クラッシュ・ワルツ
演劇集団池田塾
オメガ東京(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
ダウト 〜疑いについての寓話
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2021/11/29 (月) ~ 2021/12/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
緊迫感がハンパない恐ろしい芝居だった。舞台60年代のアメリカのカトリック男子校。厳格な校長のシスター・アロイシス(那須佐代子)が、生徒にも信者にも人気のある気さくなフリン神父(亀田佳明)に疑いを持つ。生徒にイタズラをしているのではないかと。何の根拠もない。しかし、若いシスター・ジェームス(伊勢佳世)が、校長の疑いに影響され、唯一の黒人生徒ドナルド・ミラーが、神父と二人きりで話した後、様子がおかしかったと報告に来る。
校長は神父を呼び出して問いただす。これも、逡巡し、嫌がるジェームスを説き伏せて同席させて。最初、クリスマス会の話題という口実を持ち出し、人気の雪だるまの歌も異教的だと批判する校長の「不寛容」を神父がネタにするなど、ユーモアもある。
校長の追及に神父は「はっきりさせない方が生徒のためになる」と逃げていたが、ついに折れ、ドナルドがミサで隠れて祭壇のワインをのんでいたのが見つかり、それを庇っていたと説明する。しかし、校長は神父の説明に納得せず、執拗に神父の正体を暴こうと絡みついていく…
血の通った人間なのか、正義と信念だけの塊なのか。厳格な正義と、寛容な優しさとの対決。那須佐代子なので、厳しい校長にも人間味が感じられる。しかし、神父に対する疑いは、言いがかりとしか思えない。不寛容な潔癖さが人間を追い詰めていくのは、魔女狩りの「るつぼ」を思い起こさせた。あるいは罪のない噂から無実の人間が追い詰められて行くリリアン・ヘルマン「子供の時間」とも重なる。アメリカの、左翼作家がこうした主題を度々描くのはなぜだろうか。大衆の誤まれる一方的行動への恐怖を身近に感じることがあるのだろうか。
ドナルドの母と校長のシーンでは、そっとしておいてくれという母親と校長の狙いがぶつかる。ここでも家庭の秘めた事情と、生徒の意外な素顔もわかってきて、一層、校長のやっていることは平穏をかき乱すだけに見える。それでも、校長は神父に「告白しなさい」「学校を出て行きなさい」と追い詰めていく。スリリングな1時間50分だっった。
終末のワルキューレ
「終末のワルキューレ」~The STAGE of Ragnarok~製作委員会
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2021/11/27 (土) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
これは演劇ファンよりもプロレスファン向けのコンテンツ。2.5次元プロレスといった新ジャンル開拓への野望を感じさせる。好きじゃない人には全く評価されないだろう。頭の中で妄想プロレスを展開し楽しめるような人はニヤニヤする筈。山田風太郎の『魔界転生』は死んだ剣豪を全盛期の状態に甦らせての夢のオールスター対決。今作は神話伝説上の神々の代表と全人類の全歴史の代表者が13番勝負で殺し合う。負け越せば人類絶滅のラグナロク(最終闘争)。
ひたすら『少年ジャンプ』バトルが問答無用で展開されるので、そのノリに入り込めないと苦痛。第一戦が余り面白くないので、「これが延々続くのか···」とうんざりした。だが、第二戦に大日本プロレスの関本大介氏が登場してから一気に風向きは変わる。「あ、これはプロレスだ」と合点して素直に楽しめた。後半どんどん面白くなる。
プロの俳優を揃えていてヴィジュアルに金が掛かっている。歌もアクションも小道具も本格的。片手間ではない、創り手の本気の情熱を感じた。
主演の飯窪春菜さんの凛とした美しさ。末っ子妹役、田上(たのうえ)真里奈さんの熱の入った演技。イヴ役新谷姫加さんの天然キャラ。佐々木小次郎役の中河内雅貴(なかがうちまさたか)氏は見事に物語を成立させてみせた。
スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
“スペキュレイティブ・フィクション”なぞという、聞いたこともない言葉がタイトル。SF・理系・そして小難しい言葉が苦手な私は、ついていけるのか?不安であった。SF好きの旦那様のお勧めを読んで頭が絡まってしまうくらい、その手は苦手だったのだが、演技馬鹿は“舞台なら”と思い切って拝見!眠くなることもなく、楽しませて頂いた。うーーんこれならアニメ感覚で面白い(失礼!)個性豊か過ぎる最低限のキャラクターで、無駄なくまとまったストーリー、ひとつひとつの説明が理にかなって聞こえてくる(?)。SFでありながら、青春のほろ苦さや暑苦しさ、十分滲み出ておりました!
スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
観はじめは「青春ラブストーリー」のようで、ちょっと思ってたのと違う、と感じましたが、すすむにつれて数十年前にもやもやしていた心の中を見るようで引き込まれました。
小池志織ちゃんの心からの叫び、泣けました。
性欲オバケの男っぷりに惚れました。
女子高生の娘にぜひ見せたい作品でした。
青春時代に人間関係に悩む子たちがみればなにか響くんじゃないかなぁ・・・。
さいはての街の塵の王
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い!
チラシの陰気な絵柄、説明から一見 骨太作品と思えるが、演出には軽妙さもありバランスが良い。
塵も積もれば山となる…意味合いは少し違う喩えだが「塵の王」とはそういう事かと納得。さいはての街とは、時代や場所に関係なく渦巻く人間の「想い」を普遍化するような表現にしている。ただ物語を紡ぐにあたって、場所はある程度 特定した処に設定し、現実(人間界)と異界の中で、自分とは何者なのかを探るようだ。その重い「想い」の裏に隠された感情が「辛い」「消えたい」「会いたい」等といった声になる。その感情を顕わにするのも、させるのも人間である。人は人から逃れられないのかもしれない。
(上演時間2時間30分 途中休憩含15分)
マツバラQ
グワィニャオン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
松原の人物像はもうひとつでしたが、
新撰組好きな面々のストーリー、
出版の取り巻く現状もまじえて楽しかったです!
クラッシュ・ワルツ
演劇集団池田塾
オメガ東京(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ホームドラマのようなノリで展開していく会話劇なのですが、かなり重いテーマで唸らされます。タイトルの意味がラストでようやく分かりました。
太陽は飛び去って
Ammo
サンモールスタジオ(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/12/02 (木) 19:00
歴史的題材を扱うAmmoが、大正デモクラシーその後、的な作品を上演。130分。面白い。
昭和4年のある1日の出来事(にしては、かなり「濃い」1日)を描く。1場から動きがあり、興味を持って舞台を観ていられるのと同時に、女性解放運動と現実の女性のあり方を見せるともに、現代にも思いをはせる作りになっているのは巧い。女性解放運動を扱うということで、豪華な客演を得て8人の女優が舞台に上がる。女優・男優問わず熱演だが、松本寛子の貫禄に、時の流れを感じてしまった(8人の中で最も古くから観ている女優さん)。使用人を演じた田中千佳子・福永理未の2人が流れを見つめる役割を担っているようにも感じた。
嫉妬深子の嫉妬深い日々
U-33project
王子小劇場(東京都)
2021/11/26 (金) ~ 2021/11/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
隣の芝生は青く見える、的なことも嫉妬なら、
誰もが持っている感情だと思うので、共感できる部分もありながらの、
女性だけのステージ、華やかで面白かったです!
話に入り込むというよりは、客観的に観れる演出も良かったかな⁉︎
太陽は飛び去って
Ammo
サンモールスタジオ(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/12/02 (木) 19:00
舞台は1929年。
平塚らいてう去し後の婦人運動家たちをとりまく1日の物語。
なんとまあ濃い1日でしょうか。
女性たちの理想と希望と、そこへ到達するための目的と手段。
喧喧囂囂と主張する女性たちの強く美しいこと。
そして、当時の価値観では「正しい男性像」であった男性陣や、使用人女性や子爵夫人や女学生の、それぞれの思いや振る舞いが、女性解放とは何か、フェミニズムとは何かを考えさせられる。
当日配られる「用語集」に目を通してから観劇することを強くおすすめする。(たとえば、「無産運動」の「無産」とは、子を産まないことではなく、労働者階級のことだったりするので)
美術と衣装がいい。
カラーパンフレットの衣装さんのインタビュー記事はとても面白かった。(カラーパンフの人物相関図もわかりやすくていい)
過去を生きた彼女たちの先に私たちが居て、更にこの先を生きる女性たちを思う。
良い舞台でした。
BABEL
演劇企画 heart more need
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
芝居屋風雷紡の吉水恭子氏の力作。仕事を中抜けして観に行った甲斐があった。渦中の中ではデマに翻弄され正気を失う。これは昔も今も変わらない。多くの人に観て欲しい。
太陽は飛び去って
Ammo
サンモールスタジオ(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
小説家役吉村公佑(こうすけ)氏が矢鱈三沢光晴に似ているのが気になったが、実は“どインディー”団体「よしむらプロレス」の主催者でもあった。副校長役大原研二氏は清原和博を思わせる風貌。綺麗な女中役福永理未(さとみ)さんは宮崎萬純に似て目を惹く。大根なのかコントなのかと演出もやり過ぎていて、客席のムードをガラリと変えた亀井子爵夫人役のトヨザワトモコさん、まさに怪演。こういう役が本当に向いているフェミニスト顔の奥野亮子さん。堤千穂さんははっきりとした顔立ちの美人。
1929年(昭和4年)、女性解放運動家の代表者を決める選挙。市民派(婦人参政権の獲得を第一の目標)、無産派(財産を持たないプロレタリアートの社会的解放)、革新派(外地の国民を束ねての権力獲得)が出馬。立候補を見送った融和派(各思想のバランスを重視する)の主人公(前園あかりさん)の屋敷にそれぞれ自陣営に投票するようアピールにやって来る。
みんなしねばいいのにII
うさぎストライプ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2021/11/26 (金) ~ 2021/12/07 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
舞台上は女性専用らしいマンションの一室。住人二人又は三人の住居として使い回されるが、その転換は今いる住人のの所に遠慮会釈なく別の住人(と客だったり)が入って来て為され、時に二場面が同時進行したりという、演出がスムーズでうまい。また上手側の棚には売り物が置かれ、時々コンビニ店内にもなる。
「変なことが起きる」マンションで、死と背中合わせ的な空気を楽しむドラマ、という所か。
AI懲戒師・クシナダ
株式会社CREST
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
マツバラQ
グワィニャオン
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2021/11/24 (水) ~ 2021/11/28 (日)公演終了
実演鑑賞
ほんのちょっとだけ気になった部分もあるんです。
それは生の声とマイクで拾った声に差異が感じられたという部分です。
ほんのちょっと気になったというくらいではありますが。
さいはての街の塵の王
尾米タケル之一座
ウッディシアター中目黒(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
長いと、寝ます。それが2時間ともなると5割越えの確率で寝ます。
従って、ずっと起きて観ていたというのは、少なくとも私にとって
確実に面白かったことを意味しているのです。
一言でまとめてしまうと、ライトノベルの良い部分を抽出した作品と
いう印象を受けました。ラノべはムリ!な人でなければ、楽しめるかと
思います。
それぞれ俳優のキャラクターが生きています。
旧来のリアリズムという観点では肯定しがたいものかもしれませんが、
そんなのいいじゃん、キャラ立ってるし、面白いし。
特に、妹のぶっ飛んだ芝居が好きです。あ。でもそれは、私がロリで
あることを意味するものではありません。
SFに魂を売ってしまった方へ、アドバイスがあります。
セリフ中のSFおよび周辺の用語が、ある方法で補足説明されますが
SFに身も心も侵食されてしまったあなたには、必要ないものです。
役者の演技に集中しましょう。それは、SFに馴染みのない方のための
サービスです。
あと、SFそのものと化してしまった方だけへのサービスもあります。
これは、観てのお楽しみ。
エラそうなことを言わせていただくと、若干の粗さはあります。
でもそれは「未完成の魅力」。次を観たいと思わせてくれました。
余談ですが、満席と見える中、わたしの前の席には人間が座って
いませんでした。体高が背もたれとほぼ同じ、黒く平たいモノが
ありました…いや、いましたと言うべきなのかもしれません。
あれは、一体何だったのでしょうか。
太陽は飛び去って
Ammo
サンモールスタジオ(東京都)
2021/12/02 (木) ~ 2021/12/08 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/12/02 (木)
価格4,454円
2日19時開演回(132分)を拝見。
南慎介さんの脚・演らしく、女性運動史はよく調べてあるし、話の構成も手堅い。
個人的には、特に”女学校の副校長”に具現化された、戦前の男性の(現代のフェミニズムの視点からすれば、非難されるべき)”清濁併せ呑む”キャラクターが、実によく描けていたと感じた。
役者陣、初日ゆえか、セリフの噛みが多少目立ったものの、概ね熱演。
とりわけ
前園あかりさん(「環」が感情が高ぶるあまり、言葉が出なくなった際の一瞬の表情がいい)
吉村公佑さん(本作品の良心?! 登場する度にホッとさせられる)
津田修平さん(良くも悪くも軍人らしい”背筋の通った”声がいい!)
井上実莉さん(登場する女性活動家たちの誰よりも、フェミニズムの神髄に近づいていく様を好演)
のAmmo組が印象深かった。
【蛇足】
劇中では、名前のみで”歴史上の人物”扱いだった市川房枝さん(1893〜1981)。
あの方の生前のご活躍をテレビ越しに視ていた世代としては、時の経過を痛感させられたw
スペキュレイティブ・フィクション!
NICE STALKER
ザ・スズナリ(東京都)
2021/12/01 (水) ~ 2021/12/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
詰め込んでた
詰め込んでた=楽しかった
矛盾無くSF出来てて青春も懐古も
いろいろとバラティビュッフェ並みに詰め込んでて
美味しかった約2時間強の作品 全席指定
よくあるSF系の
取っ付き難さは感じられなかったっす