Z system

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2021/10/21 (木) ~ 2021/10/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

女性だったらもっと共感できたかもしれないけど、とても良かった。学生時代の葛藤を、大人になっていく過程で引きずりながら、もがき苦しむ…。男ながら涙😢しました‼️もう一度みたいかな。

マリアの首

マリアの首

エムズクルー

シアターX(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/10/23 (土)

価格2,500円

23日18時半開演回を拝見。

終戦から13年後、広島の"原爆ドーム"同様、長崎への原爆投下の悲劇の象徴であった、浦上天主堂・外壁の遺構。そこに残された"被爆した"マリア像が見護る中、自身の信念・恨み・悔い、あるいは生きていくため…様々な"現実"と葛藤する人々を描いた2時間47分(途中休憩2回有)。
演出や表現の仕方などにつき、自分には難解で、かなり歯応えのある⁈作品だったが、長尺を感じさせない、胸に迫る舞台だった。

【付記】
チケット代、障がい者割引を適用して頂いております。

ネタバレBOX

【配役】
鹿(顔にケロイド痕を残す、昼は看護師、夜は街角に立つ娼婦。ある目的から、忍や義足の男等の同士と共に、被爆したマリアの像を解体し、何処かに持ち去ろうてしている)
…那須野恵さん
忍(夫の詩集を売る女。少女の頃、レイプされた男から託された短刀を復讐のために所持)
…新上貴美さん
静(鹿と同じ坂本病院の先輩看護師)
…斎藤萌子さん
次五郎(忍をレイプした男。娼婦達の元締めなどをしているが、戦後13年目の今になって原爆症を発症し…)
… 島村勝さん
桃園(忍の夫。絵描き・詩人。由来不明の白血病?を患う)
… 菊地真之さん
矢張(原水爆反対活動にのめり込む大学生。現実の反対運動への、作者の批判的視点の具象化?)
… 吉田道広さん
第一の女… 小川沙織さん
第二の女… おのるみさん
第三の女… 箕輪菜穂江さん
第四の女… 高橋未央さん
第一の男(巡査)
…青木隼さん(ゲン担ぎでジャンボカツ丼やジャンボカツカレーを召し上がる方)
第三の男…今井聡さん
第四の男(市会議員)
…石井智也さん(マチソワの間に、美味いと評判の、ガツンの博多ラーメンを召し上がった方)
第五の男(ニタニタ眼鏡男)…大森寛人(おおもり・ひろと)さん
第二の男(植字工)/坂本医師…近童弐吉さん
トリツカレ男

トリツカレ男

ナッポス・ユナイテッド

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2021/10/16 (土) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

王道の恋愛ファンタジー。一家で観に行ける安心の内容である。
ストーリー展開も役者さんの演技も「慣れている」感じだ。
しょうもない小ネタで笑いをとるのもうまい!

シャンデリヤvol.2

シャンデリヤvol.2

U-33project

高田馬場ラビネスト(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

マジックの攻防と言うので、マジシャンが競い合うお話かと思っていました。そっちの方が面白そうじゃないですか?いつの間にかマジックの工房になっていましたが。
殺人事件のお話(舞台裏の方)をメインにして掘り下げて欲しいです。舞台がよく見えないのは私みたいな小柄な観客のことかと・・・。
終わった時の照明がとてもきれいでした。

ドント・コールミー・バッドマン

ドント・コールミー・バッドマン

24/7lavo

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2021/10/14 (木) ~ 2021/10/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

バットマンは悪人ではなく、「残念な人」らしい。残念なのは、焦点がだんだん見えなくなって意識が薄れていくこと。次に目覚めたときは残念でない人間で目覚めたい。

Traumatic Girl

Traumatic Girl

関西演劇集団 Z system

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2021/10/21 (木) ~ 2021/10/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

3年前も拝見して面白かったけど今回の方がより心に突き刺さったしより感動しました☆それは今公演が単なる再演じゃなく作品のクオリティがスーパーサイヤ人並みに進化した超トラウマティックガールになっていた証拠やと思います!喜劇でありながら悲劇の部分をリアルにさらけ出す物語に人生の奥深さを突き付けられた気分です☆出演者の皆さんの熱演が素晴らしく、ラストは涙が溢れる程感動いたしました☆

あの夕暮れをもう一度

あの夕暮れをもう一度

少女蘇生

北とぴあ ドームホール(東京都)

2021/10/08 (金) ~ 2021/10/10 (日)公演終了

映像鑑賞

価格3,000円

スタジオ収録されたものを配信で視聴。
毛色の異なる4本の作品のオムニバス。朗読なので基本的に声と音メインで情景を表現しなければならないのは本当に大変である

きみがいた時間 ぼくのいく時間

きみがいた時間 ぼくのいく時間

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2008/02/28 (木) ~ 2008/04/07 (月)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

舞台「クロノス」を観たので、原作の「クロノス・ジョウンターの伝説」を読みました。短編集で「きみがいた時間 ぼくのいく時間」も入っていました。そこで昔NHKの放送を録画したのを思い出し、久しぶりに観てみました。2008年の舞台なので放送もそのくらいだと思うのですが、我ながらよく残していたなと思います。昔見た時のことはよく覚えていないのですが、残しておいたということはきっと良かったんだと思います。
今回見直して、残しておいて良かったと思いました。最初の時も泣いたことは覚えているのですが、今回と同じかどうかは定かではありません。
最近は配信も多いので、映像で見ることに慣れてしまいました。最初はお芝居は生で見なくちゃと思っていましたし、今もそう思いますが、役者さんの表情が見えていいですね。サンシャイン劇場で見ていたら、こんなに上川さんの表情が見えるような席は取れていないと思われるので。

ネタバレBOX

今回は純子(原作にはいません)の思いがもう切なくて切なくて泣けました。一見強そうなので余計に泣ける感じです。老人になった里志と一緒に、幸せそうな若い里志と紘未を見守るシーンなんて号泣ものでした。紘未を救うためとは言え、いろんな人の運命を変えてしまう里志。大きな声では言えませんが、原作よりずっと面白いです。
しかし、やっぱりタイムパラドックスの謎は解けない私でした。
エレモア・ムーブ

エレモア・ムーブ

バンタムクラスステージ

王子小劇場(東京都)

2021/10/22 (金) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2021/10/23 (土) 18:00

文句無しに面白かった。2時間があっという間。色々ちゃんと知っているとまた別の楽しさがあるのも良い。配信での観劇となり、もしかしたら「暗すぎ」と感じる人がいるかもしれないとも感じたが、個人的にはちょうどいい感じに暗いとこはしっかり暗くいい感じに見えた。定点の引きの映像ではあるが1回目には悪くないチョイスかなとも思う。もう一回見るのであればよりの映像が見られるスイッチング配信もいいかも。
とは言っても知らなければ知らないで初めて知るという一回こっきりの体験ができるわけだからそれもいい。

ネタバレBOX

ギャング達のいっちゃってる感じがいい感じでした(結局映画人達もまあまあいっちゃってる)
終盤の「大とんとん拍子」は清々しさえ感じる。
いろいろな考え方があって良いと思うし、褒めてたからあれですが。兼ね役というかアンサンブルの役回りの役者さんを多く使う芝居をこのすぐ後にやる団体の関係者さんが一度死体ででた役者がそのあと出てこないのが良い的なことをつぶやいていて、そのアンサンブルの役者さんが多数出る団体の代表者さんが「いいね」したりするのはその兼ね役をやる役者さんを応援する身でないとしてもチョット腑に落ちない。その団体としてはそういう考えなわけで「お金の問題」の皺寄せが彼らにいっているということなのか?別の役者の方がいいけどお金ないから色んな役やらす。でもそれはお金が無いからでの前提の評価になるのかな?死体が後でぴんぴんして出てくれば「あれ?さっきより前の話?」とか時系列がややこしのもあるかもしれないがリアルとリアルっぽいは違う。全く別畑だが例えば模型はスケールによってリアルに見えるデフォルメの仕方が違う。制限の多い演劇というやつはより色濃くその傾向があるように思う。映画と違って演劇はたとえ1シーンしか出なくても少なくとも出番が済むまで拘束される。商業でない方がならなおさらだ。商業だから出来ないけどそっちの方がベターというのはチョット思えない、死体役が欲しいけど役者が足りないなら、「死体が有る」芝居をすればいい訳で、それができるのが演劇なのに死体役の役者がその後出てこないのが最良だなんて、なんか違う。それは演出の仕方の違いという程度のもの。
ぼんやりブルース

ぼんやりブルース

ヌトミック

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/10/22 (金) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2021/10/22 (金) 19:00

フリージャズ的な演劇とでも言おうか。私の苦手なタイプです。

扉座版 二代目はクリスチャン ―ALL YOU NEED IS PASSION―

扉座版 二代目はクリスチャン ―ALL YOU NEED IS PASSION―

劇団扉座

すみだパークシアター倉(東京都)

2021/10/21 (木) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

設定だけを借りた、ほぼ新作といっていい作品。そういえば、石田ひかりの舞台を観るのもあの『飛龍伝』以来だった。

ネタバレBOX

夜の部で観た方がよかったかなあと思うシーンもあるのだが、昼の部の方がいいよなあというシーンもあり、もう1回観ようか迷うところ。
解放区

解放区

GROUP THEATRE

浅草九劇(東京都)

2021/10/20 (水) ~ 2021/10/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 舞台手前にはあちこちに塵の山、中央やや上手に舞台へ上がる段が1つ、上には茣蓙が掛けられている。舞台と客席の間、矢張り塵のような塊が上手下手の天井から1つずつ吊り下げられている。
 さて、板上。ホリゾント手前に衝立のように立ち上がる壁、その奥は袖になり上手に透明なビニールが貼られてバイオリン弾きが時折登場する。通常の演奏というより現代音楽的に不協和音をアレンジしたクラシックのような音楽を演奏しているのは、この空間が破壊の瀬戸際にあるからである。ビニールの更に上手には姿見サイズの大きな金色の額縁がある。壁下手には青いビニールハウス。住人は今作の主人公である。風呂に入れないから、物凄く臭う。
 壁から観客席へ延びる板上には下手に様々な書籍が塵の山となって散乱(産卵)し、上手にもやはり塵が若干と簡素な椅子としても用い得るガラクタが在る。
 物語は、可成り意外な展開を見せる。所謂ホームレスが主人公なのだが、このホームレス。実は天才と称された劇作家、元大学講師も務めたインテリである。その彼が何故このように零落の憂き目を見て居るか? その顛末が描かれたのが、今作である。(華4つ星、解釈は観た個々人がすればよい、時間が取れれば追記する)

ネタバレBOX

 
 主人公は、その才能故体制側に多くの敵を作ると同時に大学での教え子、作家志望の新聞記者をはじめとして熱烈な信奉者にも恵まれていた。従って彼の住むこの塵溜めのような空間も数々の政治的愚策や自由への圧迫、自分の頭を用いて考え抜かれた思考を持つ者達への有象無象の圧力から人間存在を解き放つ劇的空間として設定され機能している。その原動力は無論限りない想像力である。そしてそのimaginationを身体化することによって具現化する劇場としてこの場が捉えられているが故に死守せねばならぬのである。当然の事ながら立ち退き要求に応じることはできない。
 一方、資本主義体制の「王」である資本家や彼らとタッグを組む「政治家」、「マスゴミ」上層部、高級官僚及び最高裁判所裁判官等利害を一にする者達は、己が利潤追求の為に例えば3S政策等を用いて人々から自由な時を簒奪するのみならず恰も人々は楽しんでいるかのように思わされながら自発的な思考を停止させられ洗脳されてゆく数々の手管を用いて思考停止へ追い込む。これら「巧妙」とも言えないプロパガンダによって多くの人々が自省の習慣を無化され、思考の表層化・無化に甘んじることとなった。
 人々の持つ最大の武器である自由で合理的且つ深く実践的でイマジネーションに富んだ思考を無化し表層化することに成功した資本は次の手に打って出た。資本の唯一無二の目的・利潤追求である。その一つの現れこそ、現在この界隈で唯一の場所となったこの自由劇場空間破壊であった。このイマジネーションの宝庫を金のなる木に変えようというのである。
 ところで何故解放を叫ぶ者達は、敗北せねばならぬかである。現象的には現場監督の「未だ人が居ます」という制止にも拘わらず大型クレーンに取り付けられた巨大な鉄球が彼らを襲撃したからという単なる物理法則によって弾き飛ばされ、残存していた構築物が破砕された彼らの身体に圧し掛かったからという事象に過ぎないが、人間が人間に対して行った行為として、ことはそれほど単純ではあり得ない。現場で作業に携わる者達も解放区を主張して殺された者達も単に資本(即ち資本主義社会で高位を占める資本家≒王侯貴族や所謂エスタブリッシュメント等人間社会というヒエラルキー上位者)占有階層からみれば、ヒエラルキー下位を構成する人間総ては「モノ」に過ぎないからである。今更優生保護思想を喧伝するまでもなく、彼らのイデオロギーは「進化論」の曲解を根拠とする。無論、エスタブリッシュメント達は直接他人の死に関わるような愚行には関与しない。そんなことをするのは彼らの支配を受ける人間達に任せておけばよいのである。

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