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セイムタイム,ネクストイヤー

セイムタイム,ネクストイヤー

演劇企画イロトリドリノハナ

オメガ東京(東京都)

2021/11/11 (木) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

チームH(平野綾子&鯨井智充)を観劇

不倫は悪・・・いやいや、そんな単純に断言出来ないかも。
そんな一例とも言える人間模様の妙。
相手のパートナーの事を知りたい、あっちょっと待った!やっぱり知りたくない。
そんなせめぎ合いの中、ひねり出した妙案。
ならばパートナーの良いところと悪いところを1個づつ打ち明けよう。

結果、かなりお互いの生活を吐露し合っているというけったいな不倫関係は、不器用丸出しに滑稽ながらも年を重ねるごとに成熟していくのだから面白い。
これが肉欲とセットになって、すったもんだの25年。
長く波乱に富んだ繋がりは、それまで浮気とは全く縁のなかった二人だったからこそ築き上げられたのかもしれない。

鯨井智充さんのジョージは至って実直そう、反面ちょっとズルい所もあり性欲旺盛。
そう!多くの同性から共感を得るタイプ(笑)
平野綾子さんのドリスは素朴な女性・・・最初ごく平凡で素朴だった女性が年を重ねるごとに魅力的になっていく様子は、年相応に揺らめき老いていくジョージとの対比もあってなかなかに面白い。
あと性欲旺盛。

みっともない姿も散々晒してきた2人だが「悪くない人生だったな」とそれぞれ死ぬ間際に思うであろう事は間違いない。

ザ・ドクター

ザ・ドクター

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2021/11/04 (木) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

開いてからもう十日もたつのに、ネット批評に見てきた、が一つもないのはなぜ?。??と思いながら見れば、全く隙のない完璧の舞台。主演の大竹しのぶをはじめ、巧みなキャスティング、栗山民也のよく読みこんだ演出に従って一糸乱れぬ演技、美術をはじめ、過不足ないスタッフ・ワーク。テーマはコロナで誰もが直面せざるを得なかった「死」をめぐって科学と宗教はどのように人間を救えるか。受けないはずはないのに。
ほぼ、三時間近い舞台の完成度を評価するにはやぶさかではないが、その完璧な取り組みに落とし穴があったとも思える。
昨年ロンドンで上演されたイギリスの舞台は主軸のテーマをめぐって、信仰と科学だけでなく人種、性差別、階級問題、のような一般的な問題に加えて病院の組織や経営問題、日々の生活問題、テレビ番組まで現在のロンドン市民の直面する「ドラマ的な」問題が網羅(でもないだろうが)されている。その戯曲は若干はテキストレジされているのだろうが、ほぼ上演されたものに近いと思う。違うのは「肉体を持った俳優」である。
日本の俳優が下手と言っているのではない。日本の俳優が英国俳優の真似をしても仕方がない。第一、そんなことは誰もしていないだろう。肉体にしみ込んだ英国と日本のどうしようもない違いが戯曲との距離を置かせてしまったのではないか。
このような最新の戯曲をパルコがこのスタッフ・キャストで積極的に取り上げたことは多としなければならないし、この戯曲もつまらないわけではない。この詰め込み方のうまさなどは若い作家には学んでほしいところでもある。国境を越えて、演劇を咀嚼するのは、観客も含めなかなか難しいものだとつくずく思った。
、そうでなければ、「フタマツヅキ」をこれだけ理解し、感動し芝居を楽しんだこのネットの観客がこの作品に対して黙っているのは理解できない、


ネタバレBOX

珍しく、劇場の機械トラブルとかで幕間が20分伸びた。幕間40分。しかし、ここで帰る客は数人しかいなかった。芝居は結果が知りたくなる出来である。
「あの怪物の名は太陽の塔」

「あの怪物の名は太陽の塔」

The Stone Age ブライアント

サンモールスタジオ(東京都)

2021/10/27 (水) ~ 2021/10/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

たぶん、きっと、正しい答えが出ないテーマでしょうね⁉︎
ただ、障害者に対しての行政の援助は割と手厚くなっているので、
少なくとも、授かった我が子の選別がされないようになったらなぁ〜、と思いました。
あと、文通相手とのその後も少し気になります。

フタマツヅキ

フタマツヅキ

iaku

ABCホール (大阪府)

2021/11/12 (金) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

期待していたとおり、期待以上のiaku。二間だけの舞台、くるくる回って場所を変え、状況を変え、会話がみっちり詰まった濃厚な舞台でした。モロ師岡さん演じる父に対して、居心地の悪さ、違和感のようなものがあり、入り込めなかったところはあります。母(若い時の橋爪さん)もかなりぶっとんでました。

SWEET HOME 魂

SWEET HOME 魂

MousePiece-ree

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2021/11/11 (木) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

1976年カラーテレビが家にやってくる日のお話。昭和生まれの同年代でなつかしさ満載。とりあえず笑わなあかんと思って、笑える場面は盛大に笑わせてもらいました。アホなおっさんたちに、たくましい女性たち。愛があふれています。

ジャンガリアン

ジャンガリアン

文学座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2021/11/12 (金) ~ 2021/11/20 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

■約140分(途中休憩込み)■
iakuの横山拓也が文学座に脚本提供。横山作品らしくたくさんの笑いを孕みながらも、寛容と不寛容をめぐる素晴らしい人間ドラマに仕上がっていた。

半神

半神

ThreeQuarter

中野スタジオあくとれ(東京都)

2021/11/12 (金) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

Aチームを観劇しました。妖しげで不思議な世界で、悲しくて切ないような気持ちになりました。
観客を楽しませる要素が多々あり観応えがありましたが、途中、現実に戻される演出は、個人的にはどうかな・・という印象でした(折角世界観に浸っているのに勿体ない感じ)
役者さん達は、ちょっと緊張気味にも感じられましたが、一生懸命さが伝わってきました。
良い舞台でした。

半神

半神

ThreeQuarter

中野スタジオあくとれ(東京都)

2021/11/12 (金) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

原作は萩尾望都の短編。野田秀樹と萩尾望都の共同脚本により舞台化。そこに組み込まれたのがレイ・ブラッドベリの短編「霧笛」で萩尾望都も作品化している名作。人里離れた「孤独湾」の灯台に霧笛の音を仲間と勘違いした唯一の生き残りのプレシオサウルスが現れる物語。これを原案とした映画が「原子怪獣現わる」で、更に大ヒットしたその作品に多大な影響を受けたのが「ゴジラ」。
実際、今作は「半神」の設定を使って「霧笛」のテーマを語っている作品。序幕と終幕に原作の台詞がそのまま引用される。

シャム双生児のシュラとマリアの姉妹、人と隔離されて灯台の上に暮らしている。姉のシュラは頭脳明晰だが醜い為嫌われ、妹のマリアは知的障害だが美しい為可愛がられた。十歳になると一つしかない心臓が負担に耐え兼ねて死んでしまう為、どちらか一人を生き残らせる分離手術が行われる事に。

マリア役桜本あやさんとシュラ役櫻井まりあさん、ボケた老数学者役竹原ぽんず氏、ゲーリューオーン役岡島世里奈さんが印象に残った。社会人劇団の持つ強みも感じた。

フタマツヅキ

フタマツヅキ

iaku

ABCホール (大阪府)

2021/11/12 (金) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ちょっとあの、これすごい。もうダメ。めちゃくちゃ良かった。演劇の良さ、舞台の良さ、生演技の良さだった。iakuはほんまに人生なんよ〜。演出と舞台装置が最高。ちょっと今回刺さりすぎてボロボロに泣いてしまった。良かった、、良かった。。。

「Femiking」

「Femiking」

TremendousCircus

ザムザ阿佐谷(東京都)

2021/11/12 (金) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/11/12 (金)

価格4,830円

12日19時開演回(146分)を拝見。

フェミニズムやジェンダーレスの啓蒙が目的の為か、観客の理解を促す説明セリフが、クドくならない程度に、適時かつ懇切丁寧。故に、過去に拝見した『サロメ』『女吸血鬼カーミラ』と比較しても、大幅にわかりやすくなった親切設計。
また、登場人物個々に付与された多様な性格設定からは、ジェンダーレスの考え方に沿って、内部で検討を重ねた痕跡が伺えた。

恐らく、この舞台を観て、ヒトによっては強烈なアレルギー反応を起こす方もおられよう。ただ、私個人に関して言えば、この作品で主張された内容に全面的には賛同しかねるも、少なくとも理解は届いた146分。

ネタバレBOX

【配役】
クレオパトラ… 知乃(ちの)さん
アントニウス(アンソニー)… 雨宮大夢(あめみや・ひろむ)さん
オクタビアヌス… 和田響き(わだ・ひびき)さん
ベロニカ(クレオパトラの姉)/エロス(アンソニーの召使)
… 橋本明花(はしもと・はるか)さん
アルシエノ(クレオパトラの妹)/リヴィア(オクタビアヌスの妻)
… 当山楓花(とうやま・ふうか)さん
フルヴィア(アンソニーの最初の妻)…菅原茉利奈さん
オクタビア(オクタビアヌスの姉。アンソニーと政略結婚させられる)
…萌木小川(もえぎ・おがわ)さん
オキア(未来を予言出来るウェスタの巫女)… 田中愛恵(たなか・まなえ)さん
カルミオン(クレオパトラの召使)…山嵜七夕(やまざき・ななせ)さん
イラス(クレオパトラの召使)…せとうあゆみさん
マーディアン(クレオパトラの召使)… 菊間悠里さん
アグリッパ(オクタビアヌスの親友であり名将)
… 合田孝人(ごうだ・たかひと)さん
カエサル…enさん
ルカ…水乃るかさん
フィーナ…本馬ひなたさん
(ダンサー)…楠えみりさん
たましずめ

たましずめ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2021/11/10 (水) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

幻想的な雰囲気、不思議な空間を楽しめる作品でした。60分程の短い時間だったので、もう少しこの空間にいたかったです。
役者さん達の演技も良かったし、セットの大きな木が素晴らしかったです。
何とも余韻の残る素敵な舞台でした。

更地

更地

KUNIO

世田谷パブリックシアター(東京都)

2021/11/07 (日) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

演劇のあり方をとことん考え詰めた太田省吾らしいシンプルで抽象的とも言える二人芝居。そこを杉原邦生は、あの手この手の変化をつけて、80分飽きずに見られる芝居に仕上げた。更地になった昔の家のあとに来た夫婦が、自分たちの過去を思い出し、語り合う。言葉と俳優の存在だけで、そこにないものを現前(リプレゼント=ミメーシス)させる。

不倫や失業倒産や子供の非行や、そんな不幸な話はなにもない。赤ん坊の頃、思春期の性の目覚め、出会い、出産、子育て…。ほんわかした彼女彼氏の平凡だがかけがえのない出来事。女(南沢奈央)が半泣きで懇願する「本当にあったことがいっぱいほしい。なんでもない日のなんでもないことがいっぱいあって、そうなれば…。黄金(おうごん)の時がほしい」というセリフが主題を表している。
夫婦で見るのにいい芝居だ。「屋根がなくなったから見ることのできた月」のように、過去になったから全てが美しく見えてくる。実はこういう芝居は珍しい。だいたい不倫だなんだと、生臭くて、大なり小なり身に覚えのある夫婦で見ると気まずくなるのが多い。相手の話している間にあくびをして、平謝りするなど夫婦あるあるが面白かった。

戯曲の初老の夫婦の設定を、今回は若い俳優(男役の濱田龍臣は21歳!)でやったのが新機軸である。これは大成功だった。なんてことない若い頃の思い出話が、若い俳優の肉体と声を得て、リアルに立ち上がった。動きも多く、メリハリが付いた。現在より、過去を現前させる芝居なのでかみあっていた。初老より若い俳優のほうが見目麗しいので、視覚効果だけとってもいい。

見る前は、動きの少ない地味な芝居でつまらないだろうなと危惧したが、完全に杞憂だった。予想をいい意味で裏切られた。

ネタバレBOX

変化としては、開幕前の超スローモーから(大変珍しい演出)、ロックの音楽、白い舞台にいくつか小道具をおき家を再現。スパゲッティを指(!)で食べたあと、舞台全部を黒字に白抜きの更地幕でおおう。そのうえで過去を演じならが、出会い場面のラップでは帽子とサングラス(男)と、マイクも使う。時折小道具を黒幕の下に潜り込んで探したり、照明もスポットライトだけにしたり、霧のピクニック場面では男自らスモークマシーンを引っ張り出したり…。古いカセットレコーダーでクラシックも。

そして、みたことのないような星空と、雨上がりの「虹」が舞台に立ち上がる。若い俳優を選んだのは「未来を感じてほしいから」と杉原氏はいっていた。そのとおりに、前向きな気持になれる芝居だった。
たましずめ

たましずめ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2021/11/10 (水) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

好きなSF系(すこしふしぎ)の話かなー
しんみり ほんわり する感じの70分
丁寧な舞台セットと
場面転換の動きなど らしさが出てたかなぁとか
思えた話でありました(^ー^)

ネタバレBOX

3作といいつつ
中編を挟んだ前後の話は繋がっていて
ほ~なるほどと思える展開でした
中編は森の不思議の話な感じで
絶対少年のわっくんとかを思い出しましたー
・・・・それにつけても
梨がデカくて美味そうでした・・・あっしも齧りたかったデス
半神

半神

ThreeQuarter

中野スタジオあくとれ(東京都)

2021/11/12 (金) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

もっとシリアスな固い物語だと思っていたが、非常に明るい愉しいものだった。
竹本ぽんずさんが、笑いを誘い、盛り上げている。とてもおもしろい。
タンゴ、ダンスもあり、いつものスリークォーターさんと雰囲気が違い、エーこういう作品も演じるんだー、と、いい意味でビックリ!!!
家庭教師役の役者さんが、個人的にいいなあ、と思った。
とても良かった。
おもしろかった。

たましずめ

たましずめ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2021/11/10 (水) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素晴らしい美術の中での短編3本による約70分。小品といった印象の舞台だが、観終わって帰宅途中の今でも、不思議な余韻が続いている。

SWEET HOME 魂

SWEET HOME 魂

MousePiece-ree

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2021/11/11 (木) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

安定と信頼、そして貫禄の面白さでした☆カラーテレビが家にやって来る日に笑って恋して涙してテレビと共に家族に訪れるキラキラの奇蹟☆昭和を舞台に繰り広げられるハートフル(パワフル)コメディ♪ラストは感動させてくれるこの傑作は
「マウス版(ALWAYS三丁目の夕日)」や~☆☆

NEXT STAGE

NEXT STAGE

ACファクトリー

シアターサンモール(東京都)

2021/11/10 (水) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

 演劇初心者には、舞台を観る時の勉強になりそうな作品だ。(華4つ☆)

ネタバレBOX

 所謂バックステージものを地でいった作品。座長が曲者で年中脚本を変えたり、設定を変えたりするものだから劇団中が大騒ぎするのが常なのだが、そこはそれ舞台監督が中々しっかり者で何とか纏めてきた。然し今回ばかりはそうはいかない。急な高熱の為ダウンしてしまったからだ。そこで急遽代役を立て、本日はその代役の木下が舞台監督を務めるが。
 今回用いられる演劇空間は通常の板の上だけでは無い。シアターサンモールの舞台寄りの客席部分全部が(通路の舞台寄り客席総て)舞台空間として設えられているのだ。ホリゾントの壁面はスクリーンとして用いられるが、幕を用いワンタッチで隠すことができる。舞台美術は大きな階段、モップの刺さったモップ洗い器、人工植裁といった所。そして客席側の椅子の背を利用して載せられた黒い平台を台形の短辺として長辺の左に照明操作盤と右に音響操作盤を前にしたそれぞれのスタッフ。やや上手側の中段辺りの椅子にダンスの振付師が座っている。観客は通路の後ろの客席からこれら全体を観る。
 座長が来る前にオープニング、ダンスシーン、場当たり等が行われているが、例によって緊急の変更が行われた為に舞台美術のバラシから何から。音響、照明の変更、脚本・演技・演目の変更等で大わらわである。因みに件の座長は昭和式のやり方で劇団を引っ張ろうとするものの創立以来残っている役者は、1名のみという惨憺たる有様。然し座長は座長らしく演劇好きなら誰でも追及してやまない演劇の本質を求めて戦っており、場当たりに現れてからのダメダシにも中々鋭い指摘があって劇団を力づくで引っ張ってゆこうとする。実際演劇好きなら劇作家、演出家、舞台監督、役者、照明、大道具・小道具、制作スタッフやプロンプター等の裏方総てと、観客迄含めて追及して止まないモノ、即ち演劇の本質を求めて皆普段から自らに磨きを掛ける。役者達は数多くの戦闘シーンでも更に動き体捌きを良いものにしようと奮闘し、ダンサーも今より更に美しくしっかりした表現にする為に自らと戦っており、皿回しのような曲芸も更なる磨きを掛けて見所にしようと懸命で、とエンターテインメントを演ずる為のコミカルでドライな要素をも取り入れ、ガチ勝負で懸命な有様をも同時進行で描きつつ、同時に現実と虚構が相互陥入するような舞台を創ろうと奮闘する姿を描く。無論、観る側とて気を抜けない。
 ラストは、これら総てを実現する為に用いられた策が提示されるオチ迄付く創りで、舞台に纏わる総ての人々を巻き込んだ。
柔らかく搖れる

柔らかく搖れる

ぱぷりか

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/11/04 (木) ~ 2021/11/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

#柔らかく揺れる
#ぱぷりか
2回目。休演日を挟んで変更された演出の一つは配置。テーブルにつく場所が変わったことでガラリと印象が変わった。#用松亮 さん演じるリョウタの存在がグッとクローズアップされた気がする。もしかして父親を…?という疑念が渦巻き、川底の闇がより暗く深くなった印象を受けた。川がみんな海へと注ぎ込むように、家をみんなの集まる場所にと願った母。そこは、楽な道を選んだ人の吹きだまりとなり、人の心の底に淀む諦めや絶望や悪意を含んだ闇も流れ込んだ。
冒頭の葬儀と、ラストの一周忌は別人のモノ。その間の時間は行ったり来たりしていて、同じ時間の別の場所だったりもする。シャッフルされた時間に映るのは、彼らが抱える生き辛さの氷山の一角でしかなく、ここで語られないことが水面下に存在している。この中に殺人犯がいるのか? 一人か? 二人か?
仕事のストレスから解放された者と打ちのめされた者。愛する人が可愛がる動物にまで嫉妬する者。そうした小さな怒りの種をため込んだ先に、一体何が起きたのか。是非とも劇場で目撃者となって、事故か事件か……思いをめぐらせてみてください。

たましずめ

たましずめ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2021/11/10 (水) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

少し捻りのある叙情的な珠玉作。じんわりと心に響いてくる上質な味わいはSPIRAL MOONらしい。
上演は「まちかど」「西向く桜井」「落花生と柿の種」の3短編作品である。作品を叙情的と思わせるのは、脚本、演出はもちろんだが舞台美術がその雰囲気を醸し出す。場内に入るまでの階段に木の葉、場内には公園もしくは山奥の社といった場所をしっかりと描き出す。
(上演時間1時間10分)

ネタバレBOX

舞台美術は、第1話と第3話は関連しているため基本的に同じ。上手に木立、その下に占い師のテーブル(3話目の時には無い)、下手は大木の枝葉が茂っている。その下にベンチが1つ。地面の所々に草が生えておりリアルな造作。第2話は中央に社と供物、そして錆びて文字が読めないバス停標識。空調の関係であろうか 木の葉が揺れており自然を感じさせ、薄暮を思わせる照明にした時、壁に揺れ動く陰影がなんとも情緒的だ。

①「まちかど」…職場もしくは学生時代の先輩であろうか、好いている男・良男(星達也サン)へ何とかアプローチしたい早苗(道祖尾悠希サン)は占い師(秋葉舞滝子サン)と組んで、自分の意思表示を試みる。それをベンチから見守る女(=魂だけ:石井悦子サン)。その女は良男の亡き恋人か妻のような存在だが、自分に捉われないで新たな一歩を踏み出してもらいたい様子。占い師にはその気持が解るという超常の類。

②「西向く桜井」…母・沙織(矢治美由紀サン)が息子・祥太(渡部康大サン)と共に山奥にいる怪しげなカウンセラー・桜井(牧野達哉サン)に心療相談にくる。祥太は色々な事件に関わり、記憶の隠蔽や外界との関係を遮断している。心の闇の解放治療にやってきたが、それから桜井と祥太の虚々実々の攻防が始まる。桜井はカゲロウ(多咲明美サン)の狐妖しの力を借りて…。沙織と桜井は何らかの関係があるような雰囲気が気になる。

③「落花生と柿の種」…精霊流しの時季。浴衣を着た早苗と良男は出店でビールと つまみを買ってベンチで語らう。良男は、2人の酒肴を落花生と柿の種に準えて、適度に混ざっていたほうが飽きがこなくて楽しめる。何気に早苗の気持を受け入れる、第1話のエピローグ(魂だけの女は登場しない)。

それぞれの話に小難しい理屈があるわけでもなく、まして無理にまとめる必要などない。観たままを素直に心に刻めれば良し、そんな味わい深い公演。楽しめたぁ。
ちなみに、捻りがあると思ったのは、超常現象の類や深層心理の探り方に妖しを登場させ、幻想的、見えない心の在り様を何とか視覚化させようと努めているところ。
次回公演も楽しみにしております。
たましずめ

たましずめ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2021/11/10 (水) ~ 2021/11/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

まず嬉しかったのは、劇団オリジナルのバッグ。他の劇団ではこんなに素晴らしいプレゼントをやっているところはない。ここの劇団さんのお芝居を観なければ、手にはいらない。私の好きな色で、好きなデザインだ。
あとは、本格的な小道具が素晴らしい。手抜きで、ひとつも小道具なしでやっている劇団もあるのに、手間も費用もかけて、お客さんにサービスしているところがスゴい!!!

不思議な雰囲気を醸し出している作品で、後に素敵な余韻を残す。
本格的な小道具が、妙にマッチしていて好きです。

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