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この事件を報道する機関を日に一社ずつ減らしてください

この事件を報道する機関を日に一社ずつ減らしてください

森プロ

萬劇場(東京都)

2021/11/25 (木) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

勝手な印象ですが、

ネタバレBOX

虹テレビ→日本テレビ
EBS →フジテレビ
ていうのがイメージに近いとおもうんですがね。
テレビ太陽→ないでしょ?強いていえばNHK ?
この事件を報道する機関を日に一社ずつ減らしてください

この事件を報道する機関を日に一社ずつ減らしてください

森プロ

萬劇場(東京都)

2021/11/25 (木) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

藤沢チヒロさんデザインの漫画チラシが秀逸で内容はそのまま。マスコミ報道のあり方に一石を投じる為、報道被害の過去を持つ主人公(柴田塔氏)はTV局の上司(馬原颯貴〈まはらそうき〉氏)を人質に立て籠もる。要求はこの事件を報道するTV局を一日一社ずつ減らすこと。名前は微妙に変えてあるが、NHK、日テレ、TBS、フジテレビ、テレ朝、テレ東の6社の代表が集まり協議することに。人狼ゲームのようにそれぞれの思惑が絡み合い、話し合いは進展して行かない。

テレ朝の代表に無理矢理された下っ端AD役、葉月乃彩(のあ)さんのキャラが秀逸。自分で物事を考えられない、周囲を苛つかせる頭の悪い弱者を見事に表現。それでいて自分なりに必死に生きている様がリアル。テレ東の熱血女性正義漢、舘花(たちはな)美砂さんも印象に残った。役者陣はそれぞれ魅力的。奇妙な人間模様と遣り取りが寓話的で心地良い。
リアルタイムで一般世論がどうなっているのか知りたかった。

ネタバレBOX

何が本当で何が見世物なのか境目のない世界を手探りで駆けずり回る狂騒曲は、筒井康隆の「48億の妄想」なんかを思い出す。内田裕也の代表作、「コミック雑誌なんかいらない」は皆の嫌われ者の芸能レポーターが豊田商事会長刺殺事件の現場に居合わせ、止めに入って血塗れにされるのがクライマックス。宅八郎は「週刊ポスト」への復讐に、自費で探偵を雇って編集者を付け回しスキャンダルを私的新聞で暴き立てた。

今作は主人公に魅力が無い為、ドラマとしては弱い。主人公に余り語らせず、目的不明の方が話を引っ張れた。TBSの記者(金子伸哉氏)が報道から撤退する時犯人の構想に駄目出しをするのだが、それが尤もな話でとにかく穴が多い。重要なパーツが欠けているような物足りなさがある。果たして娯楽を享受している受け手側は、人命が大事だと思っているだろうか?
月の記憶

月の記憶

下北澤姉妹社

シアター711(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

開場時から流れる水の音のせいではないだろうが、序盤の展開や人間関係には、なんだか不安をかきたてられるというか、ミステリアスな雰囲気も。役者陣はみな好演で、ラストの処理もとてもいい。

集金旅行

集金旅行

劇団民藝

俳優座劇場(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/11/26 (金) 13:30

座席1階

劇団民藝が全国各地で巡回する公演でロングランを重ねている演目という。自分は初めて拝見した。井伏鱒二の原作を、コメディータッチで描く。アパートの部屋代を踏み倒して逃げた元借主から家賃を回収する旅に出る売れない作家。これに同行したのが、かつての交際相手から慰謝料をふんだくろうとする女性。夫婦に見えてまったく違う、風変わりな男女の珍道中、といった物語だ。

アパートの大家が突然亡くなるところから物語は始まる。住人たちはお人好しの大家とこのアパートを気に入っていたのだが、借金のかたにアパートを取られるということが分かって、住人たちがこのアパートを守ろうと考えをめぐらす。そして、少しでも借金返済に充てようと、お人好しに付け込んで部屋代を踏み倒した連中から回収しようと、集金旅行という発案になる。

井伏鱒二が別名で登場し、集金旅行の主人公として描かれる。アパートに転がり込んでくる大学生の太宰治とか、文豪の名前が次々に出てきて面白い。
借金の取り立てといってものんびりしたもので、列車に乗って旅館に泊まり、家賃を踏み倒した人物のところを訪問してお金を返してもらう、というゆったりとした時間が流れている。電話もあるにはあるが、交換手を通してつないでもらうという時代。そういう時代背景もあってか、借金取り立てというぎすぎすした雰囲気はまったくない。
一方、別れた男から慰謝料を取ろうと考えた女性もこのアパートの住人なのだが、一緒に旅に出るというシチュエーションに、何となくお互いの気持ちを通わせていくというのが、少し微笑ましい感じだ。旅先でのドタバタ劇もあったりして、笑えるところがたくさんある。

井伏鱒二が自分を売れない作家として描いているのも興味深い。実際、売れなくて苦労を重ねたという。代表作「山椒魚」で描いたこの魚の心は、井伏の実感だったのかもしれないなあ、と舞台を見ながらぼんやりと考えた。こうした自虐的な物語は、日本の文豪たちには珍しいのではないか。

休憩を挟んで3時間近いので、長いと言えば長い。しかし、このゆったりとした時間はこの芝居のベースにあるべきものなのだろう。通信手段が発達し、新幹線で目的地まであっという間という世界に住んでいると、何かしらこの時間の流れがとてもうらやましく感じる。

『葵上』『弱法師』

『葵上』『弱法師』

東京グローブ座

東京グローブ座(東京都)

2021/11/08 (月) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

#近代能楽集 #葵上 #弱法師
#神宮司勇太
#佐藤みゆき #渋谷はるか
ビシッと決めたスーツ姿の彼のシルエットは舞台映えする格好良さだ。声もイイ。これで舞台に合う発声を身につければ魅力が更に増すだろう。ただ……決められた台詞を声にするのではなく、そこで初めてことが起きて、そこに体が反応し生の言葉が発せられるようにしてもらえると物語はもっと面白くなるはず。新国立劇場の前芸術監督であり厳しい演出で知られる宮田慶子さんだが、果たして彼にも厳しく稽古を付けたのだろうか。劇団出身の俳優にだけ厳しいのではないと信じたいが…。
やはり、目当ての二人佐藤みゆきさんと渋谷はるかさんは素晴らしかった。
葵上で看護師を演じた佐藤みゆきさんは発声に工夫を凝らし能楽を感じさせた。亡霊が語る能の世界。六条御息所の生霊を手引きするような彼女が既に亡霊のよう。ほぼ一人芝居と言えるほどの長ゼリフも揺るぎない。見事だった。
弱法師の渋谷はるかさんは、母性を基盤にした絶望や困惑、そして苛立ちを見事に立ち上げてみせた。
ジャニーズの東京グローブ座での公演は、なかなかチケットが取れないけれど、脇を固める俳優さんたちが本当に実力のある方たちばかりだから、チャンスがあれば観たいものばかり。

嫉妬深子の嫉妬深い日々

嫉妬深子の嫉妬深い日々

U-33project

王子小劇場(東京都)

2021/11/26 (金) ~ 2021/11/30 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

3か月連続公演の締括り。少し教訓臭を感じるが、タイトルから薄々感じられること。
嫉妬深子…もちろん本名ではなく普通の女の子。どうしても他人と比較して嫉妬してしまう自分を内省する。彼女と同様にある渾名を付けられた女の子、こちらは他人を観察し客観視する。この2人の女性の視点を交差するように描いた物語。登場人物は全て女性で姦しく華やかであるが、意識しない棘があるところを上手く表現している。伝えたいことは解るが、その表し方が台詞中心になったのが勿体ない。
(上演時間1時間35分)

ネタバレBOX

舞台セットは、段違いで中央は階段。上段の上手側に色鮮やかな殴り描き絵柄の屏風状、下手側は障子のような規則正しい升目の屏風状がある。板には色違いの箱馬が3つ。全体的にシンプルな造作であるが、そこに心内を表現したと思わせる工夫がある。

冒頭は明子<渾名:メイコ>(鹿角東子サン)が同窓会に参加し、皆と再会するところから始まる。彼女は根暗で存在感がないことから、少しでも明るくという意、そして無色透明という意、両方の意味合いを込めた渾名。本人が知らない性格を見抜かれ、同窓会で真実を知らされる衝撃。一方、25歳A型 嫉妬深子(平安咲貴サン)は何かと嫉妬し地団駄踏むクセがあり、その様子から付けられた渾名。2人は渾名のイメージが先行し、本名で呼ばれることがない。

さて同窓会は、リオ、ノリコ、エリ、チサト、ユカといった面々が集まり近況など歓談が始まる。本名(名前)で呼び合う同級生、そんな中で明子(メイコ)は、自分の立ち位置に違和感を覚えている。一方 深子は、同窓会前夜 興奮して寝付かれず寝坊、慌てて乗ったバスが千葉・館山に到着という敢えての滑稽さ。
再び同窓会へ向かう中で回想や内省をする姿がメイン。あるサプリメント(フリスク?)を口にすると将来の自分・吉野部(細田こはるサン)が現れる怪現象(ファンタジー?)。何故、嫉妬するのか、その理由や原因を探るため、自分が好意を寄せた人、苦手な人、何事にも完璧な人を登場させ心の動きや あり様を描く。物語を紡ぐという観せ方ではなく、深子を囲んでサークルを成す、上段から色紙吹雪といった抽象的表現で心の中や情況を描くといった印象が強い。

キャストの愛嬌や険(ケン)ある豊かな表情は、少し重たい内容を和ませ上手く牽引していく。衣装は、深子は殆どが体操着(皆からはそういうイメージ)、他の女性はカジュアル衣装という違いで際立たせる。名前さえ覚えてもらえない女性…自分は何者なのか、将来どうしたいのか、友達との関わり合い方は、と言った悩みがしっかり伝わる。これをもう少し物語に落とし(台詞や張り紙「なりたい自分になる」ではなく)観せて欲しかった。
ラスト、深子と明子が本名(名前)で呼び合うシーンによって、自分の存在が確認できる幸せな結末。
次回公演も楽しみにしております。
月の記憶

月の記憶

下北澤姉妹社

シアター711(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/11/25 (木) 19:00

過去の記憶と未来への希望を見せる芝居。良かった。105分。
 食堂をやってた母がコロナ感染症で亡くなり、同居してた長女のその娘の所に、さまざまな事情で家を離れた次女・三女が戻って来るが…、の物語。幼馴染みのボート屋と葬儀屋の2人の男を加えた6人の芝居だが、ミステリー的な要素もあり、興味深く観ることができる。記憶に捕らわれてしまう中年(?)の5人に比べ、若さ故の強さを見せる娘の凛々しさに、特に希望を感じた。オープニングや場面転換時に見せるジェストダンスの美しさは格別。

ガラクタ

ガラクタ

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2021/11/19 (金) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

TRASHの舞台もほぼ毎回の観劇、心酔しきってる訳ではないがつい観てしまうのはこの劇団の(というか中津留氏の筆致の)癖(ヘキ)を差し引いても得る所のある故だ。
今回も面白く観た。構造はシンプルで芝居も観やすく、「う~むちょっとこれは」という台詞も少なかった。役の数もこの位がちょうど良い(6人で8役)。ワン・イシューだが飽きさせず、日本の将来に関わるテーマでもあり、過疎地での「ウイルス感染症」の影響という形で経済問題に触りながら、メインテーマを掘り下げている。
立場の違い、人の分断と繋がり、理念の衝突と、対話・・地方の政治には国政の縮図も見られるが、国政との違い(地域性)に作者は希望への糸口を残して物語を終わらせている。
俳優陣ではナカツル・プールヴァール「おかめはちもく」に出演した岩井七世が綺麗どころで目を引き、庶民的悪役を存分に演じるみやなおこ、根のよさが滲む町長(森下)、先輩を慕う昔気質な漁師(長谷川)らが脇をにぎわし、観客がその目線に近づく(主役に近い)役として料理屋の夫婦(星野、石井麗子)、役所勤めの青年(倉貫)が堅実な所を押さえてバランスが良かった。

月の記憶

月の記憶

下北澤姉妹社

シアター711(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

誰が死んで、今まで知らなかったこと、知りたくなかったことが露になることがある。一度体験したそれは知りたくないことばかりだった。そんなことを思い起こしながら、人の心の変化と表と裏を考えさせられた。リアルに感じるそれらは出演者の演技力ゆえだろう。そう遠くない日にくるであろう同じような日(コロナではないが)を覚悟することともなった。何があっても人は生きていく。その強さを感じるラストは美しく思えた。

マツバラQ

マツバラQ

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

面白い! お薦め。
演劇は、その虚構性の中に時々の社会事情などを鏡のように映し出す、同時に娯楽(性)という愉しみも提供する。この公演は、後者に重きを置きつつも、第二の人生というか遣り甲斐、生き甲斐という”人生100年時代”の喧伝を彷彿させる。可笑しみと苦みが同居し心にしっかり刻み込む公演。しかし、けっして重たくせず、何方かと言えば軽妙な感じで展開していくところがグワィニャオンらしい。
休憩時間含め2時間10分(休憩時間7分)は、飽きさせることなく笑い笑いで演じ切る。もちろん休憩時間7分にも意味があり、役者泣かせの観客笑わせの大サービス。観客が自撮りしたくなる気持も頷ける。それは観てのお楽しみ。

ネタバレBOX

舞台美術は、上手にソファ(場面に応じて移動させる)、下手は階段上に出版社事務所で机や書棚が並ぶ。毎公演ごとにしっかりした作り込み。

この出版社は書籍の売上減少に伴い、倒産寸前のところで買収させ、細々と社内報やフリーペーパー等を制作している。かつて歴史小説で勢いのあった時とは雲泥の差。出版業界の栄枯盛衰の中にいる古参の中年社員(おじさん5人衆)は、ダラダラとした体たらく。一方、女性社員の星野茜子(菜ノ香マカ サン)、淀川晴美(平塚純子サン)、森下あすみ(丸山有香サン)の3人のOLは、新選組の謎多き四番隊長・松原忠司の本を作ろうと意気軒高で奮闘する。しかし、かつて新選組小説でベストセラーを生み出した上司(おじさん5人衆)は乗り気ではない。彼女たちは何故 松原に惹かれたのか…上司たちの新選組愛はもう失せてしまったのか…果たして本は無事完成されるのか….。

2020年11月の「刹那的な暮らしと丸腰の新選組」のカップリング公演のようだ。前作でもOLが新選組の魅力に取りつかれ、現在と過去(幕末)を往還して展開していくが、本作は出版までの過程を業界裏話的に展開していく。さすがに同じような展開ではなく、捻りを利かせた構成は さすがである。また劇中で「血風リトルトーキョー」(愛染終と東京ニューセレクト)を歌い、違う面でも楽しませる。

謎の松原忠司を本にするにあたり、どのような人物であったのか。先人(子母澤寛ー新選組物語:三部作)の焼き直しではなく、独自性を出すため自ら取材・調査する姿。幕末という時代間隔を埋める逞しい想像力。出版に係る大事な要素を次々に繰り出し、制作の苦労や面白さを経験させるおじさん達。想像力喚起のためのシミュレーションシーンに殺陣等のアクションを盛り込み、劇団らしい観(魅)せ方をする。幕末・京都での新選組の活躍、しかし地味な松原忠司(主宰・作・演出 西村太佑サン)をどう魅力立てるか、といった創意工夫が見どころ。それが八千代(関田豊枝サン)との心中事件で、叙情性を売り物にする。官能小説家に執筆依頼、その描写に笑いが広がる。本当に楽しませることを知り尽くした劇団の公演であった。
次回公演も楽しみにしております。
この事件を報道する機関を日に一社ずつ減らしてください

この事件を報道する機関を日に一社ずつ減らしてください

森プロ

萬劇場(東京都)

2021/11/25 (木) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

報道の在り方を巡る問題を鋭く描く
だいたい想定の範囲内だったけど、各局の性格を書き分けてあったり、ジレンマの描き方がかなり工夫されてたりした
まあ、自分の長年の経験から言って政治家とマスコミヤクザに他ならないけど、かなり犯人に共感する部分があったな

月の記憶

月の記憶

下北澤姉妹社

シアター711(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2021/11/25 (木) 19:00

105分。休憩なし。

マツバラQ

マツバラQ

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

充実熟練の劇団の幹の太さ。
主演の菜ノ香マカさんの声が印象的、耳に残る。買収されて倒産を免れた、嘗て時代小説でベストセラーを連発した出版社。今では社内報とフリーペーパーの制作で静かに死んでいくのを待つだけの日々。若手のOL三人組が新選組の松原忠司の小説出版の企画を立てる。古株の面々は会社での自分達の立場を熟知している為、耳を貸そうともしない。今では「愛染終と東京ニューセレクト」を名乗ってムード歌謡の練習に熱中。それを覆そうとするOL三人組と構想を練っている松原忠司主人公の時代小説が交差する。

「愛染終と東京ニューセレクト」の『血風リトルトーキョー』が会場でCDを発売する程出来が良い。是非会場で聴いて頂きたい。編集長役の魚建氏を東京AZARASHI団以外で初めて観た。流石に唯一無二、替えが効かないオンリーワン。松原忠司(主催・作・演出の西村太佑〈たいすけ〉氏)と許されぬ恋に堕ちる関田豊枝さんが大人の色香を芳しく刻み付ける。奥住直也氏演ずる「うしろの正面」が最高のヴィジュアル。熊木拓矢氏の「隊士③」がアムロ・レイ化するシーンが爆笑を呼ぶ。新選組と富野由悠季節はかなりリンクする。
非常によく練り込まれた世界、謎の柔術新選組四番隊組長、松原忠司の誠実で凄絶な物語が今こそ刻まれる。

ネタバレBOX

殺陣のレベルが高い。松原忠司の型は少林寺拳法と合気道を彷彿とさせる。殺した男の女房と不義の恋に堕ちるのだが、そこをもっと丁寧に描写して欲しかった。全てを捨てて惨めに歴史から朽ちていく男の美学に酔いしれたかった。
ラスト、不意にSIONの「月が一番近づいた夜」が流れる。それに一番やられた。松原忠司の物語ではなく、創作を世に出すことに関わることが出来ない無数の人達の叫びの詩だった。
マツバラQ

マツバラQ

グワィニャオン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

楽しかったです。

ネタバレBOX

途中まで好きでした。
劇団晴天の「曇天短編集vol.3」“雨が止むのは知ってます”

劇団晴天の「曇天短編集vol.3」“雨が止むのは知ってます”

2223project

上野ストアハウス(東京都)

2021/11/25 (木) ~ 2021/12/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

人の存在とは?
作品にはしにくいシチュエーションをあえてもって来ているところに、人間の心理の奥底の闇だったり、仄かな光だったりを感じられる作品。
客だしの新しい形「このご時世らしい見送り」は、ひょっとしたら新しいスタンダードになるのかもと思えた。是非、劇場で新しい見送りも体験していただきたい。

Gardenでは目を閉じて

Gardenでは目を閉じて

毛皮族

ザ・スズナリ(東京都)

2021/11/20 (土) ~ 2021/11/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

■約130分■
討議あり、ダンスあり、時事をたくさん詰め込んだ世間話のようなやり取りあり、その混沌が楽しい一作。全体的に、トガった大学生集団がやっているような青臭さがあるが、その青さが中年の自分の中にも眠っていた青臭さを覚醒させてくれる。
こういう演劇をやる若手が現れないのは嘆かわしい。

ネタバレBOX

ビデオ映像が軸となっている本作。その根幹を否定するようなことを言うが、Zoomを使って収録した討議部分は、Zoom映像という体(てい)の実演でよかったのではないか。ビデオの音声が聴き取りづらかったこともあって、上演中、ずっとそう感じていた。役者がフレーム様の物を持ってその中で喋るとか、陳腐な演出かもしれないが、生演技でやり取りしたほうが、話も入ってきやすかったと思う。
1/4の楽園

1/4の楽園

劇団だるま座

小劇場B1(東京都)

2021/11/17 (水) ~ 2021/11/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

21日の日曜の午後、下北沢の小劇場B1で上演された劇団だるま座公演『1/4の楽園 1999ー或るキャバレーの唄』千穐楽を観てきた。この舞台は創立25周年を迎えた同劇団による周年記念作品で、一部配役がダブルキャストとなっていて、それぞれを「お湯割り」「水割り」と名付けて上演されたもので、自分が観たのは全体の千穐楽で「水割り」チームの公演。もっとも、お目当てはシングルキャストとして出演していた知人の役者・古川奈苗を観るためである。
ストーリーは、1999年に映像作家・玉夫が出会った創業25周年を迎えるキャバレー「夢幻」(ムーランルージュと読ませる)を舞台に、オーナーの喜八や幼なじみの地回りヤクザの勘助、地元銀行の融資課課長の神取や男性常連客と、ムーランルージュの従業員達が繰り広げる人間模様。その中心は、喜八&勘助とホステスの百恵&アグネス。時代はキャバレーを置き去りにし、ムーランルージュの先行きが不安定なところで巻き起こるてんやわんや。そんな中に現れる父親探しの少女がアグネスの娘である事が分かり・・・・。喜八は、店をそのアグネスの娘・アキラに譲り、街を去る。幼なじみのヤクザ・勘助も百恵と共に同じく街を去る。そうした一連の騒動をカメラに収めた玉夫は、アキラと次の世代を生きていく。唄あり踊りありギター生演奏あり(常連客役すだあきらの演奏が心を打つ)の2時間。
1999年ごろのキャバレーを知る自分としては、懐かしさあり、キャバレー衰退の悲しさあり、アキラの今後の活躍に期待ありと言ったところか。そうそう、お目当ての古川奈苗はシングルキャストとしてアキラを好演。百恵役の板東七笑やオーナー喜八役の剣持直明も存在感があった。
アッという間の2時間の舞台。帰りがけに、物販コーナーで上演台本が掲載されているプログラムを購入。喜八役の剣持直明が劇団だるま座の主宰者。彼の演技は、前回の兎座で初めて見た。小劇場系劇団で25周年というのは凄い事だ。今後の活動に期待したい。

スケールⅡ

スケールⅡ

劇団献身

OFF OFFシアター(東京都)

2021/10/15 (金) ~ 2021/10/20 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すごくよかった。笑いと泣きのバランス、めっちゃ好きだった。俳優さんたち、すごく引き算を感じて、でも笑える面白い、会話してる、話せてる感、すごかった。皆さん感じが良いし、すごいメンバーでは?と勝手に感じました。個人的には抱きしめたくて抱きしめられないごまかす母、好き。怖いところちゃんと怖いって好きだな。結構ドン引いちゃうけど。落差すごかった。嫌いの怖さも保身の怖さも見捨てる怖さも、愛の怖さも。あと、演技どうこうよりも「感じがいいか」みたいなのって私は結構感じてしまうし大事だと思わされた。

カナリヤ

カナリヤ

日本のラジオ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/11/18 (木) ~ 2021/11/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

何も起こってないといえば何も起こってないけど、終わって前後のことをめちゃくちゃ考えちゃう。みんなすごく愛らしいのがしんどい。うまく生きられない・愛せない人たちのことをサイコパスとか言って遠ざけるけど、世界のバグみたいなことじゃなくてもっと助け合う方法がないのかなあと考える。それぞれが抱えるものの描き方がさりげなくてよかった。普通ってなんだろう。いい社会ってなんだろう。誰もが、階段一つ踏み外すだけで、もしくはいつの間にか、ああなる危うさが現代にもあると思う。私にはめちゃくちゃ自分と地続きの世界に見えた。

柱によって姿や表情が見えなかったり動線が複雑になるのが都合よくなくていいなと思いました。

柔らかく搖れる

柔らかく搖れる

ぱぷりか

こまばアゴラ劇場(東京都)

2021/11/04 (木) ~ 2021/11/15 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

うーーーーん。描こうとしている題材も、それぞれの抱える問題も、ゆっくり首がしまっていくような息苦しさもわかるし、描ききれていないとは思わないのだけど、うーん、なんとなく噛み合わない。必要十分かあまりはっきりしない。ちょっと説明的。掘り下げられている人物とそうでない人物の差が気になる。いや〜な動きをしている人について背景を知れないのが意図的であったとしてもキャラクター化してしまっているように感じてしまって苦しい。やや登場人物が多すぎる気も?もう少しそれぞれが絡み合いたい。

ことことパートナーが抱き合いながらゆらゆら揺れるシーン、「ことこがおるけんね」で何故か涙がポロポロ流れた。いろんな不満を持ちつつも、感謝して、頼って、生きていくんだなあと思ったら急にいろんなものが愛おしくなった。大切にして生きていかなきゃいけないなあ。

リョウタの家族への興味の失い方がすごくよかった。夫婦のシーンではとても優しく見えたから、ああ本当はいい人なんだろうなあと思ったらせつなかった。

暗転が多いのかなあ。こういう感じならもう少しさらさら流れたい。セットももう少し効果的なものが作れそうな?(車内のシーンとか)

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